半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

自然のリズム、人のリズム

2024年05月22日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です

 日本の社会では4月が新シーズンの始まりとなっています。大人なら部署異動や転勤、子供なら入学、新学期などです。

 自然界も同様で4月は草花が新しく萌える季節です。草が芽を出し、それを求めて越冬していた虫たちが卵を産んだりサナギが羽化しチョウチョやバッタが出てきます。

 農家もその流れに呼応するように夏野菜の植え付けや田植えを開始します。そして5月から6月に入る頃は気温が上がり雨も増える時期。作物は一気に体を大きくし、実をつける時期に向っていきます。

 と同時に肉食のクモやカマキリなども孵化し、エサとなる虫が満ちあふれる時期にツバメの子供も巣立ちを迎えます。季節が盛りに向うに従って自然界が一体になって命に満ち溢れていきます。

 ただ、作物は種を蒔いて芽が出た頃は鳥や虫に食べられる危険があります。また、苗を畑に移植した際も、今までハウスなどで大切に育てられた苗が急に雨風や太陽の光にさらされるので、根付くまでは注意が必要なのです。しかし、そこを乗り越えると一気に根を張り体が大きく育っていきます。

 私たち人間も同じですよね

 我が家の事ですが、4月に高校生になった息子が先週1日だけ発熱しました。風邪の症状が無かったので「疲れが出ているんだよ、とにかく寝てな」と言ったら、昼から次の日まで寝て翌日にはすっかり復調しました。

 本人は自覚はなかったのでしょうが、新しい場所、慣れない人間関係、小中とは違った学校システム、そして怠けた体に急に激しい部活動が始まったので疲れが溜まっていたのでしょうね。ちなみに部活の顧問は「夏場の練習で体重を落とさないように」と、今から基礎体力をつけるトレーニングをしているようです。今のトレーニングを乗り切ることで、夏に技術や体力が向上させられるのでしょうね。

 春に新しいスタートを切り5月を乗り切れば大きく成長出来る。そしてエネルギーがほとばしる夏を迎え、花を咲かしていくというのが自然の流れ。そう考えると日本の人間社会が4月にスタートを切るというのは、日本の自然のリズムに合っている気がします。

 人間も自然の一部。新しい命が生まれエネルギーが増していく流れに乗って、私達も新しい生活を軌道に乗せていく。もし9月スタートだったら、落ち葉が散り気温も下がっていくのと同様に、気持ちが落ち気味で新しい生活の流れに乗れない人が今より多くなる気がします

 また、1年という単位でだけでは無く1日の流れも自然に沿った方が良いですよね。

 例えば人間の体は、朝、眠りから覚めたばかりは内蔵も静かだそうです。だから朝から肉などモリモリ食べるよりはお味噌汁や納豆など消化が良いものを良く噛んで食べ、腹8分目。昼は働き盛りになるので魚や肉など油も摂取。夜は再び落ち着いてくるので食事もゆっくり腹8分目が良いと言われています。

 今の私達は「朝ご飯を食べた方が午前の勉強や仕事がはかどる」といった理屈で朝ご飯を食べる人も多いと思いますが、昔の日本人は、朝起きたら排泄をし、一仕事をして腹が空かせてからご飯を食べるのが普通でした。

 野生の動物に目を向けても、目覚めてすぐにご飯を食べる事は無く、腹が減ってからエサを摂りますものね。

 人類学者の話では、人類が生まれてから600万年は狩猟採集生活で、農耕・牧畜が始まってからわずか1万年。つまり遺伝子レベルでは狩猟採集時代のままだと言います。自然のリズムに合わせると何となく心地良いのは、人間も生態的には未だに自然界の動物と大して変わらないからなのでしょうね

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