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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

愛犬の腰回り

2009年01月30日 | 身辺記
 我が家の愛犬は二歳の時、交通事故に会い十日週間入院の大手術(大出費)を受けたので長生きできるかなと心配していたが、十歳九ヶ月と前期高齢者(犬)になった。もう小事で大騒ぎして吠え回ったり、やたらとじゃれつくことはなくなったが、元気で食欲旺盛だ。彼は多めに餌を貰った時、残しておくということを知らず一気に全部食べてしまう(あなたと同じじゃないと言われている)。唯一の健康法はダイエットで、毎朝餌をやる時ウエストラインを観察して量を加減している。そんなんで分かるかと言われそうだが、その方面はプロで毎日人間で眼力を鍛えている。体重の2%変動があれば、大抵気が付く。目の回り、顎から首の線それと全体のシルエットでわかる。女性の場合、髪型の変化や服装で間違えることはあるが。
 彼は13kgあるのでウエルシュコーギの雄としてはやや太めだ。彼のあるかないかのウエィストラインは私の脳にきちんと記憶されている(しょうもない)。彼は冷蔵庫を持たないので、どうも今日は餌が足りないと感じても、扉を開けて追加の食料を探すことは出来ない。ダイエットが上手くゆくわけだ。
 ところで人間のダイエットだが、今まで数多く出た方法の中で、バナナダイエットは優れものだ。なかなか減量に苦戦していた人が少し痩せたので、どうしたのかと聞くとバナナダイエットをしていると答える人が結構いる。なぜバナナダイエットが有効かと言えば簡単で実行しやすいからだ。一本と二本を数え間違える人はいない。バナナは手頃で廉価、栄養のバランスも良く美味しい。残念ながら、美味しくても毎日では、やっぱり飽きてしまう。バナナから・・に変えると折角取り戻しつつあったウエィストラインを失ってしまう。誠に残念だ。
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医者や薬を超えて

2009年01月30日 | 医療
 今日もどうしたらよいか分からず頭を抱える患者さんがやってきた。もうすぐ90歳のお婆さん、少し惚け始めてはいるが、まあ何とか排泄や食事摂取は自力でできている。12,3年前から高血圧で通院してきたが、だんだん変形性関節症で膝が痛く腰も曲がり歩行が困難になってきた。今日も親切なケアマネージャーに車で連れてきてもらった。8年前夫君を亡くし一人暮らしのため、ヘルパーさんやケアマネージャさんの援助なしには生きてゆけない。一年以内に寝たきりになるのは目に見えている。一体誰が面倒を見るのだろう。どうすればよいのか。飲み薬や注射では解決のできない問題だ。
 天涯孤独というわけではなく東京方面に息子がいるらしいのだが、音信不通で全く係わる気がないらしい。「困った、困った」が口癖で、私の顔を見れば「先生ありがと」。を繰り返される。申し訳ないが、どうも感謝のありがとうとはちょっと違う響きも感ずる。少しでも頼りになりそうな人には、そう言ってしのいできたのがわかるありがとなのだ。
 結局は血圧を測定し簡単に診察をしてお引き取りを願うのだが、忸怩たる思いが残る。医療を超えた問題をなんとかしてあげたい気持ちが微かに湧く。しかし医療の一線を越えないようにしている。超えても法的な知識もないし、解決する能力を持ち合わせないのは身に沁みて承知している。
 どうしたものか、どうなるだろうと気を揉むうち、ほとんどは死が終止符を打ってしまう。なんというか解決というのは不適切な表現で解消というのか、音もなく飛んできた鎌が幕を閉じてしまう。残された微かな波紋も、つかの間のうちに静かに消え去る。
コメント (2)
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