創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

釉薬掛け

2009年08月25日 | 日記

順調良く事が運ぶと思っていたが、急に野暮用が増えて予定が狂ってきた。
それでも何とか釉薬掛けだけは済まそうと、夕食後に工房に入って仕事の続き。
細かい手直しが残っているが、電灯の下ではいまひとつ仕事が進まない。

今日も仕事の続きをして、明日窯焚きをと思っていたが、見事に予定が外れた。
朝から飛び回って用事をこなし、家に帰ってからも細々とした片付けなどを行った。


Photo

   白磁線文皿


とりあえず、釉薬掛けした作品を太陽光線で乾燥させることにした。
この白磁線文皿、二度手間を掛けた皿である。 
ロクロで皿をつくり、あらかじめ作ってある型にかぶせて、線文を浮き上がらせた皿である。

とても薄く作ってあるので、厚く掛けなくてはならない白磁釉薬が
計算どおりにタップリと掛かってくれるかと気をもんで釉薬掛けを行った。
何とか無事に釉薬も掛かり、あとは希望通りに品良く焼きあがってくれることを祈るのみ。


Photo_2

   青磁マグカップ


続いて行った作業は、定番の、私の大好きな形のマグカップの釉薬掛け。
青磁は白磁釉薬よりも、更に分厚く釉薬を掛ける必要がある。
そうしないと青い、美しい色が発色しないのある。

海や、川、湖の浅いところでは水は透明だが、深くなるに連れて青い色が増してくる、
その状況と同じ事を施さねばならないのである。 だから釉薬をタップリと掛ける必要がある。
ロクロで作った素地が厚ければ何の苦労もなく、釉薬をタップリ掛けることが出来るが、
この作品は手で持ち上げて使っていただくマグカップである。

青磁釉薬を分厚く掛けると、焼き上がり後はどうしても重くなってしまう。
そのため、素地は極力薄く作る必要がある。 
薄い素地に釉薬を厚く掛けることは至難の技でもある。 慎重に一個ずつ釉掛けを行った。

手前のスッとしたマグカップには、ギリシア取材で印象に残った草花の文様を彫りこんである。
シンプルなデザインだが、末永く使っていただいても飽きの来ない文様を掘り込んだ。

向こうのふっくらとしたマグカップ、これには鉄釉薬で文様を描こうと思っている。
音楽が好きなので、何か楽しい感じのする文様を描く予定でいる。

私のマグカップの持ち手は、見た目にはごつく感じられると思うが、至極持ちやすいのです。
見た目にも美しいカップは色々あれど、今日までいろんな場面でそれらを使うことがあったが、
いずれのカップも取っ手の作りが指に馴染まなかった。 デザイン優先で使う場面を
意識していないカップが多すぎたように思う。 

以前にも書いたが、一日に7~8杯のコーヒーや紅茶を飲む習慣の私。
くつろいで飲むそれらの飲み物、やはり手に、指にピタッとするカップがほしいと、
このような形に到達した。 実際お求め頂いた方々から使ってみて初めて分かりましたと
お便りを頂くことがよくある。 その時、作ってよかったと心より幸せな気分になれる。


Photo_3

   サルスベリ


早く窯焚きを行わなければならないが、予定外の用事ではどうすることもままならぬ。
時間はずれてしまったけれど、何とか間に合うよう、慎重に準備を進めていこうと思う。
予定では、これから3回の窯焚きを行う。  その結果をみて個展出品作品を決定する。
二年ぶりに行わせていただく金澤画廊にての個展。 来て良かったと思っていただけるよう、
心こめて創作に励みたいと思っています。

昨年咲かなかった、サルスベリ、何事もなかったように今年は沢山の花をつけている。
夏から秋へと移ろうとしているこの時季、白と淡いピンクのサルスベリが庭を彩っている。


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