日経ビジネスで「おぉ~?」という記事がありました。
それは、『メスザルが640頭のトップに君臨する「高崎山の変」』という記事でした。
面白いというか、興味深い、まさにinterestingな記事です。
メスザルがトップになった、つまり「猿山のボスになった」という記事なのですが、これが「過去何十年も無かった出来事で、飼育員もびっくりしていて、本当にメスがボスになったということを発表してよいか当惑していた」という出来事だったそうなのです。
どういうことかというと、猿社会は日本人のかつての社会のよう、いやそれ以上に「序列」を大切にする社会だそうです。
つまり、我々が思う「ボスザル」というのは、一番強くて、そこに下克上を挑んだ若い力のある猿が勝つことで、新たなボスになる、という世界では無いそうなのです。
一度、ボスになったら、もう誰もが従う。明らかに力が衰えてきても、ボスはボス。年功序列、あるいは先にその地位についたものが一番という社会だそうなのです。
メスは違うそうですが、オスはそれを守る。つまり、ナンバー1がいなくなったらその時点でのナンバー2が新たなボスになる、ということが決まっている、律儀というか序列を第一にする社会だったそうなんです。
これだけでも「へ~」と思うのですが、日本人というか封建制度というか、そういった人間が作った価値観の枠組みの中での社会ではなく、ある意味、遺伝子レベル、人間よりは野生のはずのサルの社会がそうだということは、驚きでした。
ところが、そのルールを破った「メスザル」がいて、なんと、トップになっちゃった、という珍事というか、もの凄い出来事が起きたそうなのです。
ちなみに、オス社会とメス社会は違っていて、例えばオスは自分の子供が誰かわからないから、今までのボスザルは小猿が他のグループから危害を加えられそうになれば全て守るそうです。一方、メスザルは自分の子が誰かわかるから、自分の子、あるいは家族だけは守るそうです。なので、今回、メスザルがボスになったことで、自分の子ではない小猿が他のグループから危害を加えられても、知らんぷりだそうです。
これはこれで、今までの序列、習慣とは違った異例のボスが出来てしまった、ということですよね~。
人間社会も女性の地位向上と叫ばれていますが、むしろ、男性の方が弱くなって草食系、女性の方が肉食系、なんて言われる時代ですが、猿山の世界では、「暴力」と「気合い」で老齢とはいえ力が勝るオスに立ち向かい傷つきながらボスになったメスが出てきた、という、とんでもない時代が来てしまったわけです。
まあ、人間社会と比べる出来事ではないと思うのですが、なんだか凄い事だな~、と思いました。
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