半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

畑の土も人の腸内も同じ

2024年06月05日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 「木を見て森を見ず」という言葉は、「部分だけ見ることに心を奪われ全体を見通せない」という意味で使われています。子育て、生き方、何にでも当てはまる大切な考え方ですよね。

 で、先日観たテレビで漢方が効く理由の1つとして、成分が直接効くのではなく腸内の微生物のエサとなり、その微生物が出す物質が脳に働きかけて体内の炎症を抑えるそ事がわかったそうです。すごいですね~

 必要な成分を薬にして飲ませる西洋医学とは全く違う原理ですよね。これは近代農業と有機農業の関係にも当てはまりますよね。

 野菜は目に見える地上部に異変があれば、ほとんどの場合、目に見えない「根」に問題が起きています。そして「土」がしっかり出来ている、つまり肥料分やミネラルバランス、そして水があれば、よほどのことがない限り根はおかしくなりません。逆におかしいということは、土に何か問題があるのです。

 もう少し細かく言えば、土の中には生態系があります。植物の残渣や落ち葉など未分解の有機物があれば、ミミズ、カメムシ、ヤスデなどが食べて細かくしてくれます。またさらに小さなワラジムシの赤ちゃん、ヒメミミズがいて、そういった虫を食べるムカデなどの肉食虫もいます。植物の死骸、虫の死骸や糞尿の中には億を超える微生物がいます。

 酵母菌、カビ、バクテリアなどが住み着き、カビが増えれば抗生物質のようなものが出て抑制し、1種が爆発的に繁殖することは無く、それぞれの命がつながった生態系が出来上がっています。

 もし私たちが微生物だったら畑は無数の命が存在する宇宙なわけです

 つまり土は無数の命の集まりで出来上がっているわけです。

 「自然はバランスを取る」というのは真理だと思うのですが、畑でも自然に近ければ近いほど生物の多様性がありバランスが整っていきます。そこで育てた野菜は、病気になりにくく、健康に育つわけです。

 それをなるべく乱さないようにサポートしていくのが有機農業の土つくりです。人間が分析して必要と判断した化学成分を入れたら良い、という近代農業の発想には、土を命の集まりという視点が無いわけです。

 人間の健康も同じですよね。人間の腸内と畑は同じだと私は思うのですが、腸内には100兆の多種多様な微生物がいると言われています。善玉菌もいれば悪玉菌もいますが、それらのバランスがとれていれば健康と言います。

 人間の便の80%は水分ですが、残りの20%の内訳は、1/3は食べ物のカスですが、1/3は腸内を剥がれた粘膜、そして1/3は生きた腸内細菌だそうです。いかに大量の菌が腸内に住み着いているかがわかりますよね

 思い出すのは数年前に観た人体の不思議に迫るテレビ番組で、原因不明の難病の方への治療法として、健康な人の大腸から取り出した便を浣腸で注入するというのがありました。腸内の微生物バランスを整えるために、外部から良いバランスの菌群を注入するという治療法です。

 そして驚いたのは、病の人の腸内には健康な人の腸内には存在するクロストリジュウムという光合成細菌とバチルスという菌がほとんどなかったそうです。実は、この2つの菌は微生物農法をやっている人は良く活用する菌なのです

 野菜にとっても人間にとっても有効とされる菌が同じ。つまり、菌の種類バランスが良い健全な土で育ったものが人間の腸内にとっても良い理由がわかる気がします

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