半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

田んぼの力

2024年05月08日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です。

 ついに田んぼが始まりました

 5月は稲作農家の根本さんとやっている「田んぼと畑の耕育教室」のスタート月。私の主業の「農村体験教室」で、この根本さんとの教室が始まると、「あ~、いよいよ今年もオンシーズンに入ったぞ」と思うのです。特に田植えは人気なので、スーパーや幼保園とのコラボを含めると2週間で6回開催することになります。

 ちなみに根本さんは更に地元の小学校や東京の小学校ともやるので、合計8回とのこと。普通、専業農家は今の時期は田植えをひたすらやっていて猫の手も借りたいほどです。そのため余計な事をする暇も心の余裕もありません。

 兼業農家の子供でさえ田んぼに入ったことが無い、なんていう事が当たり前の時代になっている中、地域で唯一の稲作専業農家として頑張っている根本さんが、誰よりも田植え教室をやっているのですから、凄いですよね~。

 そして、教室も今年でついに13年目です。毎年思うのですが、田んぼの力は偉大だな~と。

 最初は眉間にしわを寄せていたお母さん、無愛想なお父さんも、いったん田んぼに入ると一気に笑顔になります。青空の下、鏡面のように美しく広がる田んぼに素足を踏み入れ、ドロドロに触れると一気に日常を忘れ心が解放されるのでしょう。

 また、最初は恐る恐る田んぼに入っていた子供達も、3分もすれば夢中になっています。それだけ田んぼには人の心を解放する力があるんだと思います。そもそも子供で泥遊びが嫌いな子はいませんものね。もちろん、足を1歩入れて泣き出してしまってそれ以上は無理な子もいますが、翌年はキャッキャと温泉のように田んぼに使ったり走り回って楽しんでいる。

 そんな光景に多くの親御さんが「1年前がウソのよう。子供の成長って凄いですね」と驚いています。他にも子育てに悩んでいる様子の親御さん、数年後に就農を夢見てまずはこの教室に初参加したお父さん、この夏に生まれる予定の赤ちゃんをお腹に宿しながら田んぼで先に生まれた子供達と泥をかけあっているお母さんなど、今年もいろんなご家族との出会いがありました。

 各家族、日常に色々あるでしょうが、田んぼと自然の力を借りてみんなが日頃の事は忘れて、楽しく笑顔になれるよう今年も運営、頑張ります

 最後に、今年の根本さんのお米作りについて。

 実は、昨年、菌やミネラルを上手に使い、様々な試行錯誤を繰り返し、無農薬栽培かつ食味が圧倒的な稲作農家さんを根本さんに紹介したのです。その方は70代であるのにも関わらず毎年新しいチャレンジをしており、根本さんも大いに影響を受けました。

 その方の農法はお米が抜群に美味しいだけでなく、何より無農薬なのに草が生えないのです。その田んぼを根本さんと昨年見た時は本当に衝撃を受けました。そして、きちんと田んぼに微生物が住み着けば、5年ほどで草が生えなくなると言う言葉、何よりその方の人柄に惚れ込み、根本さんは昨年の秋から無農薬田んぼのやり方を大きく変えました。

 「稲作は秋から始まる」というのがポイントで、昨年の秋、地温が高い内に稲ワラを分解するために納豆菌をかけ、空気が入るよう畝を立てました。

 また、丈夫な稲作りのためにホタテなどの貝殻やシリカなどのミネラルを投入。この春には天然酵母パン作りで良く使われる白神天然酵母を入れ田植え前に田んぼを活性化させています。

 使う資材代は今までの何倍かかっているのか心配になるほど。それでも根本さんのやる気スイッチは入りっぱなしです。

 もともと食味コンテストで千葉県1位を受賞した事がある根本さんですが、この農法で田んぼやお米がどのように変わって行くのか、みんなで楽しみにしましょうね

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