オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

喜歌劇「こうもり」

2011年08月10日 09時37分13秒 | 2011-2012年シーズン
鈴木明子さんの新しいシーズンのプログラムが公表され、フリーはヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」であることを知り、最近、このくらい私を喜ばせた知らせはありません。
この序曲は演奏会でも単独でも、よく取り上げられる作品です。この序曲は、この喜歌劇に登場するメロディを散りばめた作品で、この喜歌劇の全曲を知らなくてもウィンナーワルツの持つ優雅さ、美しさ、楽しさを満喫できる作品です。
この序曲の一番の聴きどころは第2幕のフィナーレのワルツ「ぶどうが火の流れになって」のメロディでしょう。ここの部分、鈴木明子さんはどのように表現するのか?ジャンプの連発でしょうか?それともステップなのでしょうか?ステップならば、ワルツに乗って物凄いステップになるでしょう。楽しみで楽しみで、しかたがありません!

さて、この喜歌劇(オペレッタ)は、どこをとっても楽しさが詰まっている作品で、ヨハン・シュトラウス2世の音楽に身をまかせた時、まさに至福の境地になります。
私自身、この作品を楽しみたい時は、現在ではCDよりDVDがほとんどです。今日も朝から序曲と第2幕を見ました。1972年に制作された映像でカール・ベーム指揮ウィーンフィル、ウィーン国立歌劇場合唱団と当時の選り抜きのオペラ歌手たちによる極上の演奏と映像。まさに至福の時でした。

簡単にこの作品のストーリを記します。まず主な登場人物。
アイゼンシュタイン 役人を侮辱して刑務所行が決まっているのに、その前に夜会へ行って遊びほうけようとするお気楽なお金持ち。第2幕の夜会ではフランスの貴族ルナール公爵と名乗ります。
ロザリンデ  アイゼンシュタインの奥さん。
ファルケ博士 アイゼンシュタインの友人。ある理由でアイゼンシュタインへの復讐の機会を狙っている。
アデーレ   アイゼンシュタイン家の小間使い。嘘をついて奥様のロザリンデのドレスを着て夜会に行っちゃった。第2幕では女優志願のオルガと名乗ります。
フランク   アイゼンシュタインが放り込まれる刑務所の所長。第2幕ではフランス人のシュバリエと名乗ります。
オルロフスキー公爵 ロシアの若い貴族。金がありすぎて、退屈で笑えないと嘆いている。
アルフレード 声楽教師。ロザリンデの元恋人。ちょっとストーカー気味?
プリント   有能な?弁護士。アイゼンシュタインの弁護では5日の刑期が8日になっちゃった。


第1幕 アイゼンシュタイン宅
役人を侮辱した罪で刑務所行きのアイゼンシュタインですが悪友?のファルケ博士の誘いでオルロフスキー公爵の夜会へ。小間使いのアデーレもおばさんが病気だと嘘はったりを言って夜会へ。
一人残ったロザリンデの元に元恋人のアルフレードが、やって来て昔の恋人ロザリンデに情熱的に言い寄ります。そしてアイゼンシュタインのガウンを着る悪乗りぶり。そこへアイゼンシュタインを迎えに刑務所長のフランクが登場。ロザリンデはアルフレードを夫と偽り、あわれアルフレードは刑務所へ連れて行かれちゃった。

第2幕 オルロフスキー公爵邸
夜会ではファルケ博士が、退屈しきっているオルロフスキー公爵に取って置きの喜劇を御覧いれるという。題名は「こうもりの復讐」
そこへアイゼンシュタインとアレーデが鉢合わせしてお互いびっくり。アイゼンシュタインが「我が家の小間使いにそっくり」と言って大騒ぎ。ここでアデーレが歌うのが「公爵様、あなたのような方は」である。
次に登場したのがフランス人シュバリエと名乗る刑務所長フランクが登場。そして互いの素性も知らないでフランスのルナール公爵を名乗るアイゼンシュタインとフランス語で珍妙な会話を繰り広げます。
そして、いよいよ仮面を着けたハンガリーの貴婦人が登場。スケベ心いっぱいのアイゼンシュタインは自慢の懐中時計を手に、このハンガリー貴婦人に言い寄りますが、その貴婦人に懐中時計を取られてしまいます。この貴婦人こそ実はアイゼンシュタイン令夫人ロザリンデなのである。
夜会も大いに盛り上がりますが朝6時の鐘にアイゼンシュタインとフランクは大慌て。仲良く肩を組みながら帰るアイゼンシュタインとフランクの姿にオルロフスキー公爵をはじめ一同は腹の底から笑い転げます。

第3幕 刑務所
刑務所へ出頭したアイゼンシュタインは、すでに自分が入牢していることに、びっくり。そして弁護士に扮したアイゼンシュタイン。そうと知らずにロザリンデが登場してアルフレードの件を相談。妻の不倫疑惑に怒りを爆発させたアイゼンシュタインですが、ロザリンデが水戸黄門の印籠のように夜会で取り上げた懐中時計を突きつけ形勢逆転。
そこへ夜会の面々が、いっせいに現れます。「こうもりよ、その辺で許しておやり」
いろいろあったが全て丸くおさまり、これにて一件落着。めでたくアイゼンシュタインは監房へ。
「すべてシャンパンの泡のせいなのだ!」

「こうもり」の由来。
第2幕の夜会でアイゼンシュタインによって語られますが2年前のある仮想パーティでファルケは「こうもり」の扮装のまま酔いつぶれ、アイゼンシュタインに市場に置き去りされ笑いものになってしまう。ファルケはオルロフスキーの夜会でアイゼンシュタインに恥をかかせて復讐しようとする。これが「こうもりの復讐」なのである。

喜歌劇「こうもり」に関しては、いろいろ血が騒ぎますが、今回はここまで。


さて鈴木明子さんの新しいシーズンのSPはリストの「ハンガリア狂詩曲」
「こうもり」の第2幕で仮面を着けたロザリンデがアデーレに本当にハンガリーの貴婦人かどうか疑われ時、ロザリンデがハンガリーの音楽の「チャールダーシュ」を見事の歌い疑いを晴らします。
SPとフリーで見事にハンガリーを結びつけた鈴木明子さんのプログラム。まさに絶妙のプログラムの曲目選択に舌を巻きました。
「ウエストサイド物語」「屋根の上のヴァイオリン弾き」と毎シーズン、私を唸らせてきた鈴木明子さん。
ミュージカルの次はオペレッタ!
鈴木明子さんが氷上で演じるウィンナーワルツ!
今シーズンは最高に楽しみです。