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暮らしの菓音vol.9 諸々

 

6月2日は文化祭シーズン。
毎回ご参加頂いている地元の社会福祉法人福浜会さん。
ホントは今回も職員さんが直接出張販売して下さる予定だったのだが
急きょ他の場所でのイベントや福祉学校などでの文化祭に出店が重なり
販売商品も少ないということで、商品だけお預かりしての委託に変更。
イベント出店が重なって売れて在庫薄となったからといっても
短時間で新しく量産する、ということが絶対的に不可なのはいたしかたない。
施設自主製品の背後に「さをり織り」や「福祉施設製品」の記事が掲載されたリトルプレス誌をディスプレイ。



今のところ唯一(!?)、杜屋オリジナル製品である奈良の天然竹箸。
奈良に暮らす義父が山から竹を伐り出すところから作っている使い心地抜群の素朴な手作り竹箸。
「竹箸の他にも、竹のバターナイフとか竹のジャムスプーンなんてのが出来たら・・・」
そんな夢想を打診中。



そういえば、4月末に出店したコトコト市の時にご来場のお客様から
「去年の秋のコトコト市の時に買ったお米、すごくおいしかったです」と言われてとても嬉しかった。
長野畑の地主さんが、同じ地域で山の湧水で育てた減農薬のお米。
品種はあきたこまち。標高が高い地域なのでコシヒカリは育ちにくいそうだ。
今も田んぼですくすくと稲が育っていたけど、今年は去年よりも収量が少ないかも、とのこと。
毎月長野畑に手入れに行くたびに地主さん宅にお寄りして
もみ殻付きで保存されているお米を30kg単位で分けて頂いて
村内にあるもみがら付きのまま精米できる精米機で精米して
静岡まで持ち帰ってはご近所のお得意様などにお分けしているけれど
今月は、私自身がこのお米を使っての麹や甘酒作りに没頭したので、あっという間に無くなってしまった。
次回また長野に行ったら分けて頂くつもりです。
欲しい方~直接取りに来られる方は今のうちにご一報を。



ギフトに人気の丸子紅茶、オリジナルブレンドジンジャーチャイ、畑のミント入りチャイの茶葉、
自家栽培レモングラスティーもリピーターさんが増えたので、今年はレモングラスの株を増やした。
夏は冷やしてもすっきりおいしいレモングラスティー。
畑で刈り取ったのを自然乾燥して地道にハサミで刻んで作ってます。
1時間ハサミで切ってると手にマメ出来る。



ちょこちょこと、おすすめコメントを赤い紙に書いてPR。



そして次回、11月3日のトミーさんのピアニカライブのPRポスターは
前回3月の菓音の時にパソコンで作ったもの。
今年11月3日、ドルチェ倉庫でのトミーさんのピアニカライブが決まったのは今年1月のこと。
「まだ10ヶ月もあるーー」と思ってたのに、もう残り時間が見えてきた。
早ーーーい。時間が経つのってホントに早いなーーーー
と言ってるヒマがあったら、準備準備今のうちにひたすら準備。

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暮らしの菓音vol.9 会場



DOLCE倉庫をお借りして「暮らしの菓音」イベント始めて早や3年。
DOLCE倉庫で開催されてるサロンコンサートに私がお客として通い始めて早や9年。
DOLCE倉庫がコンサート会場に活用され続けて早や16年。
継続は、かけがえのない力なり。



国の登録有形文化財になったのはDOLCE倉庫だけではなく
同じ敷地内にあるオーナーさんのご自宅も然り。
DOLCE倉庫の中に入って天井の木の梁を眺めるつど
「守り維持する」ということの価値の偉大さを顧みる。
3人きょうだいの真ん中で好きなことだけやってお気楽に育ち早々に実家を出た私は
長男長女でもある父母にしょっちゅう「長男長女の気持ちはあんたには分かんないでしょ」と言われ
「分かるわけないじゃん。私次女だもん。」と返していたけど
「守る」という役目を背負うことの多い長男長女ならではのプレッシャーや負担というものがあるんだなと
想像するようになった今日この頃。そういや長野畑の地主さんも大勢のきょうだいのいるご長男だ。
「家」も、「土地」も、守り維持するのは地味だし大変だし労力も費用もかかるし。
少しでもその負担が減るような国になれば、こういう貴重な建物も風情のある街並みも
もっともっと日本国中に残ったかもしれない。
と、国の有形文化財に登録されたからと言っても、むやみに改修できないなど
制約だけが増えて建物維持のための補助金や支援は全くゼロだと知って思った。
私が生まれ育った仙台駅東口も、子供の頃は昭和の木造建築の商店街だったけど
駅東再開発の区画整理にともなって、建物はおろか道路に至るまでありとあらゆるものが破壊されつくした。
新しくて広いまっすぐな道路が出来、年に一度帰省しても道に迷う始末。もはやふるさととは言い難い。
仙台駅に近いのに道路が狭く一方通行路ばっかりで交通渋滞の元凶、というのも分かるが
仙台七夕の季節に商店街の店先に七夕笹飾りが並ぶ風景は
駅前街中アーケード街の巨大七夕より風情があったという。
もう少し早く、もう少し実力と先見の明を持った人がいれば
仙台駅東口の町並みも、飛騨高山みたいな風情ある町並みになってたかも。その可能性の面影すら今はない。
「便利」を取るか、「風情」を取るか。
迷うことなく風情を犠牲にして便利を取るという風潮が、少しずつでも変わることを願う。



入り口門柱入って左側がドルチェ倉庫、右側がオーナーさんのご自宅。
今さら言うまでもないですが、こちらの建物はあくまでもオーナーさんのご自宅なので
門柱を入ったらそこは他人様の敷地、他人様のお宅であることをお見知りおきお願いします。
公の建造物ではなく個人所有邸宅ですので、通常一般公開されてる訳ではありません。
「ドルチェ倉庫に入ってみたい」という方は、
まずはドルチェ倉庫で開催されているコンサートにお客として足を運んでみては?

 

6月はハーブが伸び盛り。
ドルチェ倉庫の入り口に畑で朝摘んできたミントとラベンダーとレモンバームを活けておいて
「ご自由にお持ち帰り下さい」のポップを付けておいた。お風呂に入れると香りがいいですよ~



さて、ドルチェ倉庫では今年から新たな取り組みが始まりました。
ドルチェ倉庫でのクラシックコンサートや落語会などを主催されている「アンダンテ」の
ボランティアスタッフの方々が中心となって始まった企画。
「DOLCEですてっぷこんさあと」
音楽をなりわいとすることを目指している25歳以下の若い方達に
お客様の前で演奏して頂く機会を設けるということ。
「ドルチェ倉庫をもっと若い人にも利用して欲しい」という
オーナーさんのご希望をきっかけに立ちあげられたそうです。
「1人で10回練習するより、人前で1回演奏する方が上達する」
と、かつて某ロックミュージシャンが言ってたけど
知らない人の前で演奏すること、その緊張感は自分自身の何よりの研磨になる。
人前で演奏するという場数を踏むのもかけがえのない経験。
会場使用料やチラシ代などのコンサート経費の負担は無し、
お心づけ等おひねりの収益があるかもしれないという企画。
ピアノやバイオリンに限らず、音楽を習っているお子様のいるご家庭、
現在吹奏楽部や音楽高校にいて音楽大学を目指している方などなど、ぜひご一考下さい。

余談だけど、今回6月2日に行った「朗読とピアノの共演」では
初めて「おひねりボックス」を設置してみた。
朗演を聴いてご満足頂けたら出演者さんへお気持ち程度入れて頂ければと。
お一人100~300円程度、カップルや家族で500円程度入れてもらえればいいな~と思っていたけど、
実際は1000円札を入れて下さった方が何人もいらしてジンときた。
音楽やパフォーマンスを観たり聴いたりと、形無きものを鑑賞して
自分の気持ちに応じた対価を払う、ということがもっと当たり前になれば
演奏する人も鑑賞する人も、生の音楽を楽しむ人やシチュエーションがもっともっと増えるかもしれない。
そう考えると何だか楽しい。

「DOLCEですてっぷこんさあと」にご興味ある方は、
上記写真掲載の「DOLCE倉庫を育てる会」伊東さんか
「アンダンテ」事務局の内野さんへ直接お問い合わせ下さい。

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暮らしの菓音vol.9 朗読とピアノの共演

 お知らせ 
明日13日(土)NHKテレビ「らららクラシック」で、

「デューク」にあわせて演奏された「サティ」の特集が放映されます!
  7月13日(土)21時30分~
  再放送 7月15日(月)10時25分~

詳しくはこちら→ http://www.nhk.or.jp/lalala/


6月2日(日)於・DOLCE倉庫

朗読とピアノのマリアージュ -重ね合わせて生まれる妙-
演目:
杉みき子「月夜のバス」 + ドビュッシー「月の光」
江國香織「デューク」 + ショパン「ノクターン」、サティ「ジグノペディ」、「グノシェンヌ」、「ジュ・トゥ・ヴ」



初の試み「朗読とピアノの共演」。
音楽にしろスポーツにしろ食べ物にしろ、
ひとつのモノやモノゴトが出来あがる過程を眺めるのっておもしろいな~と思った。



第1回目と3回目の「暮らしの菓音」でも演奏して下さった今回のピアノ奏者さんは
ピアノ教室や合唱団の伴奏をされたりなど県内外で音楽活動をされてる
音大卒のプロのピアニストであり、私も生徒として通ってるミュージックヨガ教室の先生でもある。

「またいつかカノンの時に演奏して頂けませんか~?」
ミュージックヨガ教室終わった後に他の生徒さんとみんなでランチをご一緒した時に
さりげなく話をふってみたのが3月のこと。
「朗読にあわせて演奏するっていうの、いつかやってみたいと思ってるのよね~」
思いがけず、朗読との共演を望んでおられるというお話をうかがった。
ピアノと朗読!ドルチェ倉庫でってすっごくいいかも!
降ってわいたような話だけど、先生のピアノにあの朗読家さんの朗読だったら合うかも!?
すかさずメールしてみた。
「ピアノ生演奏に合わせての朗読ってやってみませんか?」
それが、去年のキャンドルナイトカフェの時に朗読して頂いたり
はたまたスタッフとして毎度杜屋販売のお手伝いをして頂いたりしているあのお方。

「あの朗読の方は、単なる助っ人では無く…一体何者?!」
そんなお客様のご感想に思わずほくそ笑む。
前半で杜屋ブースで商品補充したり会計袋詰めしたり裏方スタッフ役をこなして下さった方が
後半は出演者のひとりとして颯爽と前方ステージに立ち朗読を始める。
なんてカッコイイ!それにしても長年の朗読暦をはじめ、実に多彩な方だ。



他人同士の朗読家さんとピアノ奏者さんの顔合わせから始まり、そして実際にピアノと朗読の音合わせ。
「ピアノの音の方が大きくて、朗読の声が消されてしまうのでは?」
「マイクを使わないとダメなのでは?」
事前不安ありき、やっぱり一番最初はピアノの音だけが突出していたけど
「大きい音を弾くより小さい静かな音を弾く方がずっと難しい」と言いながらも
物語の展開に合わせた曲を音を抑えながら情緒豊かに、ゆっくり控え目に流れるピアノの音色。
滔々と語られる朗読の声にピアノの音が重なりゆく様は、
縦糸に横糸を通しながらあでやかな一枚の布が織りあげられるようだった。

ショパンの「ノクターン」、そしてサティの「ジグノペディ」、ミステリアスな雰囲気の「グノシェンヌ」、
愛の賛歌「ジュ・トゥ・ヴ」いずれもどこかで耳にしたことのある曲。
死んだはずの愛犬が一時生まれ変わるという不思議なストーリーの「デューク」にぴったりだった。
大好きだった犬が死んで悲嘆にくれるシーン、
見知らぬ男の子と出会いデートを楽しむシーン、
そして相手の男の子の正体に思いを馳せるシーン、
主人公の女の子のせつない心境が訥々と迫り来る。



それにしても、朗読にあわせたピアノという案をきいて、裏方の私はただ単純に「おもしろそう!」と思ったけど
実際に朗読とピアノ演奏をあわせて少しずつ完成に近付けていくのって根気のいる地道なことだ。
どんな題材と曲を取り上げるかから始まり、朗読を読む早さ、ストーリーの展開にあわせて
どの曲をどの順番に弾くか、曲を繰り返すか途中で切るか、
つなぎの無音の間隔はどれくらいにすると余韻を残して納まるか。
デューク1本でも15分弱。「じゃもう1回最初から」と言うはラクだが、
何度も何度も繰り返されるのを傍から眺めながら
「いつかやってくる出来あがる瞬間」まで、磨き削ぎながら繰り返す「鍛錬」こそ人の成せる尊い仕事だと思った。

当日本番は、想像をはるかに上まわるとても素晴らしいステージだった。
涙をにじませていたお客様も一人二人ではなかった。
これ1回きりで終わらせるのもったいないくらい。
もっとたくさんの人に聴いてもらえるようにもっともっとしっかり宣伝すれば良かった。
演奏者さんの旦那様が録音してCDに焼いて下さったのだけど
音だけWEBにアップする手法が分からない(汗)。
「聴いてみたい!」という方、うちにいらして頂ければCDお貸しします。

7月13日(土)NHK「らららクラシック」で特集されるサティの曲 ご参考までに↓

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暮らしの菓音vol.9 館内

 

「6月2日ならまだ梅雨に入らないだろう」
と思っていたのに今年は梅雨到来が早く、5月末に梅雨入り宣言されてしまった。
「カサをお忘れなく」のポップも用意してたが、梅雨の晴れ間の暑すぎない好天。毎度のラッキー☆

「暮らしの菓音」イベントも回を重ねて9回目。
しかしこの日は、毎回スタッフ役としてお手伝いをアテにしていた方が二人も都合が悪くてダメで
「どうしようどうしよう」と思いつつ、以前ちょっとだけ手伝って頂いたお客様でもある方に
お願いしてみたら、快く引き受けて頂きほっと胸をなでおろした。ありがたや~
困惑に陥り改めて感じる人脈の無さ。普段はとんと忘れてるありがたみ。
「あの方は仕事忙しいから」「あの方は小さい子供いるから」「あの方は家が遠いから」
お願いしたら悪いだろう。このために子供を人に預けて来てもらうのはかえって申し訳ないだろう。
などなど、人様にモノを頼む時にいろいろ考えてつい一歩ひいてしまうが
断られるのを覚悟の上で、まずは先方の状況を聞いてみるという気軽な勇気を持ちたいものだ。



ドルチェ倉庫に搬入陳列を全て終え、開始直前に帰宅してジャムパンを作ってまた持ってきて、
そしてスタート。ドルチェ倉庫とうちが近いからこそなせるワザ。



前回と同様、「右側が客席で左側が物販」、そして陳列テーブルを島形に配置した。
これがお客様にも商品にも自分の目が行き届くベストポジションかも。
以前壁際に沿って縦に配置した時は、はじっこの会計コーナーから最奥のジャムコーナーまで
説明にいって戻ってくるとはぁはぁ息があがってた。と、遠い・・・



さらさらゆるりと小川をたゆたう笹の葉のように流れる時間。
じっくり時間をかけて商品を見て頂いたり、ジャムを材料の生い立ちから説明したり、
どうでもいいことを立ち話して笑ったり。
かけがえのない「なにげない時間」。

 

今回は朗読が主ということもあり、前回の反省をふまえて公演1回のみ、後半のみ、という時間割りにしたので
最初にお菓子を買って朗読会の始まる直前に再び足を運んで下さる方も何人もいらしたが
前半にいらしたお客様にお声がけしても「時間ないから」「子供が待ってるから」と
朗読&ピアノを聴かずに帰られる方もとても多かったのがちょっと残念。
朗読開始をもっと早い時間にすべきだったか?しかし早い時間だと
買い物目当てのお客様を朗読会終わるまで館外でお待たせすることになる。それもどうか?
ピアノやアコーディオンなら演奏途中に出入りしてもまぁ許容範囲だが(程度によるけど)
朗読の場合は、極力人の出入りなく静かな落ち着いた環境にしたかったので
前半販売、後半朗読と2部制にした。
逆に、前半締め切って朗読会、朗読会終わった後に会場をオープンにして出入り自由の販売会、
という手もあったかも?
そうなったら今度は逆にお客様多すぎて座れなくなるのでは?
想像妄想を繰り返すときりがない。



しかし今回の朗読とピアノ共演をはじめ、今までやってきた音楽企画も
客寄せのためではなくあくまでもご来場のお客様に場を楽しんで頂くためにやる企画なので
帰りたいお客様を無理にお引き留めするいわれもない。
「朗読とピアノを聴きたい」と、時間を割いて最後まで残って下さったお客様が
「すごく良かったよー」と言って帰られるのをお見送りしながら
100%完璧なイベント実現への道はまだ遠いけど、今回もわりとけっこう良かったなとじんわり思った。

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暮らしの菓音vol.9 ジャム



季節でラインナップががらりと変わるのがうちのジャム。
秋に作った洋梨やりんごは在庫も底が見え、
冬から春にかけて作った柑橘マーマレードも売り切れ品種がちらほら。
6月2日の時点で旬真っ盛りのジャムは何と言っても紅ほっぺ苺。



いつもは、テーブルの上に並べた他にもストック補充用分をテーブル下にキープしているのだが
今回は苺ジャム以外の在庫が少なかったので、ありったけを全部並べた。
ずらりと並ぶ瓶詰めの中から、残りわずか1、2個だったアップルジンジャーや栗ジャムを
発掘して下さったお客様の目もスルドイ。



フタが金色で瓶のタイプが違うのは、国産蜂蜜100%砂糖不使用・自家栽培果実使用の
「杜の畑の純蜜マーマレード」レモンと柚子の2種。フタが白色の定番種類とは一線を画す。
なにげなく純蜜レモンに紙でフタを覆った大サイズが1瓶だけあるのは、ひそかに作ったお徳用サイズ。
こういう思いがけない掘り出しモノを探し出して頂くのもおもしろいかなと。と言いつつまだ1個あります。



毎回毎回ギリギリ直前になってしまう作業が「ポップ作り」。
以前作ったのをそのまま使えばいいのだが、説明文書を変えたり価格や内容量を変えたり
微妙に変化しているので、全部じゃないけどそのつど作りなおす。
ってかこういう作業こそなるべく早い時期にこなせばいいと分かっちゃいるけど懲りない私。



今回さりげなくやってみた新しい取り組みがこれ。



今までパソコンで作っていたポップ。
それの他に小さな赤い紙に手書きしたポップを作ってみた。当日の朝に。
「もうひとこと説明したい」ということの他、単に新作ジャムのポップをパソコンで作ってるヒマが無かったというのもあるけど。



字が上手じゃないので出来れば手書きはしたくないのだが、パソコン文字より手書きの方が人目をひくという。
淡い色の紙に濃い色で書くよりも、濃い色の紙に白い色で書く方がなんだかそれっぽく見えるのがフシギ。
最近とんと文字を手書きする機会が減っちゃって、日記や手紙もあまり書かなくなっちゃって
文字はヘタになるは漢字は忘れるは改行の位置もままならないはでこのままだと惨憺たる文字道まっしぐら。
もっと文字を書こう。日々日常で文字を手書きしよう。写経でもしようかな。



残り1個となった写真が一枚。これも今回お初のジャムパン。
開場5分で残り1個となってしまったこれは、ロミパンにお願いして作って頂いた豆乳生地のコッペパンに
バターとレモンマーマレードと作りたて紅ほっぺ苺ジャムをサンドしたもの。
ジャムパンの前にロミパンさんのお店が紹介された雑誌を置いてPRしたけどすぐ売り切れたので
雑誌はロミパンさんのフランスパンを使ったジャムの試食コーナーへ移動。




一般的に苺が店先に出回り始めるのは12月のクリスマス前なので
「苺の旬は冬」と思われがちだけど、うちの畑の苺が収穫出来るのは5月。
この時期になると苺農家さんの苺もお値打ちになるので
苺ジャムは4月5月に何回も何回も繰り返し作る。苺の甘い香りが家中に立ちこめる。
会社帰りのオットにヘタ取り作業は一任。
10kgの苺のヘタ取り作業を黙々と続けるのもそれなりに根気がいるが
ほおずきの皮むき作業やグースベリーの花落ち取り作業に比べて気が遠くなるような忍耐がいらないのは
「苺の色が赤いから」だと思う。赤い色って見てるだけでテンション上がる。
洗って砂糖漬けして水分を煮詰めて大量のアク泡をすくいながら一気に炊きあげて瓶詰め。



ふたごいちごちゃん。




そして今回お初の苺ジャムは、瓶詰め後の加熱殺菌をしていない「苺の生ジャム」
うちの庭のペパーミントを刻んで入れた「ミント入り苺ジャム」
長野畑で育てたルバーブを一緒に炊いた「ルバーブ入り苺ジャム」
生ジャムは常温長期保存できないけれど出来たてのフレッシュな風味が魅力。
想像以上に相性のいい苺とミントはすっきりとした後味。
ルバーブ入りは、苺入りのルバーブジャムではなくルバーブ入りの苺ジャムなので
ルバーブのクセはなく、奥行きのある酸味ととろみがプラスされた苺ジャム。

イベントをきっかけにして、こうして少しずつ新しい取り組みや商品を作って種類を増やしていければいいな。

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暮らしの菓音vol.9 焼き菓子



こうしてあらためて写真を整理して眺めながら、「よくこんなに作ったな~~」と思った。頑張った私。



2010年から1年に3回のペースで続けてきたカノンイベント。
お菓子売れない夏をのぞいて春・秋・冬の季節にそれぞれ1回ずつ出来ればいいとこかな~
いや3回やるのはしんどいから年2回だけでもいいかも、
でも最初は毎月1回月末日曜日とか定期的にミニショップをやれればいいな、
などと思ったこともあったんだった。

夏にケーキ屋に足を運ぶお客が少ないのはケーキ屋勤務時代に経験済み。
「夏は売れないから」それもひとつの理由だけど、
周知の通り気温湿度の高い季節はあらゆる食べ物のアシがはやく、
作り手側目線から言わせてもらえば、夏はお菓子の作り置きが難しいというのが難点。
でも、焼き菓子やめてジャムだけにするという手もあるかもね。
昨年のキャンドルナイトカフェみたく、プチなイベントにしてジャムを使ったデザートとかドリンクとか
カフェ形式で味わう会とか。
怖い話を持ち寄って、真夏の夜の怪談カフェとか?!



とはいえどせっかくなら焼き菓子も売りたいし、となると梅雨に入る前の6月初旬には開催したい。
6月2日の日曜日に今回9回目の「暮らしの菓音」開催決定したのは3月末。
そしてその時点で、4月中旬に静岡手創り市、4月末にコトコト市というふたつの一大イベントに出店することは決まっていた。

2013年も半分過ぎた今、ふり返ってみると2月なかば頃から6月まで、
休日らしい休日もなくずーーーっと働き続け作り続けていた。
2月のバレンタインが過ぎて3月3日のカノン8、ホワイトデーに続く大口ギフト、
4月の静岡手創り市準備からコトコト市までお菓子を焼かない日はほぼゼロ、
お菓子作り作業と並行しての果物加工、ジャムとマーマレードを保管場所に困るほど作り続けて
さらに4月5月はウェディングギフトのラッシュ。
6月2日のカノン9終えた後は大口ギフトと静岡・長野の畑作業に追われる毎日。
やってもやってもやらねばならないことが山積していた。めくってもめくっても減らない分厚い電話帳のように。



頑張った私。うんうん。頑張った。
・・・と、素直に自分をほめてあげたい反面でちょっとやりすぎた感というか
季節や時機の流れを読まずがむしゃらに進み過ぎて自己満足に陥った感がある。

今回はちょっとお菓子をたくさん作り過ぎた。
流れ的に、3月のカノン8でお菓子がすぐに売り切れてしまったからもっと作ればよかった
→ 4月の静岡手創り市で初参加アウェイのくせにめいっぱい持参したあげく売れ残った(特にジャム)
→ 4月末のコトコト市ではあんまり売れ残らないように控え目に持っていこう、と思ったらジャムまで売り切れた
→ もっと作ってもっと持って行けば良かった
→ 6月のカノン9は、出来るだけたくさん作ろう
という流れ。波にもまれて激しい浮沈。(苦笑)
「出来るだけたくさん」と言っても、気温の低い3月のカノン8の時のように
チョコレートを使った新作のお菓子などは作らなかったし
6月のカノン9では種類を減らして1種類あたりの量を増やしたので、
その上、例年よりも早く5月末に梅雨入りして蒸し暑くなった上にご来場者数が少ないとなれば
そりゃ売れ残るのが当たり前である。ま、それは覚悟の上だけど。
そして「売れ残りにも役がある」残ったお菓子は売上げ震災寄付の通販にして
「カノンチャリティセット」として売り切ったのはいいけど、チャリティセットを買いに来て下さった常連さんなどに
「カノンに行ったのだけど、杜屋さんの前回のカノンレポ見て
 あまりたくさん買ったら他のお客さんに悪いかな~と思って買い控えしてたんですよ~」
「用事があってカノン開始と同時に行けなくて、開始1時間過ぎた後位に用事終わって
 ドルチェ倉庫の前を通ったんだけど、どうせ今行ってももうお菓子売り切れて無いだろうな、
 と思って入らないで帰っちゃったんですよ~」
「遠慮しないでもっと買っても良かったんですね~」
などなど言われてしまった。あーーーしまった~~~
お客様にそこまで気をつかわせてしまったーーーーゴメンナサイ。。。



時節を読めてない、というのはコレ。
小さな焼き菓子をちょこっとずつとポルボローネとフィナンシェを入れて
9~10種類のお菓子をひとつにパッケージした「おやつセット」。
これはそもそも、静岡手創り市の主催者さん側の企画呼びかけで作ったもので
コトコト市でもこれが開店早々一番人気で真っ先に売り切れた。
一袋でいろんなお菓子が味わえるし、このままちょっとした手土産にも使えるし、値段もちょびっとお買い得。
なかなかどうしていけるんじゃないかコレ。という訳で今回のカノン9でもけっこうたくさん用意した。
と・こ・ろ・が。
思惑に反して苦戦を強いられた。
静岡手創り市やコトコト市は当然ながら杜屋を知らないお客様が大多数。
逆にカノンは、杜屋を知ってる方、杜屋のお菓子を食べたことのある方が回を重ねるほどに多くなってきた。
知らないお菓子屋、一度も食べたことのないお菓子なら
こうしてちょっとずつ「味見」できるセットをひとつ買えばそれで満ち足りる。
現に、他のイベントに出店すると150円のお菓子1~2個お買い上げのお試し的なお客様が多い。
カノンにご来場下さったお客様いわく
「自分が好きなお菓子はコレ!ってもう決まってるのでいろいろ入ってるのより自分が好きなの買います」と。
時と場の違いによるお客様のご要望の違い。は~~~これまた勉強になりました。



カノン9の準備佳境の5月末は苺シーズン終盤。
今回は苺の季節に合わせて苺ジャムも苺の生ジャム、苺ミントジャム、苺ルバーブジャム、
そして苺シロップのミルク割りと杜屋定番メニューの「紅ほっぺ苺の焼きタルト」は出来たての苺コンポート入り。
タルト生地の土台にアーモンドクリームを絞り、煮た苺を並べて
その上を生クリーム入りのカスタードスフレ生地でふんわり覆って焼き上げたシンプルながら飽きないお味。
苺タルト用のコンポート(シロップ煮)は、ジャム同様、瓶詰めして煮沸殺菌して保存してあるので
ご注文に応じて年中作ることが出来る。
このタルト用苺シロップ煮のシロップもたくさん出来たので、苺ミルクも用意することが出来た。
砂糖と苺、少しのレモンだけの苺シロップ30ccに低温殺菌牛乳120cc注ぐだけで
市販にはない無添加いちごミルクの出来あがり。



しかし生地で覆って焼くと中に苺が入ってるかどうか見た目で分からないのが難点。



シフォンは定番のプレーン、丸子紅茶、レモン、甘夏と杏酒と杏の実入りシフォン。
キッシュのスペシャルは新じゃが「きたあかり」のキッシュ。乾燥バジルとヨーグルト入り。



前回の時に初めてやってみた箱詰めのギフトセットもいくつかセッティング。 
こういう時じゃないと現物見てもらえる機会ってあんまり無いし。



過去にお客様からオーダー頂いたギフトセットの中身もいろいろだが
日持ちのするフルーツケーキ1本入りは「ご結婚祝いの内祝い」で数十本分ご注文下さった方もいらした。
「自分がもらったら嬉しい」のは、小さなジャムといろんな種類の焼き菓子入ってるものかな~。
たまにお客様や知人から「お菓子屋さんにお菓子をプレゼントするのも何だけど」と言って
他のお店のお菓子を頂戴することがある。
「何だけど」ということは全くなく、これは私にとってとびきり嬉しい贈り物。
知ってるお店でも知らないお店でもお菓子となれば手放しで嬉しいし
味や素材はもちろんのこと、見た目の形や包装形式や包装材料、一袋の入り数や賞味期限、
はたまた箱の形状や包装デザインまで、参考になることは数知れず。
今回ご来場のお得意様から「遅くなったけど誕生日プレゼントです」と、恐れ多くも頂戴したのは
いつか食べてみたいと思っていたレシピ本を出してる東京のお菓子屋さんの焼き菓子詰め合わせだった。
何てかわいい袋と箱!帰宅していそいそと開けてみれば、
花や動物モチーフやピンクや黄色や緑など彩り豊かではなやかなお菓子達。
ラベルに記載された原材料は彩りクッキーの素材も紫芋やかぼちゃパウダーなど真っ当で、
その上脱酸素剤や保存料を使わないと私が望むところの方針。
決め手はなんといってもおいしいこと。あ~~幸せ~~私ってばお客様にこんなの頂くなんて幸せモノ。
そいでもって、私の作るモノに欠けてるのはこの「はなやかさ」なんだろうな~
コーヒー片手にぱくぱくむふふとお菓子を頂きながら漠と思った。



「子供が喜んで食べた」と言われると悪い気がしないのはもちろんだが
賛否両論有りきの本音を言えば、子供に食べさせるお菓子は
上手下手問わず母親が手作りするのが一番だというのが私の持論。
願わくば、目の色を変えてケーキバイキングに通う甘いモノ好きな
若い世代の女性でもなく(そう時期は私にもあったけど)
ちょっと年輩の人、大の男の人でも気に入って食べて頂けるような、
そういうスイーツを作ることが出来ればいいなと
見た目のかわいさやはなやかさは最も後回しになりがちな要素だったけれど
今回お客様に頂いたお菓子を見て食べて見た目が嬉しいのって食べても嬉しいなと素朴に思った。
百花繚乱、ありとあらゆるスイーツがどこかしこのお店にも並びネットでも手に入る今の時代。
本質有りきの上で何を目指すか、どうありたいか少しずつ磨きながら追い求めていきたい。

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