駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

何だか変、今年のインフルエンザ

2015年01月31日 | 診療

             

 インフルエンザは峠を越したが、未だ日に数名受診される。今年はインフルエンザワクチンが外れたわけでもないのに、ワクチンを打ったのに罹患する人が多い感じがする。ワクチン接種者は軽症で比較的早く軽快する傾向があるようで、ワクチン打ったのにと不平を言われることは殆どない。どういうものか他院でワクチンを打っているのに、当院に受診される方が多い。打った医院に掛かるのは何となく気まずいのだろうか。

 戸惑うのはワクチンを打っていないのに軽症の患者さんが結構おられることだ。熱も37Cだし、倦怠感や関節痛もないので、インフルエンザではなさそうですねとお話しすると、念のため検査をお願いしますと言われる。それじゃあ、やってみましょうかと検査をするとバッチリ陽性に出て、あれインフルエンザでしたよと前言を翻す例が結構あった。素早く経験に学び、早速、症状は軽くてもインフルエンザのことがありますからと説明を変えている。

 幸い高齢者でインフルエンザから肺炎になった患者さんは今のところ一人だけだ。この方は認知が殆どなく自分のことは自分で出来る素直なお婆さんで、入院を嫌がられなかったので早期に入院でき、二週間ほどで退院することが出来た。まだ本調子でなく「弱くなったわね」と嘆いておられる。「90歳でしょ、もうお若くありませんからね」と正直に申し上げた。共感を持って患者さんの気持ちを汲んで対応するようにと最近の医学雑誌には書いてある。しかし、口先だけ優しくなるのは難しいし、正直に言えば性に合わない。息子の年頃の医者だから由としていただけたであろうか。

 

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