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白山 |
気温も急に上がってきて、20度を超える日が続いている。
つい最近まで中国大陸からの黄砂で、ボンヤリとしか見えなかった白山、
偏西風の流れも変わったのか、空気も澄み、これぞ五月晴れ。
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ジャガイモ畝 |
作り上げたドベ(粘土を精製し、どろどろにした物)を保存するフタも完璧に仕上げ、
いざ作業に取り掛かろうとしていた矢先に母から電話。
「 どうした?体の具合でも悪いんか?」と聞くと、
「 ジャガイモの畝をつくりたいけど、手伝ってくれんか」と。
「 これから粘土の精製をせんなんし、それが終わってからなら、」と言うと、
「 他の畑のジャガイモ畝はもう終わってるし、うちだけ残っている、」と。
「 だから人は人、我が家は我が家、少しくらい遅れたって収穫は同じやろ、」と言うと、
「 忙しいんならいい、母ちゃん一人で畝を作る、」と言って電話を切られた。
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母 |
もうまったく、本当に全くあきれる。
こちらも遊んでいるわけでなく、何かと用事が出来たり仕事の準備をしたりしているのに、
まったく、まったくと思いつつも、そのままにしてはおけず、午後クワを持って畑へ出かけた。
「 来てくれたんか、」と母。 「 放っておけないやろ、」と私。
「 午前中に殆ど畝を作ったし、お前来んでもよかったに、」と。
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母 12月で86歳になる |
「 また無理して、この前みたいに具合悪くなったらどうするんや、」と言えば、
「 あん時はたまたま暑かったし、」と、どうたらこうたら。
キレイに畝を仕上げてあるものの、土の被せが悪いものを少しだけ手入れした。
私のやることは殆ど無く、手持ち無沙汰になってしまった。
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大豆苗 |
大豆の苗も順調に育ってきていた。
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草むしり中 |
家に戻るかと思いきや、母は草むしりを始めた。
「 ちゃんと水分を摂って、いい加減に帰ってや、」と言って我が家に戻ってきた。
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ドベ撹拌 |
さあ、早く粘土作りを始めなければ。
私独自の粘土を調合し、水を加えて撹拌(かくはん)を始めた。
塊(かたまり)が無くなるまで、かなりの時間をかけて機械を回した。
新しい調合に加え、これまでロクロで仕上げたクズも一緒に撹拌し続けた。
すべての材料細かくなり、粒粒がなくなったところで撹拌は終了。
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ドベ保存 |
目の細かいメッシュにドベ(粘土の水溶液)を通してゴミや不純物を取り除き、
大きいポリタンクいっぱいになるまで詰め込んだ。
この作業を何回もくりかえして、ようやく私独自の粘土が仕上がる。
ポリタンクのフタも上手く出来たし、風雨に耐えられるようにもなった。
しばらく様子見し、再び粘土精製を行わなくては。
思った通り畑でのお母上様は生き活きされていますね。
自然な笑顔が可愛らしく70代で通りますよ、子供から見れば親の老いていく姿、
淋しくもあり、心配は限りなく…。
でもこの笑顔が堂前先生の生きる力になっていますよね、羨ましいです。
畑仕事が生きがいのお母様、ご自身よくお分かりのはず、お叱りは程々に。
でも、「老いては子に従え」って言いませんか?
生きがいを持ってもらう為にも、無理をして欲しくないのです。
電話が掛かる度に何事かと、ハラハラするのは心臓に悪いです。
立ち姿を見ている限り元気そのものですが、歩くのは無理があります。
程ほどに野菜を作ってくれればと願っています。