駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

電力料金が値上げされる、その心は

2016年11月28日 | 町医者診言

          

 福島原発事故廃炉賠償に20兆円と経済産業省が試算、従来予想の2倍と報道されている。きちんとフォロウしていないが本当は予想の2倍どころではなく、恐らく当初の4,5倍ではと勘ぐりたくなる。結局支払うのは国民なので、ここでうんと懲りないといけないのだが、喉元過ぎれば熱さ忘れる?日本人は、何だか電力料金が高くなったなあと支払って行くことになる。東京電力管内だけだろうというのは甘い考え、全国の電力会社が支援する形なので全国民の負担が増す。

 これだけ巨額となればそういう形もやむを得ないかも知れないが、十分な反省があり、それが生かされているかが大問題だ。「駄目じゃないか」に「申し訳ありません」と頭を下げる儀式の繰り返しでは事故は防げない。答弁の検証と不実行に対する持続する追及がないと、言葉で言い逃れる弁舌でその場をしのがれてしまう。安倍首相はいつも民主党よりは余程良いと、相手を攻撃して答弁をはぐらかすが、それは事実としても質問への答えにはなっていない。

 冷却水を送る装置を動かす発電機を搭載した車が到着したのだが、コンセントの形が合わず使えなかったのをご存じだろうか、そんなイロハのイが準備できていないために20兆円が吹っ飛んでしまった。信じられない不手際だ。実はこうした不手際は珍しいことではなく、色々な場面で起こり、数十万数百万の損害があり、その都度修正されているのだが、今回は被害があまりにも甚大で脳が麻痺してしまった。医療界でよく知られているのが麻酔の酸素と笑気のつなぎ間違いによる事故で、何名かの命が失われて漸く誤接続が起きないようにコンセントが改良された。人間の注意力は大切だが、限界がありフールプルーフが最善の方法だ。

 何、フールだと俺はフールでないと言う人が幅を利かしているが、そういう人が大事故や大惨事を起こしやすいのだ。

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