日本全域で見られる、金環日食、
数日前よりどの辺りが良く観察できるかと報道されていた。
いまもなお、土練機の数回目の分解を友人が手伝ってくれ、
我が工房で、徹底的に細部にわたって点検分解を続けている。
石川県では部分日食しか見られないとのことで、友人は早朝から近畿方面へ。
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AM 7:25 |
金環日食については特に興味があったわけでもなく、いつもの朝を迎えた。
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AM 7:28 |
トラちゃんに朝ごはんを与え、いつものようにコーヒーを淹れ。
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AM 7:30 |
新聞の一面には金環日食の話題が大きく載っていた。
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AM 7:32 |
明るかった朝の光、
何故だか、不思議な感じで薄暗くなってきた。
今まで経験したことが無い、妙な暗さが広がってきた。
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AM 7:34 |
夕方の光でもなく、薄暮の薄暗さでもなく、
何となく不気味な雰囲気の明るさの朝に変化した。
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AM 7:36 |
テレビは、どのチャンネルをまわしても金環日食の実況中継を報道していた。
ならば私もとカメラを取り出し、どうやって撮影すればいいかと瞬時に考えた。
特に観察する道具を持っていないし、さて?さて?と考えてひらめいた。
高温になった窯の中を観察するサングラスを使えば見えるかも。
しかしサングラス一つでは光が強すぎてハッキリ見えないだろう。
では運転中に使っているサングラスを重ねれば、と試したら良く見えた。
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AM 7:45 |
形容の出来ない不思議な明るさの中、
7時25分から数分ごとにシャッターを切った。
テレビでは7時35分頃が一番美しい金環日食と言っていたが、
ここ、小松市荒木田町の我が家からの観察では、7時32分が一番欠けて見えた。
直接太陽を見ることも無く、モニター画面を見ての観察、何と便利なことだろう。
遠い記憶をたどれば、小学六年生の理科の時間に金環日食を観察したような。
その時はガラスにロウソクの炎を当て、ススで黒くしたもので太陽を直接見たような。
確かにそのような記憶は甦ってきたものの、太陽がどんな感じだったか思い出せない。
私が小学生の頃に行った、ガラス板にススを付けたもので太陽を見てはいけないと、
テレビでも新聞でも注意を呼びかけていた。
あえて遠くに行かずとも、それなりに観測でき満足。
それにしても、初めて味わった妙な光。
わずか十数分の出来事だったが、良い経験が出来た。
化学の無かった時代、人々は金環日食をどのように感じたのだろうか。
不吉な前触れとして、恐れおののいたのだろうか。
この、何とも不思議な明るさ、ふっと「 今 」を忘れさせてくれた朝だった。
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