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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

隠された塩分

2022年12月07日 | 診療

            

 

 痛くも痒くもない病気がいくつもある。勿論、進行すれば色々症状が出てくるのだが、高血圧症、脂質異常症、糖尿病は無症状のことが多い。以前は生活習慣病などと呼ばれていて、こうした病気では生活内容が病気の進行に関与している。

 高血圧症には塩分が関与しており(個人差はある)塩分の取りすぎは高血圧を起こしやすい。ご存知ない方も多いようだが、食パン饂飩練り物和菓子にはコレステロールは少なくても塩分がかなり含まれており食べ過ぎは糖尿病だけでなく高血圧症にもよくない。 どういうものか高血圧症や糖尿病の患者さんにはこうした食品が好きな方が多く、注意を喚起しているが食べる楽しみというのは大きく、中々指示を守るのは難しいようだ。何か代わる楽しみを見つけて食生活を改善できれば良いのだが。

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寒い涼しい暖かい

2022年10月19日 | 診療

             

 

 毎日気温が変わり青空が少ない。天気に身も心も影響される。やはり穏やかな秋晴れだと気分が良い。天候は人間の力では変えようがないので、お天気がはっきりしませんねと患者さんと言い合っている。

 聞く力を売りにしていた人が居たが、内科臨床医には聞く力は必須のものでそれがなくては仕事ができない。患者さんは人には言えないことを医者に話して多少は心が軽くなるようだ。まあ、知りたくもないことを聞かせていただいたと感じることもあるが、それを誰にも話すことなく胸にしまっておくのが我々の仕事だ。私の秘密その秘密には大抵どこか苦い後悔の気持ちが含まれていることが多い。そうした秘密をいくつも聞かされてきた。なんでも伺うが、愚痴のような訴えを何度も聞かされるのは本当は楽しくない。唯、世の中は上手くできているもので、毎日数名楽しい患者さんが何人か混じっている。ほんの二言三言お話しするだけなのに心が和んでほっとする。自分も病気の時はああした患者さんでありたいと思う。時には先生のお陰で長生きできたと過大な感謝の言葉をいただくこともある。

 内科医は外科医と違って手術のようなはっきりしてわかりやすい治療手段を持たないが、長い目でどうしたらよいかという微妙な指導で仕事をしていると感じる。

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総合病院は待たせるところ

2022年10月12日 | 診療

                  

 

 医者も人間、病気になるので総合病院へ行ってきた。十時の予約だったが診察が始まったのは十一時十分だった。診察は紹介状があるので十分程度で済んだ。採血に回って看護師に次の検査の予約説明を受け会計を終え病院を出たのが十二時半だった。ずいぶん待たされたように感じたが、まあこれは序の口でこれが普通のようだ。診察の前に看護師による問診があった。既往歴家族歴服薬状況にアレルギーの有無と医師の診察で抜けそうな部分を確認する作業で事故を防ぐ意味合いもあると感じた。患者さんも多いが職員も多い。効率良くといっても生身の人間相手だとどうしても説明に手間がかかる。早いなと思ったのは機械式の会計だけだった。

 待たされると総合病院を嫌う患者さんも居るが、専門的な診療には様々な検査が必要でどうしても時間が掛かる。そのつもりで行けばさして苦にならない。今は昔と違い病院と診療所が有機的に連携しているので、医師の指示に従い上手に使い分ければいい。

 

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公然の秘密?

2022年10月08日 | 診療

             

 

 これは秘密というほどのものではないが、診療方針を立てる時にほとんどの医者は患者さんの年齢を考慮に入れている。年齢は暦年齢だけでなく実年齢も勘案するし、家庭環境も多少は考える。口に出してそれとなく相談することもあるし忖度することもある。検査の中には患者さんの心身と懐に負担をかけるものもある。そして万一何か見つかっても全身麻酔をかける手術のような侵襲の大きな治療は難しい超高齢者も居られる。普段からもう手術はしないと宣言しておられる患者さんも居る。勿論、もう十分生きたとか長生きなんかしたくないというのがどこまで本気か難しいところだが、若い患者さんと同じようには深追いしないことも多い。費用対効果も頭を掠める。最近は病気治療最優先の専門医も全体を考えるようになったので、総合病院との意見の食い違いは殆ど無くなった。

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袖問題

2022年09月21日 | 診療

      

 今朝は涼しい。半袖では寒いくらいだ。日中は多少暑くなるだろうが、母がよく言っていた暑さ寒さも彼岸までを思い出す。

  白衣には大した幅ではないが袖がある。これが時々診察室の机の上の小物に引っかかる。数年前までは気にならなかったので、年を取って腕をちゃんと挙げないでマウスやメモを取ろうとしているらしい。たかだか5-6cmの袖で引っかけるくらいだから、十センチ以上ある和服は大変だ。馴れない和服の袖で茶碗をひっくり返す若い女性を何度も見たことがある。優しいあるいは厳しいお小言が続いた。普段着には袖がないから、着慣れていないと粗相するのはよくわかる。

 年を取ると腕に限らず足もちゃんと挙げないで歩くのでよく躓くようになる。今は畳の部屋が減ったが、昔は畳の縁に躓いて転ぶ爺さん婆さんが沢山いた。若い時はなんでそんなものに躓くのと思っていたが今はよくわかる。

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