脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

脳のリフレッシュ教室ー長野県小布施町

2008年02月29日 | 各地の認知症予防活動

町報おぶせ2008年2月号です。

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小布施町では平成14年の山王島地区を皮切りに、各地区で「脳のリフレッシュ教室」を立ち上げてきました。(エイジングライフ研究所が毎年の教室開催に合わせて講演を行ってきました)
だいたい1年間を目途に、在宅介護支援センターが主体となって教室運営を行います。脳の機能検査から生活改善指導はもちろんですが、カリキュラムの指導、最後のお茶の時間まで、保健師さんをはじめ在宅介護支援センターのスタッフの皆さん総動員でサポートします。

教室終了後は、正真正銘の自主活動として継続されている教室から、ボランティアさんや公会堂の職員さんが中心となって継続されている教室や、在宅介護支援センターがサポートを続けている教室まで多様な形態があるそうです。
でも、続いています!
上記町報おぶせ見てください。8地区の平成19年度の脳機能推移が掲載されていますね。9割以上の人が維持・改善という成績評価です。
やや維持が多いようですが、長く経過を追っていくと高齢になっていくため、当然維持群が増えてきます。
ここで、宣伝。この評価は管理ソフトエイジングを使っています。テストさえきちんと実施して、結果を入力しておけばこのように集計されます。


2月22日に第2回目の教室の交流会が開かれました。写真は、冨田保健師さん撮影のものを使っています。
去年の第1回交流会の様子は以下のページでご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20070308
Img_0001 山王島地区。
「千曲合唱団おぼろ月夜・ふるさと」
後列中央は初代の岩井会長。修了式の日、教室生全員プラススタッフにまで、自作の水墨画を記念にくださいました。「今ねえ、全国展に出すため条幅の水墨画に挑戦中。それから毎日歩いてるよ」
懐かしい顔がみんな元気でした。

Img_0002 北部地区「きよしのソーラン節」
この地区は完全な自主活動で継続。外出も企画されますが、お洒落な新しいお店での昼食会というのは、さすがに観光の町小布施の面目躍如。
難しい踊りを藤沢先生と3時間練習されたそうです。前列右端田中さんは今年80歳ですが「イヤー、楽しかった」と若々しいこと。「教室に来てるとボケない自信が出てくる。ドリルやってたらボケそうだけど」って萩原さんがいいましたね。
Img_0003 東部地区。
「瀬戸の花嫁で転倒予防」「春よ来い」
ここは全員女性。高齢者が多いそうですがボランティアさん中心で継続されています。
一枚の風呂敷が「春よ来い」の時には半纏に、「瀬戸の花嫁」の時には姉さん被りに変身。どなたのアイディアだったのでしょうか?
手話は難しかったそうですが、いえいえ、とてもかわいかったです。

Img_0004 都住地区。
「ボケます小唄・人生の歌でくす玉発表」
教室会場の久保田職員が引っ張り役としてがんばっているとの説明がありました。自主的に教室を運営していくときには、地区の特性や人材を生かした工夫が今後不可欠になるでしょう。
くす玉は大作でしたから、皆さんの右脳はリフレッシュされたことと思います。

Img_0005飯田 地区。「飯田の星☆」「炭坑節」
ここは男性が多いといううれしい特徴があります。
去年は割烹着のユニフォームでしたが、今回は赤・青・橙の法被で登場。その上、手ぬぐいお面!
自治会のボランティアさんたちが会場後ろで笑顔で見守っているのを見ると、ちょうど子供の学芸会を見守る母親のようでした。

Img_0007 大島地区。「春の小川で肩たたき」
現役高齢者が中心だそうですが、畑も脳のリフレッシュもがんばってください。福祉員の皆さんも参加してくださいました。
壇上から降りて車座になっての発表に司会進行の在宅介護支援センター林さんも思わず座り込み。名札のついた市川さん、カメラを構えた三木さんも、教室生の皆さんに負けずおとらず楽しそうです!Ho01

東町・上町地区
「南京玉すだれ~東町・上町バージョン~
(すみません。写真が用意できませんでした)

東町・上町は小布施の中心にありますので、有名な北斎館を代わりに・・・
小布施橋・大鳥居・雁田山など身近な地名を織り込んだ玉すだれ実演に、会場は大喜び。「ちょっと失敗してしまいましたが、失敗もご愛嬌でよかったでしょ?」もちろんそのとおりです。
Img_0008 林・中扇地区。
「ちょんほいな音頭でファッションショー」
今年度から始まった一番新しい教室ですが、この出し物を見ると雰囲気がわかります。
「みんな同じなんて、つまらない!自分らしく楽しくやらなきゃ」と引っ張ってくださったのは町役場のH保健師さんのお母さんだったとか。今後ともよろしくお願いします。

高齢者の皆さんが去年よりも、積極的に交流会に参加し、出し物にも工夫が見られたことで、交流会の意義がはっきりしたと思います。
他教室の発表を見ることで、モチベーションが高まり意欲的になるものです。次のステップとして考えられることは、交流会発表をひとつの目標として、教室で年間通じて継続的に取り組むことと、教室相互で、教えあったり共に楽しんだりするような交流が図られるようになることでしょう。
市村町長を囲んで。お忙しい中会場に足を運んでくださいました。
Img 去年の会場では、小出保健師さんはじめスタッフの皆さん。みんな泣いていましたね。
今年はどうだったのでしょうか?ちょっとウルウルというところだったのでは。
いずれにしても、そこまでこの「脳のリフレッシュ教室」に思い入れできる皆さんに、私は感動します。
小布施にはいいところ・見るもの・食べるものがたくさんありますが、こういう思いで仕事に取り組むことができる皆さんは小布施町の宝だなあといつも思っています。

脳のリフレッシュ教室の事業は、スタッフの皆さんの一体感や達成感を生むだけでなく、ボケ予防活動を地域活動の中核にすえることで、地域の一体化や活性化も図れるという視点も持てたことと思います。
これからも、皆さんでがんばってくださいね