§2-2 戦争を仕掛けるのはいつもアメリカ
◆9・11同時多発テロはアメリカが求めた21世紀の「新たな真珠湾」
「アメリカ国防力の再建」レポートに、アメリカが21世紀も引き続き世界の軍事超大国の地位を維持するためには、「新たな真珠湾」のような事件の必要性が言及されていたのです。ブッシュ(ジュニア)政権は、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォビッツ国防長官などの政権閣僚から見ると、まさしくネオコン政権でした。ロシアを天敵と見なすネオコン政権は、親露派政権を次々と打倒した東欧カラー革命を背後から演出したのです。
『ディープステート 世界を操るのは誰か』
( 馬淵睦夫、ワック (2021/6/20)、p149 )
ネオコンは1960年代からアメリカで勢力を伸ばし始めました。ネオコンとはネオコンサーバティズム(新保守主義)の略ですが、「もともと左翼でリベラルな人々が保守に鞍替えしたから、ネオと呼ばれる」(ネオコンの元祖の一人で、ユダヤ系政治学者のノーマン・ポドレツ)そうですが、この説明ではネオコンの正体を見誤る危険があります。ネオコンの元祖は、実はトロツキーなのです。
世界同時革命を唱えるトロツキーは、一国社会主義を主張するスターリンとの路線闘争に敗れた結果、ソ連を追放されメキシコに亡命しますが、そこで暗殺されました。このトロツキーの世界革命思想を受け継いだユダヤ系トロツキスト達が、移民先のアメリカで社会党を乗っ取って民主党と統合し、民主党左派の中核としてグローバリズム(世界統一政府)を主導するようになったのです。彼らは表向き「社会主義革命の輸出」とのトロツキーの看板は下ろし、それに代わり「自由と民主主義の輸出」によって世界統一を達成する戦略を取ったのです。ところが、民主党がケネディ大統領の時代に、彼らが追われたソ連との融和政策の平和共存政策を取り始めたため、共和党に鞍替えし今日に至っているのです。
重要な点は、ネオコンは共産主義イデオロギーの信奉者であるということです。であるがゆえに、ネオコンは世界統一のために国際干渉主義を唱えるのです。国際干渉主義をカモフラージュした用語が、国際協調主義ということになります。
繰り返しになりますが、第二次大戦後の国際協調主義とは、ディープステート(とその戦争実践部隊であるネオコン)が敷いた国際干渉主義のことなのです。このことを端的に表明したのが、9・11同時多発テロ後のアメリカの世界戦略となった「テロとの戦い」であり、その理論的礎(いしずえ)を提供したのが、「アメリカ国防力の再建」と題する政策提言です。
この政策提言は、2000年9月に民間のシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト」によって作成されたのですが、同年秋の大統領選挙で当選した息子ブッシュ政権の対外軍事戦略の指針となったのです。このシンクタンクは、ディック・チェイニー、ドナルド・ラムズフェルド、ポール・ウォルフォビッツのほか、ドナルド・ケーガン、ロバート・ケーガン父子などネオコンの論客などが設立者として名を連ねる、ネオコンの政策集団です。
先に述べましたが、この「アメリカ国防力の再建」レポートに、アメリカが21世紀も引き続き世界の軍事超大国の地位を維持するためには、「新たな真珠湾」のような事件の必要性が言及されていたのです。ブッシュ(ジュニア)政権は、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォビッツ国防長官などの政権閣僚から見ると、まさしくネオコン政権でした。ロシアを天敵と見なすネオコン政権は、親露派政権を次々と打倒した東欧カラー革命を背後から演出したのです。
◆9・11同時多発テロはアメリカが求めた21世紀の「新たな真珠湾」
「アメリカ国防力の再建」レポートに、アメリカが21世紀も引き続き世界の軍事超大国の地位を維持するためには、「新たな真珠湾」のような事件の必要性が言及されていたのです。ブッシュ(ジュニア)政権は、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォビッツ国防長官などの政権閣僚から見ると、まさしくネオコン政権でした。ロシアを天敵と見なすネオコン政権は、親露派政権を次々と打倒した東欧カラー革命を背後から演出したのです。
『ディープステート 世界を操るのは誰か』
( 馬淵睦夫、ワック (2021/6/20)、p149 )
ネオコンは1960年代からアメリカで勢力を伸ばし始めました。ネオコンとはネオコンサーバティズム(新保守主義)の略ですが、「もともと左翼でリベラルな人々が保守に鞍替えしたから、ネオと呼ばれる」(ネオコンの元祖の一人で、ユダヤ系政治学者のノーマン・ポドレツ)そうですが、この説明ではネオコンの正体を見誤る危険があります。ネオコンの元祖は、実はトロツキーなのです。
世界同時革命を唱えるトロツキーは、一国社会主義を主張するスターリンとの路線闘争に敗れた結果、ソ連を追放されメキシコに亡命しますが、そこで暗殺されました。このトロツキーの世界革命思想を受け継いだユダヤ系トロツキスト達が、移民先のアメリカで社会党を乗っ取って民主党と統合し、民主党左派の中核としてグローバリズム(世界統一政府)を主導するようになったのです。彼らは表向き「社会主義革命の輸出」とのトロツキーの看板は下ろし、それに代わり「自由と民主主義の輸出」によって世界統一を達成する戦略を取ったのです。ところが、民主党がケネディ大統領の時代に、彼らが追われたソ連との融和政策の平和共存政策を取り始めたため、共和党に鞍替えし今日に至っているのです。
重要な点は、ネオコンは共産主義イデオロギーの信奉者であるということです。であるがゆえに、ネオコンは世界統一のために国際干渉主義を唱えるのです。国際干渉主義をカモフラージュした用語が、国際協調主義ということになります。
繰り返しになりますが、第二次大戦後の国際協調主義とは、ディープステート(とその戦争実践部隊であるネオコン)が敷いた国際干渉主義のことなのです。このことを端的に表明したのが、9・11同時多発テロ後のアメリカの世界戦略となった「テロとの戦い」であり、その理論的礎(いしずえ)を提供したのが、「アメリカ国防力の再建」と題する政策提言です。
この政策提言は、2000年9月に民間のシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト」によって作成されたのですが、同年秋の大統領選挙で当選した息子ブッシュ政権の対外軍事戦略の指針となったのです。このシンクタンクは、ディック・チェイニー、ドナルド・ラムズフェルド、ポール・ウォルフォビッツのほか、ドナルド・ケーガン、ロバート・ケーガン父子などネオコンの論客などが設立者として名を連ねる、ネオコンの政策集団です。
先に述べましたが、この「アメリカ国防力の再建」レポートに、アメリカが21世紀も引き続き世界の軍事超大国の地位を維持するためには、「新たな真珠湾」のような事件の必要性が言及されていたのです。ブッシュ(ジュニア)政権は、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォビッツ国防長官などの政権閣僚から見ると、まさしくネオコン政権でした。ロシアを天敵と見なすネオコン政権は、親露派政権を次々と打倒した東欧カラー革命を背後から演出したのです。