年が明けてからこのかた、ず~っとスッキリしない天候。
朝の光がまばゆく、一日晴れるのかな?と思っていたら午後から空模様は急展開。
・・・・・雪が舞い落ちてきた、寒い、冷たい、太陽が恋しい・・・・・。
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あたたかいな |
人間嫌いのトラちゃん、ほんの少し心を開いてくれたのか、
はたまた寒さに勝てず暖をとりに来たのか、ストーブの温風に目を細めて。
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準備完了 |
手で持てるコンポートをいくつか作ったが、
もう少し大き目のコンポートを作りたくて粘土をもんだ。
たたきもみ、きくもみ、とロクロ場で音を立てながら揉んでいるが、
ストーブの前に寝転んでいるトラちゃんは、ずっと毛づくろいをしている。
「 トラ 」と呼びかけると、「 ニャ~ン 」と返事を返してくれる。
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土殺し |
さて、ロクロをまわして粘土の固さを均一に。
下から上へ、上から下へ、と5、6回同じ動作を繰り返し行う。
この作業のことを、「 土殺し 」と物騒な名前で呼んでいる。
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穴あけ |
伸ばしたり押し付けたりしている内、もう大丈夫と手に土の感触が伝わってくる。
粘土の中心に親指で穴を開け、いよいよ制作開始。
少しづつ、すこしづつ深く、そして均一の厚さになるよう広げていく。
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広げる |
ある程度広がった段階で、心もち全体を丸く広げ、
ふちまわりを丁寧に仕上げ、そして全体をデザイン通りに形作っていく。
そのようにして出来上がった作品がこれ・・・↓
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完成 |
数個つくり、水分が飛ぶまでゆっくりと待つ。
朝夕の気温が零度を下回ると、粘土の水分が凍りついて作品が駄目になってしまう。
ロクロ場の、ロクロに向かっている、すぐ後ろに室(むろ)があり、
作ったばかりの作品をその中に入れ、外気に触れないようにする。
この室(むろ)の中は、温度も湿度も安定しており、
夏の作業にも大いに助かる。
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トラちゃん |
ロクロをまわしながら「 トラ 」と声をかけ、それに応えてくれていたトラ、
しばらくして「 トラ 」と呼びかけても返答がない。
そ~っと見やれば、ストーブの前で横になっている。
そりゃあそうだ、こんなにも寒くて冷たいのだから。
トラの実際の年齢は幾つくらいかな? 少なくとも15年は我が家にいる。
けれど野良ちゃんだから、決して心の底から甘えてくれることはない。
ストーブの温風を受けながら眠っているが、工房のドアはトラが通れるくらい開けてある。
台所に入って甘えてくる時も、必ずドアは15センチほど開けてある。
もしドアが閉まったら大変なことに。
逃げ道を探し、そこいらじゅうを駆け回ったり飛び上がったり。
こんなにも長い間一緒に暮らしているのに、どうして?と問うてみるが、
やはりトラは野良ネコの性質が抜けきらない。
そんなトラだが、寝姿を見ていると何故かほっとしてくる。
そして今晩から再びの冬将軍襲来で、大荒れの小松。
トラちゃんの座るカーペットは、もうトラちゃんの指定席としてトラちゃんが認識しているならばいいですね。
ところでたたきもみから始まって完成まで、一気に仕上げる作業ですよね、
優美な曲線にうっとりします、神業?魔法の手?
所要時間はおよそどの位なのでしょうか?
トラが足の大怪我をしてから、ほんの少し心を開いてくれました。
トラのお母さんは野良ちゃん、どこかでトラたちを産んで我が家へ。
お母さんがすぐ逃げるので、お母さんと一緒に逃げ。
その癖がいまだに続いています。
人間不信、または逃げるものだと思い込んでいるようで・・・。
トラ、家ネコだったら普通?の大きさでしょうが、初冬から太り始めました。
冬に備えて脂肪を取入れているんでしょうね、かなり太っています。
ご機嫌な時は何故か体をすり寄せてきて。
ご機嫌斜めの時は「 シャーッ 」と威嚇の声を立てて。
作品は一つ一つゆっくりと作っていますので、かなりの時間をかけます。
殆ど仕上げの削りをしなくてもいいように、ほぼ完成状態に作っています。
若い頃、同じものを何十何百何千と作ってきましたので、手が覚えているのです。
ピアノを弾く時、アルペジオをさっと弾くように。
手仕事はやはり訓練の結果ですね、辛くても続けるほうが後々よろしいようで・・・。