創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

粘土作り、の前に

2013年05月10日 | 日記

春先から気になっていたことの一つ、
早く粘土を調合しなければ、青磁用の粘土を作らなければ、という事。

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    ポリバケツ


昨年の今頃は土練機の修理に明け暮れていた毎日だった。
とにかく土練機さえ元に戻れば粘土をこねることが出来る、
そう願い、友人も手助けしてくれ、不具合が出るたびに機械の調整を行った。

土練機の修理をしながらも、青磁用の粘土が気になっていたのは事実。
私独自の粘土の調合、それらを精製しポリタンクに入れてあった。
ポリタンクに入れる前はそれぞれの種類の粘土を撹拌し、細かいメッシュで通し、
ゴミや鉄粉などを濾し、沈殿するのを待つだけになっていた。

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   フタ


ところが、このポリタンク(バケツ)、本体は硬く頑丈に作ってある割りに、
フタがやけにやわらかい。 フニャフニャしたビニール状の材質を使っているみたい。

工房の中の様々な釉薬を入れてあるのも、このポリタンク。
粘土を調合し、精製したキレイな粘土を保存するのにも、このタンクを使っている。
けれどフタの材質があまりにも悪く、外に置いてある粘土用のタンクのフタは、
夏から冬にかけ、一気に硬くなり、ヒビが入って割れてしまう。

ヒビを見つけるたびに接着剤などで補強しているが、気温差ですぐにダメになってしまう。
ダメになるたびフタだけ購入していたが、金額がバカにならない位に高額である。

ここは九谷焼きの産地、窯元も多くあり、当然ながら資材も扱っている。
ああ、また買わなくてならないのか、何だか無駄をしているなあ、と思っていたところ、
自分でフタを作ればいいではないか、と早速材料を買いにホームセンターに出かけた。

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   角度を決め


直径60センチのポリタンク、ピタッと合うようにと材料探しから始めた。
アクリル製品も考えたが、かなりの高額でもあるし、外に出しっぱなしのタンク、
せっかく買ったは、またヒビが入って精製した粘土がダメになるでは、それでは話にならない。

さてどうしたらよいかと見つけたのが、コンパネの板。
ホームセンターの係りの人に、直径60センチに丸く切って欲しいと頼んだが、
直線に切ることは出来るが、丸く切ることは出来ないのです、と言われた。

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   コンパネ


仕方ないのでとにかく60センチ角に切ってもらい、
レンタルで電動ノコギリを貸してもらえるとのことで、2泊3日で借りた。

電動ノコギリは使ったことはないし、上手く出来るかな、と試し切りをしてみた。
家や工房の中の補強に使う木材、いつもはノコギリで汗をかきつつ切っていたが、
電動ノコギリで切ってみた。

うん、何とか出来そう。 けれど直線しか切れないので、
直径60センチの円を描き、5度の角度で線を引き極力丸くなるようにした。
でこぼこしないように気をつけ、一枚一枚切った。

次に、本体のポリタンクが傷まないように、板の切り口をグラインダーで磨いた。
こうすることでフニャフニャのフタより頑丈なフタが完成した。

次に、湿気が来ないよう養生しなくてはならない。
ニスを塗るべきか、防水ペンキを塗るべきか、を考え、
いずれにしてもこの板をナイロン袋の中に入れるから、ペンキを塗ることに決定。

二度塗りをしなくてはならず、とりあえず一度塗りを行った。
3枚のフタが出来たし、万一割れても補給がすぐ出来る。
外の粘土用のタンクには、防水シートを被せよう。
そうすることで、夏も冬も持ちこたえるだろう。

せっかく精製してあった粘土、これでまた再生できる。
粘土作りは陶芸家にとっては大切な仕事の一つ、
作られた粘土を使うのも手だが、独自性が失われてしまう。
やはり自分の納得できる粘土を使いたい。

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   玄関で


電動ノコギリを使っている私を垣根の下で見ていたトラちゃん、
仕事が終わって一休みに家に入ろうとしたら近寄ってきた。

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   トラちゃん


冬前は脂肪を蓄える為にたくさん食べ、丸々と太っていたが、
季節が変わり、気温上昇とともにトラちゃんの食欲も減ってきた。
幾分か痩せた感じがする。

「 どうした?なでてほしいんか?」、
「 ニャ~ン、」と玄関マットにゴロンと横になったトラちゃん。
折れている右足の肩の付け根辺りを優しく揉んでやった。

ゴロゴロと喉をならし、気持ちよさそうにしているトラちゃん。
なでている手を舐めよう顔を近づけてきたり、甘噛みをしたり。
10分ほど相手をしてやっていたら気が済んだか、垣根の下に向かって行った。


コメント
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