創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

春雪

2007年03月20日 | 日記
Dsc00019
千葉個展に向けての作品準備をしていた昨晩、
どこからともなく聞こえてくるはずの、産業道路を走る抜ける車の音がまったくしない。

もしかしたら、雪? いまごろ 雪? もうすぐ4月なのに 雪?

真冬、大雪の晩はすべての音が雪に吸収されてしまうのです。
不気味なくらい、静かになってしまうのです。
静かなのに、音がしないのになぜ 「しんしん」 と表現するのでしょうか?
歌舞伎では太鼓の 「とんとんとんとん」 と規則正しい音が雪降りを表現しているのに、です。

そんな夜を過ごした翌朝は一面銀世界。
新雪に一歩踏み入れることが、あまりにもためらいを覚えるくらいの神々しさ。
朝日が昇り新雪を照らせば、より神秘的な世界へといざなってくれるのです。
雪ってこれほどまでにも美しいのだろうか、目の前に広がるその景色に息を飲み込むくらいなのです。

なんかいも何回も作品のチェックをし終えたのは、午前零時をはるかに過ぎた頃。
窓はカーテンが引いてあり、外の様子はまったく分からない。
ただ静か、音がしない、何も聞こえてこない。
もしかしたら朝には雪景色を見られるのだろうか、しかし三月も後半。
天気予報では明日は晴れ、と言っていた。
だが今晩の静けさはきっと雪、あえて外を見るのはやめておこう。

明日の仕事の段取りをして休むことにし、ところ狭しと並べた作品をもう一度ながめた。

青磁、白磁、窯変鉄燿、窯変辰砂、これらの作品、皆さんにご覧頂き、お気に召して頂きたい、
そう願って部屋の明かりを落とした。

まどろみの中、カーテン越しの光がいつもの朝とは少し違う、妙に明るい。
もしかしたら雪? ベットから出てカーテンを一気に開けた。
雪、春のゆきが積もっている。 庭木にもこんもりと綿菓子のように積もっている。
うつくしい! 朝日に照らされ、表現できないくらい うつくしい!

なごり雪にしては多すぎる積雪、五センチあまりも積もっている。
朝日が昇りきるまでに、この神々しいまでの美しさを貴方へ届けます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 仕事の間に | トップ | ローズマリーの咲く頃 »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事