オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

「浅田真央そして、その瞬間へ」を読んで

2013年10月24日 19時52分21秒 | 浅田真央さん
今日は公休日。仕事の疲れが激しいため、家から一歩も出ることなく、寝転んでいた。
そんな私の枕元に一冊の本が届く。そして一気に読む。
「浅田真央そして、その瞬間へ」(吉田順著)
浅田真央さんファン、そしてフィギュアスケートを愛する方には必読の本。
バンクーバー冬季オリンピック後の3年間の浅田真央さんの苦闘の全てが綴られている。
本の最後のエピローグでの浅田真央さんの言葉。

「この3年間は、これまでの人生の中で、一番厳しい時代でした」

この3年間、浅田真央さんが目指していたもの。
浅田真央さんが見据えているもの。
自分自身が納得できる演技。パーフェクトな演技。
ジャンプの修正など・・・。
そして挑戦。
その全ての集大成がソチ冬季オリンピック。
今シーズンのグランプリシリーズ初戦。アメリカ大会で優勝したあと、真央さんはカナダはトロントの振付師ローリー・二コルの元へ。
ショートプログラムの修正のために。
現状に満足することなく絶えず絶えず前に進んでいる浅田真央さん。
そんな浅田真央さんとキム・ヨナを比べて何だかんだと言うことのバカバカしさ。浅はかさ。
浅田真央さんが目指しているものと、キム・ヨナが目指しているものの違い。
この本を読めば一目瞭然である。

この本の中で一番、印象に残ったところ。
浅田真央さんがトロントのローリー・二コルを訪ねた時、二コルが真央さんに言った言葉。

「あなたはジャネット・リンに似ているわ」
「彼女は、勝利のためだけにスケートをしていたわけではない。もっと崇高な目的のために滑っていた。だから人々は彼女の演技に感動した」
「メダルは一つの集大成であるかもしれない。メダルを獲って、若くしてスケートをやめてしまう選手は多い。でも、それはもったいないこと。表現者として伸びるのはそこから。スケートはもっと奥が深いし、追求するに値するもの」

ジャネット・リン!
まさか、この本でジャネット・リンの名前が出てくるとは夢にも思わなかった。
1972年の札幌オリンピック。
私は、そのオリンピックの放送でジャネット・リンの演技を見てフィギュアスケートを知り、その魅力に引かれ、そして現在に至っている。
ジャネット・リンは私のフィギュアスケートの原点である。
その私の原点であるジャネット・リンと浅田真央さんが、今、つながるとは夢にも思わなかった。

浅田真央さんが到達しようとしている「その瞬間」へ。
しっかりと見届けたい。




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F=ディースカウとポリーニの「冬の旅」

2013年10月24日 13時57分00秒 | 今日、聴いたCD
シューベルト 歌曲集「冬の旅」全曲 作品89 D.911

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)

1978年8月ザルツブルク音楽祭でのライブ録音 ORFEO盤

たいへんなお宝録音が登場した。ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとマウリツィオ・ポリーニの顔合わせによる「冬の旅」
1978年だから私が大学生の時。初めて私がフィッシャー=ディースカウを聴いたのが1977年。曲目も「冬の旅」だった。また、その頃のポリーニの人気は物凄かった。そんな頃のライブ録音。
一度だけFM放送で聴いたはずだが、記憶がない。
ポリーニがリートの伴奏をしたのは、この時だけかな?
演奏に関しては最高の演奏で、誰もが大絶賛であろう。
しかしである。私は聴いていて、どうも居心地の悪さを感じてしまった。
「冬の旅」は24曲の連作歌曲集。
失恋した若者が街を捨てて、さすらいの旅にでる。それも死を求めながらの旅。
鳥(からす)を従え墓場を目指すが、その墓場からも拒否される。
暗い暗い世界。まさにモノトーンの世界。
この歌曲集に対して私はそんなイメージ。
今回のCDを聴いていて、この24曲の連作歌曲集が1曲1曲が完結。何か続きがない感じ。
主人公の若者と一緒に厳しい旅に出ているような趣きを感じることが出来なかった。
それは、やはりポリーニのピアノ。
ピアノ演奏としては最高でしょうが、良く言えば明快、悪く言えば明かる過ぎる。
そのためフィッシャー=ディースカウの歌も何かいれ込んでいるように聴こえる。録音のせい?
もし私が今よりも若い時に、この録音を聴いたならば大喜びしていたのでしょうが、おそらく誰もが絶賛するであろう、この録音に首をかしげてしまうのは、私自身が人生の終焉に一歩一歩、近づているからであろうか?
この「冬の旅」を聴きながらジェラルド・ムーアの伴奏の録音が懐かしくなったのが本音です。
今回のライブ録音。私にとって本当に聴き方の難しい録音でした。




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