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暮らしの菓音vol.9 焼き菓子



こうしてあらためて写真を整理して眺めながら、「よくこんなに作ったな~~」と思った。頑張った私。



2010年から1年に3回のペースで続けてきたカノンイベント。
お菓子売れない夏をのぞいて春・秋・冬の季節にそれぞれ1回ずつ出来ればいいとこかな~
いや3回やるのはしんどいから年2回だけでもいいかも、
でも最初は毎月1回月末日曜日とか定期的にミニショップをやれればいいな、
などと思ったこともあったんだった。

夏にケーキ屋に足を運ぶお客が少ないのはケーキ屋勤務時代に経験済み。
「夏は売れないから」それもひとつの理由だけど、
周知の通り気温湿度の高い季節はあらゆる食べ物のアシがはやく、
作り手側目線から言わせてもらえば、夏はお菓子の作り置きが難しいというのが難点。
でも、焼き菓子やめてジャムだけにするという手もあるかもね。
昨年のキャンドルナイトカフェみたく、プチなイベントにしてジャムを使ったデザートとかドリンクとか
カフェ形式で味わう会とか。
怖い話を持ち寄って、真夏の夜の怪談カフェとか?!



とはいえどせっかくなら焼き菓子も売りたいし、となると梅雨に入る前の6月初旬には開催したい。
6月2日の日曜日に今回9回目の「暮らしの菓音」開催決定したのは3月末。
そしてその時点で、4月中旬に静岡手創り市、4月末にコトコト市というふたつの一大イベントに出店することは決まっていた。

2013年も半分過ぎた今、ふり返ってみると2月なかば頃から6月まで、
休日らしい休日もなくずーーーっと働き続け作り続けていた。
2月のバレンタインが過ぎて3月3日のカノン8、ホワイトデーに続く大口ギフト、
4月の静岡手創り市準備からコトコト市までお菓子を焼かない日はほぼゼロ、
お菓子作り作業と並行しての果物加工、ジャムとマーマレードを保管場所に困るほど作り続けて
さらに4月5月はウェディングギフトのラッシュ。
6月2日のカノン9終えた後は大口ギフトと静岡・長野の畑作業に追われる毎日。
やってもやってもやらねばならないことが山積していた。めくってもめくっても減らない分厚い電話帳のように。



頑張った私。うんうん。頑張った。
・・・と、素直に自分をほめてあげたい反面でちょっとやりすぎた感というか
季節や時機の流れを読まずがむしゃらに進み過ぎて自己満足に陥った感がある。

今回はちょっとお菓子をたくさん作り過ぎた。
流れ的に、3月のカノン8でお菓子がすぐに売り切れてしまったからもっと作ればよかった
→ 4月の静岡手創り市で初参加アウェイのくせにめいっぱい持参したあげく売れ残った(特にジャム)
→ 4月末のコトコト市ではあんまり売れ残らないように控え目に持っていこう、と思ったらジャムまで売り切れた
→ もっと作ってもっと持って行けば良かった
→ 6月のカノン9は、出来るだけたくさん作ろう
という流れ。波にもまれて激しい浮沈。(苦笑)
「出来るだけたくさん」と言っても、気温の低い3月のカノン8の時のように
チョコレートを使った新作のお菓子などは作らなかったし
6月のカノン9では種類を減らして1種類あたりの量を増やしたので、
その上、例年よりも早く5月末に梅雨入りして蒸し暑くなった上にご来場者数が少ないとなれば
そりゃ売れ残るのが当たり前である。ま、それは覚悟の上だけど。
そして「売れ残りにも役がある」残ったお菓子は売上げ震災寄付の通販にして
「カノンチャリティセット」として売り切ったのはいいけど、チャリティセットを買いに来て下さった常連さんなどに
「カノンに行ったのだけど、杜屋さんの前回のカノンレポ見て
 あまりたくさん買ったら他のお客さんに悪いかな~と思って買い控えしてたんですよ~」
「用事があってカノン開始と同時に行けなくて、開始1時間過ぎた後位に用事終わって
 ドルチェ倉庫の前を通ったんだけど、どうせ今行ってももうお菓子売り切れて無いだろうな、
 と思って入らないで帰っちゃったんですよ~」
「遠慮しないでもっと買っても良かったんですね~」
などなど言われてしまった。あーーーしまった~~~
お客様にそこまで気をつかわせてしまったーーーーゴメンナサイ。。。



時節を読めてない、というのはコレ。
小さな焼き菓子をちょこっとずつとポルボローネとフィナンシェを入れて
9~10種類のお菓子をひとつにパッケージした「おやつセット」。
これはそもそも、静岡手創り市の主催者さん側の企画呼びかけで作ったもので
コトコト市でもこれが開店早々一番人気で真っ先に売り切れた。
一袋でいろんなお菓子が味わえるし、このままちょっとした手土産にも使えるし、値段もちょびっとお買い得。
なかなかどうしていけるんじゃないかコレ。という訳で今回のカノン9でもけっこうたくさん用意した。
と・こ・ろ・が。
思惑に反して苦戦を強いられた。
静岡手創り市やコトコト市は当然ながら杜屋を知らないお客様が大多数。
逆にカノンは、杜屋を知ってる方、杜屋のお菓子を食べたことのある方が回を重ねるほどに多くなってきた。
知らないお菓子屋、一度も食べたことのないお菓子なら
こうしてちょっとずつ「味見」できるセットをひとつ買えばそれで満ち足りる。
現に、他のイベントに出店すると150円のお菓子1~2個お買い上げのお試し的なお客様が多い。
カノンにご来場下さったお客様いわく
「自分が好きなお菓子はコレ!ってもう決まってるのでいろいろ入ってるのより自分が好きなの買います」と。
時と場の違いによるお客様のご要望の違い。は~~~これまた勉強になりました。



カノン9の準備佳境の5月末は苺シーズン終盤。
今回は苺の季節に合わせて苺ジャムも苺の生ジャム、苺ミントジャム、苺ルバーブジャム、
そして苺シロップのミルク割りと杜屋定番メニューの「紅ほっぺ苺の焼きタルト」は出来たての苺コンポート入り。
タルト生地の土台にアーモンドクリームを絞り、煮た苺を並べて
その上を生クリーム入りのカスタードスフレ生地でふんわり覆って焼き上げたシンプルながら飽きないお味。
苺タルト用のコンポート(シロップ煮)は、ジャム同様、瓶詰めして煮沸殺菌して保存してあるので
ご注文に応じて年中作ることが出来る。
このタルト用苺シロップ煮のシロップもたくさん出来たので、苺ミルクも用意することが出来た。
砂糖と苺、少しのレモンだけの苺シロップ30ccに低温殺菌牛乳120cc注ぐだけで
市販にはない無添加いちごミルクの出来あがり。



しかし生地で覆って焼くと中に苺が入ってるかどうか見た目で分からないのが難点。



シフォンは定番のプレーン、丸子紅茶、レモン、甘夏と杏酒と杏の実入りシフォン。
キッシュのスペシャルは新じゃが「きたあかり」のキッシュ。乾燥バジルとヨーグルト入り。



前回の時に初めてやってみた箱詰めのギフトセットもいくつかセッティング。 
こういう時じゃないと現物見てもらえる機会ってあんまり無いし。



過去にお客様からオーダー頂いたギフトセットの中身もいろいろだが
日持ちのするフルーツケーキ1本入りは「ご結婚祝いの内祝い」で数十本分ご注文下さった方もいらした。
「自分がもらったら嬉しい」のは、小さなジャムといろんな種類の焼き菓子入ってるものかな~。
たまにお客様や知人から「お菓子屋さんにお菓子をプレゼントするのも何だけど」と言って
他のお店のお菓子を頂戴することがある。
「何だけど」ということは全くなく、これは私にとってとびきり嬉しい贈り物。
知ってるお店でも知らないお店でもお菓子となれば手放しで嬉しいし
味や素材はもちろんのこと、見た目の形や包装形式や包装材料、一袋の入り数や賞味期限、
はたまた箱の形状や包装デザインまで、参考になることは数知れず。
今回ご来場のお得意様から「遅くなったけど誕生日プレゼントです」と、恐れ多くも頂戴したのは
いつか食べてみたいと思っていたレシピ本を出してる東京のお菓子屋さんの焼き菓子詰め合わせだった。
何てかわいい袋と箱!帰宅していそいそと開けてみれば、
花や動物モチーフやピンクや黄色や緑など彩り豊かではなやかなお菓子達。
ラベルに記載された原材料は彩りクッキーの素材も紫芋やかぼちゃパウダーなど真っ当で、
その上脱酸素剤や保存料を使わないと私が望むところの方針。
決め手はなんといってもおいしいこと。あ~~幸せ~~私ってばお客様にこんなの頂くなんて幸せモノ。
そいでもって、私の作るモノに欠けてるのはこの「はなやかさ」なんだろうな~
コーヒー片手にぱくぱくむふふとお菓子を頂きながら漠と思った。



「子供が喜んで食べた」と言われると悪い気がしないのはもちろんだが
賛否両論有りきの本音を言えば、子供に食べさせるお菓子は
上手下手問わず母親が手作りするのが一番だというのが私の持論。
願わくば、目の色を変えてケーキバイキングに通う甘いモノ好きな
若い世代の女性でもなく(そう時期は私にもあったけど)
ちょっと年輩の人、大の男の人でも気に入って食べて頂けるような、
そういうスイーツを作ることが出来ればいいなと
見た目のかわいさやはなやかさは最も後回しになりがちな要素だったけれど
今回お客様に頂いたお菓子を見て食べて見た目が嬉しいのって食べても嬉しいなと素朴に思った。
百花繚乱、ありとあらゆるスイーツがどこかしこのお店にも並びネットでも手に入る今の時代。
本質有りきの上で何を目指すか、どうありたいか少しずつ磨きながら追い求めていきたい。

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