脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

脳機能テストに現れる正常と小ボケの差

2009年02月01日 | 正常から認知症への移り変わり

先日相談があったケースです。
ご夫婦なのですが、かなひろいテストの成績の解釈が課題です。

今日の写真は日本一の早咲き梅の名所熱海梅園のショットです。

お二人とも70歳代です。2009_0121_101000p1000055
夫。正答数19、見落とし数7、内容把握は
  「おばあさんが、近所の人たちとの付き合いの中で、飲み食いの中、あっちに行ったりこっちに行ったりして暮らしてました」

2009_0121_100400p1000058 妻。正答数19、見落とし数7、内容把握は
  「おばあさんがいて貧乏でした。朗らかなおばあさんでした。その日暮らしでしたが、何ひとつ不足を言わなかった」

どちらも「梅」みたいに似てますが、白梅と紅梅が違うより以上に、このかなひろいテストの成績に反映されている前頭葉機能は違うことが理解できますか?2009_0121_100900p1000057

蝋梅は梅という字がつきますが梅ではありません。
すてきな香りがあること、早く咲き始めることで珍重されますが別の花。

この夫と妻の前頭葉機能は、梅と蝋梅くらい違います。

正答数も見落とし数も全く同じなのですが、なぜ違うことになるのか、もうわかりますね。
夫は、このもの語りの内容の把握に失敗しています。言葉は近いものを使っているのですが、根本的なイメージは間違っていますね。

かなひろいテストでは内容把握の結果は、成績を大きく左右するのです。注意集中力と分配力を見ていますから、正答数だけ合格しても、内容把握に失敗すると注意分配力不足ということになるからです。(詳しくはマニュアルA116Pを参照)2009_0121_105000p10000481 2009_0121_104200p1000053

しつこいようですが、上の二つ、どちらも水仙です!
その違いをよく見てあげてくださいね。

かなひろいテストを実施する時は、内容把握の程度をよく聞きとってください。
「たぶんこの表現はこういうことを言いたいのだろう」とより良いように評価するのではありません。
「どのように内容をイメージ化したのかを聞かせてもらう」という姿勢を忘れないでください。

2009_0121_104900p1000049 ちなみに夫の脳機能は小ボケレベル。
30項目問診票結果は2・5・8・9・10にちゃんとマルが付いていました。元来は立派な方でしたが3年前に心臓の手術を受けてから、生活が一変されたというコメントがありました。
妻の脳機能は正常レベル。
もちろん、30項目問診票には一つもマルは付いていませんでした。


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