昨晩、NHKのBSで久し振りに木下恵介監督作品の映画「二十四の瞳」(デジタルリマスター版)を見て静かな感動が込み上げてきました。しばらく山田洋次監督のチョイスで日本映画の名作を放送するらしい。一昨日は小津安二郎監督の傑作「東京物語」もデジタルリマスター版で放送されている。こちらは放送は見れなかったが、しっかりと録画しているので、後日、腰を据えて見るつもりである。
さて「二十四の瞳」の舞台は香川県の小豆島である。小豆島は高松港からフェリーで約1時間の瀬戸内海では淡路島に次いで2番目に大きな島。我が家は小豆島出身(お墓もこの島にある)なので、たいへん親近感の強い作品である。
モノクロの小豆島の風景。そして、その風景にあわせて流れてくる唱歌、スコットランド民謡、フォスターの作品などの音楽が身にしみる。
「七つの子」「仰げば尊し」「アニーローリー」「浜辺の歌」「おぼろ月夜」などのメロディが絶妙のタイミングで流れてきて感動を、さらに強くするものがあります。
今回、見直して初めて気が付いたのだが、映画の前半、子どもたちが小さい頃は唱歌が多く使われているが、後半、子どもたちが成長し、太平洋戦争を前後する頃はスコットランド民謡が多くなってきて、たいへん効果を上げている。まさに素晴らしい音楽の使い方である。
世界的見地から見ると、小豆島は、米粒より小さな島でしょう。しかしそんな小さな島で生まれ、育った、明日への希望を持った子供たちが、やがて出征し、そして白木の箱に入って島へ帰ってくる。
映画の前半、ヒロインの大石先生と子供たちの交流のシーンが感動的だけに、後半、戦争の悲惨さ、残酷さが戦闘シーンなどが全く無いにも関らずストレートに伝わってくる。この映画の持つテーマの真の重さであろう。
さて、この映画の主演は高峰秀子さんである。日本映画を語るには絶対はずせない大女優である。彼女の生涯=日本映画史である。
昨年の暮、彼女の訃報を聞き、本当に残念な思いで一杯になりました。あれだけの大女優なのに新聞の掲載も小さく、テレビでも追悼番組もなく残念な思いでしたが、昨晩の映画「二十四の瞳」のデジタルリマスター版での放送は、彼女のいい追悼番組になったであろうと思います。
私は高峰秀子さんの最高傑作は、この「二十四の瞳」と成瀬巳喜男監督作品の「浮雲」だと思っています。
林芙美子原作の「浮雲」は名優・森雅之との共演の男女のどうにもならない腐れ縁を描いた作品である。
この映画「浮雲」も5月のNHKのBSでデジタルリマスター版で放送されるらしい。
遅くなりましたが高峰秀子さんのご冥福をお祈りします。
*最後に本日聴いたCD
ブラームス 交響曲第3番 フルトヴェングラー指揮ベルリンフィル (EMI盤)
ドニゼッティ 歌劇「愛の妙薬」(全曲) ミレッラ・フレーニ、ニコライ・ゲッタ (EMI盤)
さて「二十四の瞳」の舞台は香川県の小豆島である。小豆島は高松港からフェリーで約1時間の瀬戸内海では淡路島に次いで2番目に大きな島。我が家は小豆島出身(お墓もこの島にある)なので、たいへん親近感の強い作品である。
モノクロの小豆島の風景。そして、その風景にあわせて流れてくる唱歌、スコットランド民謡、フォスターの作品などの音楽が身にしみる。
「七つの子」「仰げば尊し」「アニーローリー」「浜辺の歌」「おぼろ月夜」などのメロディが絶妙のタイミングで流れてきて感動を、さらに強くするものがあります。
今回、見直して初めて気が付いたのだが、映画の前半、子どもたちが小さい頃は唱歌が多く使われているが、後半、子どもたちが成長し、太平洋戦争を前後する頃はスコットランド民謡が多くなってきて、たいへん効果を上げている。まさに素晴らしい音楽の使い方である。
世界的見地から見ると、小豆島は、米粒より小さな島でしょう。しかしそんな小さな島で生まれ、育った、明日への希望を持った子供たちが、やがて出征し、そして白木の箱に入って島へ帰ってくる。
映画の前半、ヒロインの大石先生と子供たちの交流のシーンが感動的だけに、後半、戦争の悲惨さ、残酷さが戦闘シーンなどが全く無いにも関らずストレートに伝わってくる。この映画の持つテーマの真の重さであろう。
さて、この映画の主演は高峰秀子さんである。日本映画を語るには絶対はずせない大女優である。彼女の生涯=日本映画史である。
昨年の暮、彼女の訃報を聞き、本当に残念な思いで一杯になりました。あれだけの大女優なのに新聞の掲載も小さく、テレビでも追悼番組もなく残念な思いでしたが、昨晩の映画「二十四の瞳」のデジタルリマスター版での放送は、彼女のいい追悼番組になったであろうと思います。
私は高峰秀子さんの最高傑作は、この「二十四の瞳」と成瀬巳喜男監督作品の「浮雲」だと思っています。
林芙美子原作の「浮雲」は名優・森雅之との共演の男女のどうにもならない腐れ縁を描いた作品である。
この映画「浮雲」も5月のNHKのBSでデジタルリマスター版で放送されるらしい。
遅くなりましたが高峰秀子さんのご冥福をお祈りします。
*最後に本日聴いたCD
ブラームス 交響曲第3番 フルトヴェングラー指揮ベルリンフィル (EMI盤)
ドニゼッティ 歌劇「愛の妙薬」(全曲) ミレッラ・フレーニ、ニコライ・ゲッタ (EMI盤)
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