遅ればせながらCSのテレ朝チャンネルで放送された伊藤蘭様のソロコンサートをようやく全部見ました。今さら説明の必要はないと思いますが、蘭様は元キャンディーズのメンバーで1978年4月4日に後楽園球場で解散コンサートを行った以後は一切歌を封印していました。
さらに、キャンディーズはメンバーだったスーちゃんこと田中好子さんが2011年に逝去しミキちゃんも一般人となった今再結成はなくなり、蘭さんが我々の前で歌ってくれることももう無いだろうと思っていたのが、今年に入ってまさかのソロアルバム発売、おまけにソロコンサートまで行うということでそれはそれは夢のような話です。
私はというとキャンディーズ解散の時はまだ中学生で、生のステージは見たことありません。今回も生のステージには立ち会っておりませんが、この番組はコンサートの模様を2時間に渡りほぼ全部見せてくれたということで、テレ朝チャンネルには感謝しかありません。
番組はコンサートの様子と、大阪でのステージも終了した数日後にスタジオで行ったインタビューの様子も組み合わせて作られたもの。ステージの方は東京公演の2日目で、5月に発売したソロアルバムの曲を中心にし、キャンディーズ時代の曲も何曲か披露。ヒット曲だけじゃなくて、自作のアルバム曲も歌ってくれたことに感激しました。特に「恋がひとつ」という曲は、蘭さんのソロの曲では一番好きな曲だったのでこれが聞けたのが一番嬉しかったかも。当時ステージで歌ったことはあったのでしょうか。
MCでは「当時は歌詞を無理矢理ひねり出した」というようなことと、「グイグイ来る女の子の曲なので若いから書けたんでしょうね」ということを言ってたのですが、確かに今聞いてみると「好きと言って あなた ねえ」「私を見てあなたわかるでしょう 恋はもうすぐ」「あなたとならばきっとうまく行くはずよ」という歌詞ですので、相手によってはドン引きしてしまいますよね(笑)
そしてこの曲の歌声を聞いてびっくり。なんと当時とほとんど同じ感じで歌ってます。いわば女優伊藤蘭が42年前の自分を演じている感じといいましょうか。今回のソロアルバムを聞いてると、今の自分の声にあった割りと落ち着いた曲を歌ってる感じなのが、当時のように歌おうと思えば普通にできるというのにびっくりしました。
自作の曲ではもう1曲「アンティックドール」も歌ったのですが、こちらは「早春譜」というアルバムの曲。これはメンバー各自がMMPのメンバーのサポートを受けて曲を作り、すべて自作の新曲で2枚組のアルバムを作るという企画。本人達も楽しんでたのかと思ったら、今回のインタビューによると「そんなのは無理だってなんとか潰そうとしてました」のだそうです。
確かに今になって考えてみれば、あの「普通の女の子に戻りたい」発言の解散騒動以降、ファイナルカーニバルまでのコンサートツアー、全員集合や見ごろ食べごろやレッツゴーヤングなどのテレビのレギュラー番組、新曲のレコーディング、ラジオ番組のレギュラー、ヒットスタジオ等の歌番組出演というハードスケジュールを考えると、「そんな暇あるか」ということにはなりますよね。そんな中、あの名盤が生まれたわけですが、今回のインタビューでは「詞を書くのは楽しかった」と言ってたのが救いではあります。
今回の放送で披露したキャンディーズのヒット曲は「春一番」「その気にさせないで」「年下の男の子」の3曲。「春一番」は元々三人がほぼユニゾンで歌う曲なので「お~」と思っただけでしたが「その気にさせないで」は原曲よりソロパートを増やしてて聴き応えありました。さらにそのあとに「年下の男の子」のイントロが聞こえてきたら、不覚にもウルっとしてしまいました。(ステージではハートのエースもやってたようですが、放送にはなかったので)
今回のバンドは佐藤準さんが音楽監督で、リズム隊に加えて三管のホーンセクション、コーラスの女性が2人、ダンサーも合計4人いるという大所帯で、豪華なセットもあって本当にゴージャスなステージでした。佐藤準さんは、あの「微笑がえし」のレコーディングでもピアノを弾いてたとか。
私はキャンディーズでは青組というかスーちゃん推しだったのですが、こうやってあらためて見ると伊藤蘭という人を好きだったんだなぁと再認識させられました。もちろん今回素晴らしいステージでしたが、あの人なら何をやってもついて行けるというか。
その辺いろいろ含めて、放送してくれたテレ朝チャンネルにはあらためてお礼を申し上げます。なお、前述の「早春譜」では蘭様の作曲のサポートを当時MMPのギタリストだった山田直毅さんが努め、実際に「ろうそくの灯に…」「鏡の中で」が収録されています。
その、山田直毅さんはキャンディーズ解散後にデビューした同じく渡辺プロ所属の歌手石川ひとみさんのバンドで音楽監督を努め、その後二人は結婚し今も彼女のステージで演奏しているわけですが、昨年の40周年記念コンサートのアンコールで白いストラトを弾いてるのを目にしました。
実は先週山田直毅さんにお会いした際、「あの白いストラトはMMPの頃からのですか?」と聞いてみたところ、「お~よく知ってるねぇ」とのことで「やっぱり!」と大感激しました。あのファイナルカーニバルでもメインで使ってたストラトは今も山田さんの手元にあり、それがステージでも使われています。ということで、山田さんのラージヘッドでメイプル指板のビンテージホワイトのストラトにはキャンディーズファンも大注目ですね。
と、最後はギターおたくの話になってしまいましたが、伊藤蘭様には歌い続けていただきたいということと、是非今年は紅白歌合戦にも出て欲しいなぁと。今回はファンを長く続けてるといいこともあるもんだとつくづく思いました。