電脳筆写『 心超臨界 』

悲しみは二つの庭を仕切るただの壁にすぎない
( ハリール・ジブラーン )

企業ブランドを高め「社員が沸き立つ組織」を構築する――伊藤邦雄

2024-08-27 | 08-経済・企業・リーダーシップ
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散『2024年8月発表:トランプ前大統領「米国を再び偉大にするための核心的公約20」』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
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企業ブランドとは人々がその会社に抱くイメージを決定づける無形の個性である。企業ブランドを磨けば、顧客、従業員、株主すべての価値を高める経営、すなわち「トレードオン(共栄)」の経営が実現するという。その結果、「社員が沸き立つ組織」を構築することができる。では、高い企業ブランドを持つ会社というのは、どういう会社だろうか。たとえば、ソニーはかつて世界初、世界トップの技術を次々と世に出し、他社との差異を明確にしていた。だが、その時の高い企業ブランドイメージはもはや存在しない。一方、ファンケルは、人のこころを大切にする企業の軌跡をに著すほどまでになった。七福醸造の経営理念は、「私達のすべての基準は、それが世界中の子供・子孫にとって『よいことかどうか』です」。企業活動をするために環境保全に取り組むのではなく、環境保全のために企業活動に取り組んでいる。21世紀の企業ブランドは、「ヒト、モノ、カネ、こころ」のなかの「こころ」にあるといえよう。


◆企業ブランドを高め「社員が沸き立つ組織」を構築する

「無形資産の時代――[3]ブランドの価値」 一橋大学教授 伊藤邦雄
2005.08.18 日経新聞(朝刊)、やさしい経済学

無形資産は多様である。なかでも最近注目されているのが企業ブランドである。その理由はいくつかある。

第一の理由は、株式持ち合いやメーンバンク制などの株主の「安定化装置」が崩壊した今日、それに代わる機能が求められていることである。

高い価値を持つ企業ブランドは二つの点で企業価値を高める。一つは将来のキャッシュフロー(現金収入)の水準を高める。企業価値はその割引現在価値で表されるからである。もう一つは長期安定的なキャッシュフローを生む。この結果、企業の経営リスクが低下し、割引率である資本コストが低下する。つまり企業ブランドの価値を戦略的に高めることが企業価値創造への有力な道である。

第二は、新たな経営モデルとして、企業ブランドを中核とした経営が期待されているためである。振り返れば、日本企業は「米国型経営」「日本型経営」のはざまで揺れてきた。前者を株主重視と決めつけたうえで、両者の比較優位性を問うてきた。先般のライブドア事件でもまたぞろ蒸し返された。しかし、この問いは不毛である。株主を軽視した従業員重視も、従業員を軽視した株主重視も、経営としては立ちゆかないからだ。

企業ブランドとは人々がその会社に抱くイメージを決定づける無形の個性である。それは自社を他社と差異化し、圧倒的な存在感と信頼感を人々に与える。企業ブランドを創(つく)りそれを磨けば、顧客、従業員、株主すべての価値を高める経営、すなわち「トレードオン(共栄)」の経営が実現するのである。

第三は、コンプライアンス(法令順守)を徹底させ、社員の活力を高めることにつながるからである。企業の不祥事をなくすにはコーポレートガバナンス(企業統治)と並んで、社員一人ひとりの高い規律意識を醸成することが必要である。自社のブランドに対する責任感と自負が、安全性確保や品質向上の面での甘えなど、不祥事の芽を除く有力な抑止力となる。つまり「ブランディング・ガバナンス(ブランド力による規律づけ)」が働くのである。

これは1990年代に日本企業で劣化してしまった社員の情的資本(エモーショナル・キャピタル=やる気)を高めることに寄与する。日本企業の経営者は社員の情的資本に楽観的で、それを高めることを怠った。まさに「社員が沸き立つ組織」を構築するためにも、企業ブランドを高めていくことが求められる。
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