昨日昼下がり半年ぶりに三十年前から時々行く喫茶店へ行った。家から車で十分ほどの裏通りにある。開店して二年目くらいだったと思う、納屋のような作りで面白そうだと入ったのがきっかけだ。時代を先取りして当初からコーヒーに力を入れ、店のオリジナルコーヒーも焙煎の度合いによって三種類出し、産出国別のストレートコーヒーを七、八種類置いている。長く続いているのはコーヒーが美味しいからだけでなく、マスターの謙虚で控えめな人柄に惹かれて来る客も多いとみている。一口に三十年と言うが失礼ながらマスターの髪の毛は徐々に後退し両脇だけになってしまった。私は年に二三回なので常連とは言えないが、きちんと覚えていてくれて帰り際、丁寧にありがとうございましたと頭を下げてお礼を言われる。中々できることではないと思う。
常連客が多く、居間の延長のような感じで利用している人も多いようだ。ご主人は五歳くらい年下と思う。お子さんが後を継ぐ気配はなくいつの日にか閉じられると思うが、私が通える間は頑張ってほしい。