電脳筆写『 心超臨界 』

計画のない目標はただの願望にすぎない
( ラリー・エルダー )

歴史を裁く愚かさ 《 チェコ併合と「真珠湾」――西尾幹二 》

2025-03-17 | 04-歴史・文化・社会
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彼がドイツ史について巧妙に語ることに私は異論はないが、チェコのズデーデン問題とアメリカの原爆投下問題を、日本人聴衆へのサービスのつもりか、勝者の不正の二例として並べて論じているのだが、これはいささか肯(うなず)けない。(中略)戦争に至るまでの日米の歴史について無知まる出しではないか。ドイツがチェコを併合し、チェコ人を集団殺戮した歴史と、日本が米本土でもない出先の一軍港(真珠湾)を戦略的に先制攻撃した歴史がどうして同じ不正と犯罪に位置づけられるのであろう。


『歴史を裁く愚かさ』
( 西尾幹二、PHP研究所 (2000/01)、p246 )

第4章 日本人よ、知的に翻弄されるな
4 ヴァイツゼッカーは聖者ではない

◆チェコ併合と「真珠湾」

さて、そこでヴァイツゼッカー氏は来日講演のなかで、チェコが戦後3百万のドイツ人をズデーデン地区から追い払った事件を例に、勝者にも「勝利のあとに用いた手段が正当であったかどうか釈明する責務がある」と、ドイツ国内の「解放」説反対派にも顔を立て、さりとて、最初に悪を犯したのはわれわれドイツ人の側で、「相手側の犯した不正がわれわれにとって免罪となるわけではない」と、チェコ併合以後のヒトラーの犯罪を思い出させている。政治的に巧妙なバランスである。ヴァイツゼッカー氏はなかなかの政治家である。

彼がドイツ史について巧妙に語ることに私は異論はないが、チェコのズデーデン問題とアメリカの原爆投下問題を、日本人聴衆へのサービスのつもりか、勝者の不正の二例として並べて論じているのだが、これはいささか肯(うなず)けない。前大統領は、自分がアメリカとチェコの二例を出したからといって、日本とドイツの罪を軽くするためではない。とあえて断わるのだ。「歴史的な順序」を否定してはならない。アメリカとチェコに対し不正と犯罪を最初に犯したのは日本とドイツであって、相手側の犯した不正で日本とドイツが免罪されるわけではない、というような言い方になっていくのだが、これは少しおかしいのではないか。戦争に至るまでの日米の歴史について無知まる出しではないか。ドイツがチェコを併合し、チェコ人を集団殺戮した歴史と、日本が米本土でもない出先の一軍港(真珠湾)を戦略的に先制攻撃した歴史がどうして同じ不正と犯罪に位置づけられるのであろう。

前大統領は自らの歴史と取り組め、というから、日本人である私は前にも言ったように日本の歴史と取り組む。日本人は主たる交戦相手国であった米英仏ソ蘭の各国に対し今なおいかなる罪の意識も持っていないし、持つ必要もない。ドイツとは決定的に違うのである。日本は物量と科学と政治の力に敗北したのであって、あの敗戦はそれ以上でもそれ以下でもない。大切なことは当時、日本に協力したアジアの指導者たち、チャンドラ・ボースやバウ・モオやスカルノはよしんば日本の誠意を半分しか信じなかったにしても、ともあれ彼らは各国を代表する「愛国者」たちであって、ドイツ周辺国の「ナチ協力者」とは根本的に異なっていたということだ。第二次大戦における欧州とアジアはまったく別の戦争をたたかったのである。前者はヨーロッパの内戦、兄弟争いであり、後者には人種解放戦争の側面があった。

中国に対する日本の罪には弁解の余地はないだろう、というかもしれぬ。勿論、日本の罪はあった。しかしこれもドイツの場合と比較はできない。日本は主権国家中国と戦ったのではない。中国に当時主権はなく、日本の背後に中国人の将軍がおり、兵士がおり、英米の背後にも中国人の将軍がおり、兵士がいた。もし汪兆銘が日本の傀儡(かいらい)にすぎないというのなら、蒋介石は英米の傀儡にすぎない。もし中国に対し日本の罪があるとするなら、同じくらいの、あるいはそれ以上の罪が欧米、ことにイギリスにはある。

今夏、日本人が原爆投下問題にいたくこだわったのは、はたしてどちらが正義か分からない日米戦争の結末としては、原爆はどう考えてもアメリカの過剰反応であり、逸脱犯罪行為であったとようやく考え直し始めたからであって、チェコ併合の報復としてのズデーデン問題とは、とうてい並べて考えるべき問題ではない。日本はアメリカを併合し、集団殺戮したわけではない。
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