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車窓から琵琶湖 |
大阪行きの特急、雷鳥に乗ったのは何年ぶりのことだろう。
静かな田舎から、大都会へとスピードを上げていく列車。
窓外には穏やかな琵琶湖の湖面が広がっていた。
定刻通り、昼過ぎに大阪到着。
少し早いと思ったが、駅前の定宿にしているホテルに向かった。
昼過ぎなのに、「 お部屋のご用意は出来ています 」、とのことでチェックイン。
今回の目的は神戸行き。 まずその前に腹ごしらえ。
ホテルグランヴィア大阪の上階にあるレストランへ。
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ホテルグランヴィアのレストラン街 |
手ごろに食べられるものをと、ビュッフェスタイルのレストランへ。
宣伝文句より品数が少ない。 ただ今回は蒸しタラバガニをうたい文句に出してあった。
早速賞味。 「 ん、? 」 蟹の中身がくっついて全く食べられない。
金バッチをつけている黒服のチーフらしき人を手招きして尋ねた。
「 この蟹、貴方は試食したのかな?」 キョトンとした顔で私を見ている。
もう一度聞いてみた。「 この蟹、食べたのかな?」、顔を赤くして、「 ハイ 」と。
「 では貴方は中身をきれいに出せたんだろうか?」と聞くと、「 えっ・・・ 」と。
「 皿に載せてある蟹は全く食べられない、こんなもの出したらだめじゃないか 」と注意すると
「 申し訳ありません 」の返答。 大阪に着いた途端の昼食、チョッと不愉快に。 金2、800円
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蒸しカニ |
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レストランから見える 建設中の三越伊勢丹 |
気分悪く、それでも一時間あまりの昼食をし、会計に行ったら総支配人が待っていて
丁寧に頭を下げられた。 「 貴重なご意見ありがとうございました。」と。
私はクレイマーではないが、気がついたら黙っていられない性分である。
折角の料理、気持ちよく美味しく食べていただき、再び来ていただく、そのように話した。
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芦屋美術舘の案内 |
阪神電車で三宮へ。 太陽は強く、加えて湿気が多い三宮、そして元町あたり。
ガイドブックを片手に目的地へ。
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南仏の面影 |
マルセイユのアパルトマンをイメージした建物が目に入った。
以前、イタリアからスペインへ向かう列車に乗って旅したことを思い出してしまった。
異国情緒溢れる神戸だからこそ、似合う景色なのかも知れない。
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南京町の入り口 長安門 |
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南京町広場 |
今回はじめて訪れた南京町、広いかと想像していたが、こじんまりしたきれいな町だった。
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広場の十二支石像 |
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私の生まれ年の石像 |
天気は良いものの、意外にも人出は少なかった。
店頭で肉饅頭などを売っているオバちゃんの額からは汗がポタリポタリ。
私は文句いいつつも、タップリ食べた昼食がまだ胃の半分以上残っていて、
残念だけれど中華の味見も出来なかった。 冬来ることがあれば喜んでいただこう。
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2009・パリ祭 |
そうこうしている内、時間も迫ってきて、パリ祭が行われる神戸文化ホールへと向かった。
夕方6時半から9時半まで、十分に楽しませてくれたパリ祭のコンサート。
余韻を残しつつ、再び阪神電車に乗って大阪梅田駅のホテルへ。
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Your Stay in KOBE |
二日目、再び三宮へ。 北野異人館を歩いてみた。
いやあ、とにかく暑い。 加えて坂道ばかり。
いくつかの異人館を観て歩き、風見鶏の館にたどり着いた。 ヤレヤレ。
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風見鶏の館 |
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風見鶏の館・全景 |
建物そのものより、ジャズメンたちの銅像がいろいろあって、楽しい雰囲気をかもし出していた。
というのも異人館は殆ど手を加えた新しいもので、全く魅力を感じなかった。
それに暑さと湿気、そして坂道ばかり。 辟易してしまった。
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サキソホーンを持つ銅像 |
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神戸ハーバーランド フィッシャーマンズマーケット |
なんだかんだと汗拭きつつ坂道を登ったり下ったりし、時計を見るとすでに昼を過ぎてしまっている。
朝食もホテルの豪勢なビュッフェだったので、まだ腹が減ってはいない。
けれど昼食をとらねば予定が狂ってしまう。地下鉄に乗って、港に向かうことにした。
前日の昼食はホテルのビュッフェだったが、この日は港の広々とした海鮮料理ビュッフェ。
さすがに国際色豊かな神戸、隣の席には中東の団体さんが20人ばかり。
皆さん、よく食べること。 あれほど食べれば体も大きくなるわいな、と思って料理を取りに行くと、
私と同時に手を出し、私は「 パードン 」と言い、大きなオッサンは 「 スミマセン 」と。
一瞬顔を見合わせて笑ってしまった。
私には少々濃い味付けだったが、歩きつかれたのと、暑さで参ってしまったことで
これくらいの味付けは、体の塩分補給には丁度良かったかも知れない。
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90種類の料理から |
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テーブルから見える ポートタワー |
かれこれ1時間半あまりの時間が過ぎたろうか。
隣の中東のグループは先に来ていたが、まだオシャベリと食事を続けている。
少しばかり雲行きも怪しくなり、小雨が降りだしてきた。
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客船の出航 |
オリエンタルホテルが前に見え、こちら側から客船も汽笛を鳴らして桟橋を離れて行った。
ゆっくり休んだことだし、帰りの電車の時刻もあることだし、今度は阪急電車で大阪に戻った。
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左側通行 |
何度も大阪に来ているものの、エスカレーターに乗る人々が右側に立っているのを初めて気づいた。
石川も東京も、確かエスカレーターは左側に立っていたはず。
いつもの習慣で左に立っていたら、「 すみません 」と声をかけられ右に移った。
所変われば、か。
予定より早めに梅田に着き、一時間早めの雷鳥に切り替え、一泊二日の関西の旅を終えた。
そして気づいた事。 都会は人の多さはもちろんのこと、音も途絶えることなく聴こえてくる。
普段静かな田舎暮らしをしている身にとって、この騒音が神経を疲れさすことを認識した旅だった。
午後7時21分の指定券を6時12分に変更して、午後8時45分、小松着。
久し振りの関西の駆け足の旅だったが、充実感と共にドッと疲れた旅でもあった。