駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

足の裏のしびれ

2021年06月20日 | 人生
           

 一年ほど前から足の裏のしびれ感を自覚している。不快なものだが、大して気にならない。父が晩年足の裏に紙が貼ってあるようだと言っていたのを覚えているからだ。今のところ裸足で歩くときにちょっと不快なだけで、困るというわけではない。父は糖尿病があったのでしびれは糖尿病性のものだったと考えられるが、私は糖尿病はないのにしびれ感を感じるのはどういうわけだと思いながら、遺伝と老化だろうと受け入れている。何かの病気の前触れかもしれないが、今のところ体調は普通だし半年に一度の検査で異常値はない。七十過ぎてから難しい病気もしたが幸い大事に至らず働けている。
 何というか七十も半ばになると、一つ二つの不具合はあるのが普通なのだ。ただ、機会と権利は平等でも才能と体力には個人差があるから七十なのに八十相当の人も居れば八十なのに七十並の人も居る。この格差はなかなか解消が難しい。困ったことに、どういうわけか並というか年齢相当ではご不満な人もおられる。医学の進歩は目覚ましいが、表現は悪いが死なない治らない病気は進歩が遅く、しびれふらつき耳鳴り関節痛・・・など治りにくい異常はまだまだ多いので、あれこれ訴えを聞いている。不満や不安は口にするといくらか軽くなるものだ。
 先輩が半世紀前、いいか内科はなにもしないことが大事だぞ、唯よく聞くんだぞと数人の研修医に訓示したのを憶えている。そのときは万年講師などと陰口を言われていた先生なのでそうかなと聞き流したが何十年も経つと腑に落ちる。幽明境を異にしお礼の伝えようもないが、立派な先生だったと思う。
コメント (2)
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