創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

庭木への来訪者

2009年01月20日 | 日記

Photo

      うっそうと茂った

   庭の 「 椎・しい 」の木 

ケーン、ケーン・・・。
突然聴こえてきた 雉(キジ) の声。
工房の窓から外を見やると、椎(しい)の木のテッペンに一羽のキジ。

いよいよ千葉三越個展も近づいてきて、かなりの焦りが出てきた。
作品はそれなりに揃ってはいるが、何か物足りない。
頭の回路をフル回転して構想を練っているが、そう簡単に考えがまとまるものでもない。

作品のデザインを構想しつつ、前々から気になっていた 「 はし置き 」、
形に出来ないかと雪の消えた庭の木々を眺めていたところ、椎の木の葉っぱが目に付いた。
シンプルだが、しっかりとした形をしている。 そうだ、この葉を箸置きにしよう。

ああでもない、こうでもないとヤキモキしていることが解決すると、あとの作業は至極早く進む。
まずはいくつかのデザイン画を描き、それを粘土で形作る。
粘土のままの箸置き、 焼きあがると2割小さくなるので大き目の箸を載せて比べてみた。

その中から、一番実用的な形を選んで石膏で型をとる。
とにかく使いやすい形を優先することにした。 割れにくく、洗いやすく片付けやすいものを。
ごくごくありふれた形ではあるが、これならば使ってみて違和感はない。

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   粘土のままの はし置き

焼き上がりを想定して作り上げた はし置き。
美しい青磁、あるいは白磁を施せば品良く焼きあがるだろう。

そう思いつつ作業を続けていた。
窓の外、我が家の庭には樹齢30年の椎の木が三本植わっている。
数年前に剪定したが、再びうっそうとした姿になってしまった。

何とかしなくては思いつつも、剪定作業を延ばし延ばしになって数年が経過した。
この椎の木、実がなるようにと三本の椎の木を植えた。 しかしすべて雄の木だったのか、
30年の年月を経ても実がならない。

子供の頃、友達と遊んだ鎮守の森、秋には椎の木から沢山の実が落ちていて、
ポケットが破れるくらいに詰め込み、まるでリスのようにカリッと外皮を歯で割り、
香ばしく、シンプルな白い椎の実を食べていた。 懐かしい味、もう一度味わってみたいと思う。
   
ケーン、ケーン。 椎の木のテッペンで声を張り上げていた突然の訪問者、キジ。
急いで家の中に入りカメラを持ち出し構えた途端、木の上のキジは飛び去った。
そういえば梯川の河川敷の柳や笹、すっかり刈り取られ原っぱになってしまった。

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    刈り取られた河川敷

 小動物たちの棲み家はいずこ

そしてキジたちの棲み家(すみか)が消えてしまった。
住み着いていた多くのキジたち、無事にこの冬を過ごして欲しいと願い、姿を見送った。


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