京王線の高幡不動駅の近くに、関東三不動の一つに数えられる高幡不動尊がある。詳しく言えば、真言宗智山派別格本山、高幡山明王院金剛寺である。
この寺は境内に新選組の土方歳三の像があること、梅雨の季節に紫陽花の名所としても知られている。
まず新選組であるが、副長の土方歳三はこの寺に近い石田村(現日野市)の出身で、墓は実家近くの石田寺(せきでんじ)にあるが、石田寺は高幡不動尊の末寺で、歳三の菩提寺は高幡不動とされている。実家の跡地には子孫が住み、休日には「土方歳三資料館」として公開し、若い女性を中心に来館者が多い。
高幡不動の歳三の像は比較的新しいものであるが、この像の右に明治21年に建立された近藤勇・土方歳三の「両雄殉節の碑」がある。筆者は只見で河井継之助の傷を治療した松本良順で、篆額は会津藩主松平容保である。
3万坪の敷地の左側は山になっており、この山を利用して「四国霊場八十八ケ所」のミニ版として山内八十八ヶ所めぐりができる。
数千本の紫陽花は、八十八ヶ所めぐりの通路に沿って植えられており、霊場を巡りながら花の鑑賞ができる。