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暮らしの菓音vol.9 会場



DOLCE倉庫をお借りして「暮らしの菓音」イベント始めて早や3年。
DOLCE倉庫で開催されてるサロンコンサートに私がお客として通い始めて早や9年。
DOLCE倉庫がコンサート会場に活用され続けて早や16年。
継続は、かけがえのない力なり。



国の登録有形文化財になったのはDOLCE倉庫だけではなく
同じ敷地内にあるオーナーさんのご自宅も然り。
DOLCE倉庫の中に入って天井の木の梁を眺めるつど
「守り維持する」ということの価値の偉大さを顧みる。
3人きょうだいの真ん中で好きなことだけやってお気楽に育ち早々に実家を出た私は
長男長女でもある父母にしょっちゅう「長男長女の気持ちはあんたには分かんないでしょ」と言われ
「分かるわけないじゃん。私次女だもん。」と返していたけど
「守る」という役目を背負うことの多い長男長女ならではのプレッシャーや負担というものがあるんだなと
想像するようになった今日この頃。そういや長野畑の地主さんも大勢のきょうだいのいるご長男だ。
「家」も、「土地」も、守り維持するのは地味だし大変だし労力も費用もかかるし。
少しでもその負担が減るような国になれば、こういう貴重な建物も風情のある街並みも
もっともっと日本国中に残ったかもしれない。
と、国の有形文化財に登録されたからと言っても、むやみに改修できないなど
制約だけが増えて建物維持のための補助金や支援は全くゼロだと知って思った。
私が生まれ育った仙台駅東口も、子供の頃は昭和の木造建築の商店街だったけど
駅東再開発の区画整理にともなって、建物はおろか道路に至るまでありとあらゆるものが破壊されつくした。
新しくて広いまっすぐな道路が出来、年に一度帰省しても道に迷う始末。もはやふるさととは言い難い。
仙台駅に近いのに道路が狭く一方通行路ばっかりで交通渋滞の元凶、というのも分かるが
仙台七夕の季節に商店街の店先に七夕笹飾りが並ぶ風景は
駅前街中アーケード街の巨大七夕より風情があったという。
もう少し早く、もう少し実力と先見の明を持った人がいれば
仙台駅東口の町並みも、飛騨高山みたいな風情ある町並みになってたかも。その可能性の面影すら今はない。
「便利」を取るか、「風情」を取るか。
迷うことなく風情を犠牲にして便利を取るという風潮が、少しずつでも変わることを願う。



入り口門柱入って左側がドルチェ倉庫、右側がオーナーさんのご自宅。
今さら言うまでもないですが、こちらの建物はあくまでもオーナーさんのご自宅なので
門柱を入ったらそこは他人様の敷地、他人様のお宅であることをお見知りおきお願いします。
公の建造物ではなく個人所有邸宅ですので、通常一般公開されてる訳ではありません。
「ドルチェ倉庫に入ってみたい」という方は、
まずはドルチェ倉庫で開催されているコンサートにお客として足を運んでみては?

 

6月はハーブが伸び盛り。
ドルチェ倉庫の入り口に畑で朝摘んできたミントとラベンダーとレモンバームを活けておいて
「ご自由にお持ち帰り下さい」のポップを付けておいた。お風呂に入れると香りがいいですよ~



さて、ドルチェ倉庫では今年から新たな取り組みが始まりました。
ドルチェ倉庫でのクラシックコンサートや落語会などを主催されている「アンダンテ」の
ボランティアスタッフの方々が中心となって始まった企画。
「DOLCEですてっぷこんさあと」
音楽をなりわいとすることを目指している25歳以下の若い方達に
お客様の前で演奏して頂く機会を設けるということ。
「ドルチェ倉庫をもっと若い人にも利用して欲しい」という
オーナーさんのご希望をきっかけに立ちあげられたそうです。
「1人で10回練習するより、人前で1回演奏する方が上達する」
と、かつて某ロックミュージシャンが言ってたけど
知らない人の前で演奏すること、その緊張感は自分自身の何よりの研磨になる。
人前で演奏するという場数を踏むのもかけがえのない経験。
会場使用料やチラシ代などのコンサート経費の負担は無し、
お心づけ等おひねりの収益があるかもしれないという企画。
ピアノやバイオリンに限らず、音楽を習っているお子様のいるご家庭、
現在吹奏楽部や音楽高校にいて音楽大学を目指している方などなど、ぜひご一考下さい。

余談だけど、今回6月2日に行った「朗読とピアノの共演」では
初めて「おひねりボックス」を設置してみた。
朗演を聴いてご満足頂けたら出演者さんへお気持ち程度入れて頂ければと。
お一人100~300円程度、カップルや家族で500円程度入れてもらえればいいな~と思っていたけど、
実際は1000円札を入れて下さった方が何人もいらしてジンときた。
音楽やパフォーマンスを観たり聴いたりと、形無きものを鑑賞して
自分の気持ちに応じた対価を払う、ということがもっと当たり前になれば
演奏する人も鑑賞する人も、生の音楽を楽しむ人やシチュエーションがもっともっと増えるかもしれない。
そう考えると何だか楽しい。

「DOLCEですてっぷこんさあと」にご興味ある方は、
上記写真掲載の「DOLCE倉庫を育てる会」伊東さんか
「アンダンテ」事務局の内野さんへ直接お問い合わせ下さい。

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