脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

ChatGPTの力を試して、考えた。

2023年04月11日 | エイジングライフ研究所から
先日、ChatGPTの誤答をどうにか修正してあげたかったのですが、不首尾に終わった顛末は
ChatGPTを教えてみた😆に書きました。
今朝もChatGPTを開発したオープンAI社のCEOが初めての海外訪問国として日本を選び、岸田首相とも会談したというニュースが流れ、そのことに対するいくつかの意見を聞きました。
大学でも使用を制限したり、そもそもChatGPTで論文を書いたら厳しい処分で対応するなど発表していますね。
(写真は4/11のニューヨークランプミュージアム)

今日は、ChatGPTのお手並み拝見という試みに挑戦。私が知っていることでないと回答内容が正しいかどうかジャッジできないので、知っているテーマを投げかけてみます。


さらっと眺めたら、合格点をあげられますよね。
私たちエイジングライフ研究所は「脳機能から認知症を理解する。その結果、認知症は脳の使い方が足りない(廃用性機能低下)ために起きてくるもので、いわば生活習慣病である。その意味で予防も、早期に対応すれば改善も可能である」という考えのもと、市町村に認知症予防活動の指導を重ねてきた結果、この独自の主張を確信することとなりました。

問題は、世間一般というか世の権威は認知症をそのように捉えていないことです。
アミロイドβとかタウタンパクとか脳の萎縮に原因を求めています。最近は生活習慣に言及する方達も散見されますが、あくまでも基本は上記の3種類。

生の認知症、それも重度に至るはるか以前、正常から脳機能と生活実態に注目したら、世の中の認知症の多くは「高齢者がなんらかのきっかけから、生きがい趣味交遊なく運動もしないナイナイ尽くしの単調な、楽しみのない生活を続けるうちに、だんだんに社会活動そしてその後家庭活動に困難をきたしてくる」タイプであることがわかるのです。
それをアルツハイマー型認知症と名づけています。

一方で、とても若く生活は普通に続けているにも関わらず、認知症の症状が発現し、しかもそのスピードが考えられないほど早く、1〜2年という短期間に全面介助が必要なレベルになってしまうタイプの認知症が、ごくごく少数あります。
これこそが、ドイツのアルツハイマー博士が見つけ若年発症の特殊な認知症として名付けた「アルツハイマー病」なのです。
特徴は、まず筆頭にくるのが、若年発症(私が関わった方は34歳でした)、次に老人班(アミロイドβの沈着)さらに神経原繊維変化(タウ蛋白が原因)そして脳の萎縮が見られるというものでした。
ちなみに、その頃、高齢者のボケは「老年痴呆」と呼ばれていました。

その老年痴呆の方の脳をたまたま(普通はほとんど解剖することはありません)解剖してみたら、アルツハイマー病の特徴と同じ特徴が発見されました。
そこで「老年痴呆」を「アルツハイマー型老年痴呆」と呼ぶこととなりました。
続けて、アメリカではアルツハイマー病という診断名になり、早発型晩発型とわけたのです。
日本に入ってきて、そのすべてがごちゃごちゃになってしまったということは、ここまでの説明でわかっていただけたでしょうか?一番困るのは遺伝子異常で起き避けることのできないアルツハイマー病と、ごくふつうに見られるアルツハイマー型認知症を混同してしまっていることです。この二者は全く違う発症の機序を持っている、名前が似ているだけの全く違う病気です。経過も違います。

世間の考えを大転換させるとき、従来信奉されてきた意見と正反対の小さな声であることだってあるはずです。
でも、今日はそれを教えるよりも、「今の研究成果というか主流の考えをよくまとめたね」と労ってあげたくなりました。
同時にここにもChatGPTを利用するときの注意点が隠されていることが実感されました。
判断するときには、できるだけ多くの正しい情報が必要です。体験でしか身につく情報はない時代が延々と続き、ついでそれを書物で、最近ではネット検索で求めていたのですよね。ネット検索の場合は玉石混交ということは常に指摘されていましたが。
ここでもう一つ考えてみると、その情報の正誤を見極めるのは、自分の前頭葉。
前頭葉機能を作り上げていくためには、自分が実際にやってみることが必須なのだということを、よく考えるべきです。
教えられたことを受け取るのは左脳だけでもできること。知ってることと、前頭葉が関わってそれを自分の武器にできることには大きな違いがあります。
自分が実際に動く、納得するという体験が大切です。
判断という前頭葉機能の発揮場面の他にも、従来の検索だと、それでもどの部分を使うか、順番はどう構成するか、など自分の前頭葉が関与するところが出てきますが、ChatGPTのように出来上がってしまっている文章に接すると、そのままに受け入れてしまうことは十分に考えられます。
体験に裏付けられた「前頭葉機能(自分そのもの)」が大切だということになりますね。






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