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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

新型コロナ流行

2023年07月22日 | 診療

                   

 

 実は新型コロナの診療は若い院長がやってくれるので私自身は診ていないのだが、毎日六、七人の陽性者が出ている。行政からは第九波の入口などと言う得意の曖昧な表現が出ているが、院長はもう既に九波ですよと判定している。

 新型コロナの重症例が減ってきているのは確かだが、インフルエンザと違い後遺症が結構あり厄介だ。長引く倦怠感や咳がいつまでも続く患者さんが一割は以上居ると聞く。臨床は経験がものを言うのだが、まだ後遺症には手探りのところがあるようで時間を掛けて診ておられる。

 実際に診ないで言うのは僭越かもしれないが、これだけの数の患者さんが居るのに感染症の研究者専門医が不足しているのか、症状転帰治療法の情報が少ない気がする。尤も定期購読する医学誌を三種類に減らしたので、そう感じるのかもしれない。*ちなみに今週の医事新報に私の懸念が通じたかのような特集が出ている。

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朝方の僅かな習慣

2023年06月03日 | 診療

                

 

 これはみなさんにもお勧めしたいのだが、毎朝体温体重血圧を測定し記録している。もう十五年になる。何といっても続けることが大事で、家に居る時は必ず測定している。

 体温体重血圧は毎日微妙に違う。体調で変わるのはまず血圧だ。身体の重いというか詰まった感じの時は10-20くらい高めに出る。体温は怠かったり風邪っぽいと0.3-0.5C高い。体重は外食すると0.3-0.4kg増える。たった一回の外食でも増えるから恐ろしい。旅行に行って帰ってくると1.0-2.0kg太ってしまうが、大体十日間くらいで元に戻せる。患者さんの中には食べていないと言い張る人も居られるが、体重計は正確正直だ。こうした細かい異常は殆んどの場合、仕事を減らしたり、暴飲暴食を避け早めに休むことで、自力で自然に回復する。

 生きているということは揺れ動くことだ。これは日々の診療で気付いていたが、自分の体温体重血圧を測ることで確信になった。残念ながら朝の僅かな時間の習慣ができない患者さんも居られる。無理強いはできないが、やってみることをいつもお勧めしている。

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それはできません

2023年02月10日 | 診療

             

 

 S子さんは87歳になられるが、綺麗にお化粧をされ目も耳もしっかりしておられ、いつも楽しい雑談をちょっとして帰られる。年齢のわりに非常にしっかりしておられるのだが、以前の遊び仲間がデイサービスに行くようになりおしゃべり仲間が居なくなり寂しく感じておられたらしい。あなたもおいでと誘われ行きたくなったと言われる。ついては介護認定を受けたいが認定が取れるように認知があるように書いて欲しいと頼まれる。

 ちょっとそれは難しいのですが、まず認知の検査をしてみましょうと指示を出した。分からない振りしてお答えになりませんと看護師が言ってきた。やむを得ず私自ら参考にするだけですからと説得してやってみると殆んど満点だった。まあこれは参考にするだけですから、とにかく申請してみましょう。役所から検査の方が来ますのでそれを受けてみてくださいとお帰り願ったのだが、看護師には介護の認定が取れるような演技指導を聞いてきたそうだ。

 息子夫婦と暮らされまともな方と思っていたので意外な気がした。しかしこれはちょくちょくある依頼でいつもそういうことはできませんとお断りしているのだが、善良そうな市民もいろいろ考えるようだ。

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三割男が何をおっしゃる

2022年12月21日 | 診療

            

 

 この数日急に冷え込んで、患者さんとは寒さの話題が多い。79歳のお爺さんが、昨夜は毛布と布団が一枚しかなく、寒くて眠ねれなかったと言う。もう一枚布団を買って下さいと言うと高いとごねる。掛け布団は数千円であるはず、国民保健三割負担の男が言うことかね。厚めの布団一枚よりも薄くても二枚重ねの方が温かいのをご存じないらしい。風邪を引いてこじらせ肺炎にでもなったら元も子もないと思うのだが。

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仕事というもの

2022年12月10日 | 診療

              

 

 汚いとか不快と感じるのには個体差や民族差があるようだ。実際の経験はないが中国やロシアのトイレは日本人には耐えがたい汚さと聞いている。尤も最近はかなり?改善されたらしい。糞尿は汚なく不快なものだが、不思議なことに自分のものだとさほどではない。母親は赤ん坊の糞便を全く汚いと感じない様子でそれだけ自分に近い存在と感じているのだ。個人差はあるかもしれないが、父親の自分も赤ん坊の糞尿を汚いと感じなかった記憶がある。

 これが他人のものとなると鼻がもげるというか異物感で腰が引け、とてもいい気はしない。職業柄消化器系の医師は患者の大便に遭遇することがしばしばある。これに顔色一つ変えず対処できないと一人前とは言えないようだ。半世紀前研修医の頃、消化器の若い医者が直腸診の時大便に遭遇し腰が引けたら、婦長がこんなことでとたしなめたのを目撃した記憶がある。看護師は日常的に患者さんの下の世話をする機会が多いので、そうした訓練を徹底して受けているらしく嫌な顔をしたのを見たことがない。これは本当に凄いことだと思う。

 

コメント (2)
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