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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

新型コロナ流行

2024年02月09日 | 医療
    

 今年の冬はインフルエンザが流行すると予想されていた。確かに殆んど消えていたインフルエンザが小流行したのは確かだが、実は新型コロナがそれを覆うように流行している。
 他に耳目を集めるニュースがひしめいているので、新聞テレビであまり取り上げられない。そのために気付かれないようだが、愛知県の大村知事などは第十波が来ていると明言している。大騒ぎする必要はないが、いまだにコロナが猛威を振るっていることは知っておいた方がよいと思う。
 軽症化しているが、ワクチン未接種者は重症化しやすいようで注意が必要だ。人手不足か?なかなか医療者にも正確な情報が回ってこないのではっきり言えないのがもどかしい。残念ながらデータの収集から分析指針は現実よりも遅れてしまう。
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お役所仕事

2023年11月08日 | 医療

                

 

 厚労省が鎮咳剤(咳止め)の増産を半年遅れで指示しているようだが、お役所仕事というのは死語かと思ったら今も生きていた。個々は一生懸命やっておられるようなのであまり悪く言いたくないが、どうもゴテゴテと継ぎはぎ嵩張り、後手後手になる仕事ぶりは旧態依然のようだ。何だか不要なものを切り捨てる発想が不足しているらしい。引き継いでゆくのは大切なことだが、切り捨てないと仕事は複雑化し増えるばかりになる。効率を上げるデジタル化は掛け声ばかりらしい。

 常用の薬が不足するなどと言うことがあってよいものか。どうして処方箋薬局から咳止めが足りないという情報が厚労省に上がらなかったのだろう。理解に苦しむ。

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耳鼻科医は外科医

2023年10月28日 | 医療

           

 

 医療の専門科がどうやって分かれてきたのかよく知らないが、まず大きく外科系と内科系に分かれたと思われる。外科系というのはメスを持つ医師、内科系というのはメスを持たない医師のことで、昔はあいつはメッサーザイテだからなどと言われた。旧いついでに言えば内科外科産婦人科などを大きい科グローセ、耳鼻科皮膚科などを小さい科クライネなどと呼んでいた。

 医学に限ったことではないが進歩し内容が増えると、とても一人で全てをこなすことができなくなる。そのために自然に向き不向きというか適性が問われるようになって、いくつかの専門科に分化していったと思われる。医療ではメスを使う手術への適性でまず大きく分かれた。外科系か内科系かの特徴は一般の方の想像がかなり当たっていると思う。

 そうした訳で耳鼻科医は外科系なのだ。あっそうか、成程と思われた方も多いだろう。

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不足しているのは咳止めの薬だけではない

2023年10月19日 | 医療

             

 

 三か月以上前から咳止めの薬が不足してる。普段使い慣れたメジコンやアストミンが入荷せず、やむを得ず粉薬を使用したり、使用日数を減らしたりしている。咳止め不足は直ぐ命に係わるわけではないので、投与日数を減らしたり使い慣れない薬を使用したり生活指導をしたりでやりくりしている。しかしここにきて抗生剤にも品不足の物が出てきた。これは早期に十分投与すれば重症化を防げた肺炎がこじれる危険性もある事態で、同業者に会うと困ったなあと顔を見合わせている。まあ何とか抜かなくても良い伝家の宝刀の抗菌薬を抜いて凌いでいる。伝家の宝刀も使い過ぎると効かなくなる恐れが出てくるので、好ましいことではない。どうしてこういうことになったか、きちんとした臨床データの集積解析がなされず適切な行政指導がなされなかったためだと言うのが医師会幹部の言だ。新型コロナの後遺症に長引く咳が予想外に多く、咳止め増産が間に合わず品不足になっているのだ。

 書きにくいことだが、製薬業界も利潤が必要な企業なので利の薄い下手をすると赤字が出かねない薬の増産体制は整っていないらしい。一錠5.7円の咳止めを6.0円に薬価を上げても医療費の負担増は微々たるものだ。小回りができない行政にはおおいに問題がある。不都合な情報を流すジャーナリストを締め出すと国民が気付くのが遅れボヤが大火になる危険が出てくる。手遅れの政治家行政の言い訳は虚しい。

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覆る科学の定説

2023年05月25日 | 医療

              

 

 半世紀前中枢神経細胞は一度壊れると再生しないと習ったのだが、どうもそうでもないという知見が出てきている。脳の神経細胞は何らかの理由で再生しにくい環境にあるらしいのだが、部位条件によっては再生可能らしい。 

 交通事故での脊髄損傷で下半身麻痺になった患者さんには車椅子生活しかなかったのだが、スイスで下半身まひの患者さんに脳と脊髄を繋ぐデバイスを移植することで歩行が可能になったというニュースを読んだ。このデバイスのスイッチを切っても歩行可能のようで再生かどうかははっきり書いてないが信号伝達が可能になったらしい。

 自動車が普及し飛行機が空を飛ぶのと同じように、医学の分野でもあきらめていた難病に光明がある。研修医の頃、死刑の判決より恐ろしかった急性白血病が治るようになった、信じられない進歩を目の当たりにしている。

 残念ながら科学そのものには善悪はなく、大量殺人兵器も進歩している。遺憾ながら人間の心と精神には科学のような進歩はないようで、他人の権利を侵して自分が得をしようとする輩は後を絶たない。

 

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