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GW旅・仙台



GW後半は私の実家、仙台へ。
定禅寺通り・青葉通りのケヤキ並木の緑がまぶしい。

 

「杜の都・仙台」ではいたるところで「杜」の文字が目に入る。
静岡にいると、領収書の宛名などいまだに「杜屋」を「社屋」「杢屋」と書かれてしまったりするけれど
仙台では「木と土のもり」と言えば「杜」以外にありえない。



街中で見かけた人力車、楽天柄のベロタクシー
人気キャラ「カラスコ」はいまいずこ?
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鯉のぼり



川面に並ぶ鯉のぼりを見て、4月も終盤に入ったことに気づく。
もうすぐ5月。もうすぐGW。

しかし鯉のぼりの尾っぽが水面に浸かっているぞ~大丈夫か!?
満月、大潮で川の水も増水しているのだろうか。
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ようやく人心地ついて昨日やっとお花見に。
すでに満開の盛りをとうに過ぎ、風にのって花びらが舞う。
あぁこんなところにも桜の木があったんだ、
と、一斉に淡いピンクの花開くこの時期、初めて桜の存在に気づく。


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近所の海



まるで砂漠の中のオアシスのよう。
うちから徒歩数分の遠州灘。ちょっと現実逃避。
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パスポート申請

来月のフランス旅行にむけてパスポートを申請してきた。
郷里の仙台で二十歳の時に初めてパスポートをとったのでこれで2回目。
その時は実家の近所に宮城県庁があったのでラクだった。
静岡はやっぱり静岡県庁まで行かねばならんのか?
だとすると1日がかりだな~と思いながらネットで調べてみたら
磐田市の総合庁舎にパスポートセンターがあった。
2年前自宅改装して菓子工房を造る時、菓子製造業の営業許可を取るために
この総合庁舎内の保健所に何度も何度も自転車で通ったもんだ。
行きがけに役場に寄って戸籍抄本と住民票の写しをとり、
総合庁舎の手前にあったいい雰囲気の写真館で写真を撮影してもらう。
初めて入る写真館。
「こちらってとても風情のある建物ですよね。この近くを通る度に気になっていて、今日いい機会だからこちらで撮ってもらおうと思ったんです。」
と立派なスタジオで写真を撮ってもらった後にお話してみたら、なんと90年前、大正時代に建てられた写真館だそうで、スイスの建築を模したものだそう。といっても単なる浮ついた西欧建築ではなく日本の雰囲気にしっとりなじんでいて、とてもいい感じ。当時の撮影セットなんかは処分しちゃったのもあるんですけど、やっぱりあのセットじゃないと撮れないな~と思うこともあるんですよ~。年月を経てなお活用できるものはそれだけで宝ですね~。
などというお話をうかがいながら私より少し上くらい?の店主さんに撮影して頂いた写真を手にとる。
プロの仕事ってやっぱりすごい。免許証の疲れたオッサン風の顔写真とは大違いでいきいきしてる。(どっちが素性に近いかはさておき。)

出来上がった写真を持ってパスポート申請に行く。
有効期間10年用の用紙に記入し、昔のパスポートも一緒に渡す。「失効」のシールを貼られて返却される。
このパスポート作った頃は髪長かったんだな~あの職場でバイトしてたんだな~一人暮らし始めたのはこの年だ~あの頃は10年後に静岡にいるなんて考えもしなかったな~
昔の自分の顔写真を見つめながらしみじみ思う。
次にパスポートを作るのは10年後。そしてさらに10年後。その後は・・・?
今後またパスポートを更新するとすると、せいぜい2回。多くて3回。
たった2回だ。2回目の更新をする頃、私は年老いていて人生の終幕までわずかだ。
そう考えるとちょっと恐ろしくなってきた。
今さらだけど人生に限りがあるというその事実が「たった2回」という数字で目の前に具体的に現れた、というか。
「やっとオレの気持ちが分かるようになったか~」
たった2回なんだー・・・としみじみ思った、という話を夫にしたら私よりかな~り年上の彼は一言そう言った。
年をとるということは「限り」までの時間が着々と減っていくということだ。それが現実。
何不自由なく(今思えば)過ごしてきた10代。
自分の意思のおもむくままに突き進んできた20代。
その頃にはみじんも思わなかった一生涯の切迫感を30代になって初めて知ったような気がする。

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夏休み旅日記~8月17日・「酒器」

16日に宿泊した下北半島の先端から17日中に仙台の実家へ帰省したい。
とはいえ、その長い道中寄り道しないのはあまりに惜しい。
青森県から岩手県に入ってすぐ、二戸市から県道6号鹿角街道を西南に走って浄法寺町へ。
作家の瀬戸内寂聴が住職を務める天台寺で名を馳せているが、ここは古来から漆器の産地。
地元の山の漆の木から採取した純地場産の漆を使用した塗り物で有名な町だ。
現在、日本の漆製品は中国産の漆使用のものがほとんどだ。
地元産の漆を使っているのは、ここ岩手県浄法寺町と福島県会津・喜多方と石川県輪島くらいではなかろうか。

前々から探しているものがある。漆塗りのぐいのみだ。
数年前、たまたま福島県喜多方市の物産館で見つけ、お買い得品という理由で何となく買ったぐいのみ。
これでのむとお酒の味が一層おいしく感じることに気がついた。
漆塗りの口当たりが柔らかく、フチが外開きになっているせいもあるだろう。
大きめサイズと安定感のあるずんぐりとした胴体で、非常に使い心地が良かった。
しかし毎日毎日欠かさずにこの酒器を使って酒をのんでいたら、
あるとき漆がはげて本体にもヒビが入ってしまった。
その後これと同じものを各地の漆器店に足を運ぶ度に探しているが、
いまだ見つからない。買ったお店にもなかった。
これより小さいサイズのぐいのみはけっこう見かけるのだが。
考えてみれば探し求めているものの方が大きすぎるのだろう。
しかし、何故小さいと思うのか。
それは我が家は燗をつけたりせずに一升瓶からそのまま器に酒を注いでのむからだ。
重量級の一升瓶、小さい器だと何度も注ぐのが面倒になってくる。
段々酔っぱらってくるとつい注ぎすぎてあふれたりする。
胴長でも細身の器、足が長い器だと、酔っぱらった時に倒しやすい。
夫と同じくらい手の大きい私には大きい器の方が持ちやすい。
しかし大きすぎてももちろん駄目。片手の親指とその他の指をまわして持てるくらいがちょうどいい。



写真左から 
■今年5月福島県喜多方で購入
■今回8月岩手県浄法寺町で購入
■4、5年前に福島県喜多方で購入。これを追い求めている。




今年のゴールデンウイークに、喜多方の別の漆器屋さんで、
求めているのと同じデザインでサイズは小さい赤色のものを見つけて買った。
外開きのフチの加減はいいのだが、やっぱりちっちゃい。すぐに飲み干してしまう。

今回通った浄法寺町で見つけた漆塗りの老舗「坂田漆器店」。
入り口で靴を脱いで店内に上がるようになっており、
風格が高く少々緊張しながら物色するがやっぱりない。
ワンサイズ小さめで気になったものはあった。
しかし夫に「どうせ買うなら本当にこれだ!と思ったものを買おうよ」と言われ
それもそうかと何も買わずに外に出る。
もう一軒の漆器屋さんに行ってみてから、やっぱり思いなおしてせっかくここまで来たんだから、試しに買って使ってみよう。と最初の坂田漆器店に戻ってきた。
「格調高い伝統工芸品を試しに、なんて失礼ですが~」
と言いながら最初に気になったものを手に取る。
朗らかなお店の奥さんが我々の話をにこにこと聞きながら、端数を値引きして下さり、しかも塗り箸一膳おまけしてくれた。
「漆器が一番いいと思うのは、お椀なんですよ。熱い汁物をすする時に価値が分かります。」
というお店の奥さんのお話にひかれながらも、ぐいのみ1個だけ買ってお店を後にした。
これが写真の真ん中の器。
求めているものよりやっぱり小さい。
しかし、非常に手触りと口当たりがよくすべすべで滑らかだ。
そして見た目の美しさはどれよりも秀逸で、酒を注いで口にする前に目の前にかざしてほれぼれと眺めた。
「澄みとおった闇の色」まさにそんな感じ。
たまたまうちに、もらいものの大手メーカーの金箔入りの酒があった。
自らそういう酒を買うことは皆無だが、思いついてその酒を注いでみた。
器の底に金箔が沈む。金箔入りの酒なんて、とバカにしていたが、
こうしてみるとけっこうきれい。
まるで夜空に瞬く星のようだ。

昔、日本人は金箔を貼った大仏を作った。
お坊さんの袈裟は金糸銀糸きらめく派手な布で作られることが多かった。
電気の発達した現代、蛍光灯の明るい光の中で金の装飾を見てもけばけばしいばかりだが、電気のない時代、闇の中でかすかな蝋燭の灯火に照らされる金の大仏や金の袈裟は、比類のない荘厳な雰囲気を放っていたのではないか。という谷崎潤一郎の話を思い出した。
浄法寺塗りは天台寺の什器としての需要が始まりだという。
なまめかしい漆器の色は、金の輝きを一層引き立てていたのだろう。

今のところほぼ毎日浄法寺塗りのぐいのみを使っている。
容量が小さい以外には非の打ち所がない。
考えてみれば、地場産漆を使い、この品質でこの価格は安い。
製造所直売価格だからだろうか。やっぱりお椀も買えば良かった。
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夏休み旅日記~8月17日

早朝爽やかに目覚め。よく寝た~。
朝食前に温泉へ。誰もいない。
脱衣所の棚にメガネが置き忘れられている。
あ~これ宿の人に届けた方がいいかな~でもほっとけばそのうち気づくかな。
しかしどこにでもいるんだな~メガネ忘れのおっちょこちょいは・・・・
・・・んん?・・・手にとってよくよく見てみたら、何と私のメガネではないか!!
前日夕方に温泉に入った時に置き忘れたのだ。
置き忘れたということにすら気づいてなかった自分に愕然。
あぁ・・・あって良かった。



朝食にはピンとつややかなイカ刺し付き。
「あ」「い」「う」の「い」は前日のイカの塩辛だけではなかったのだ。
特に気に入ったのは右の写真のイカの漬物。
白菜の漬物と人参としょうがのせんぎりで、ゆでたイカゲソを芯にのり巻き状に巻き、
それをイカの胴にきっちりつめて輪切りにしたものだ。どうやって作るのだろう?
むっちりとしたイカの歯ごたえとしゃっきりとした白菜の歯ごたえに
人参の甘さとほのかなしょうがの辛味が相成って、とてもおいしかった。
以前長野在住の時に、白瓜で拍子切りの人参とみょうがをくるりと巻いて
粕漬けにした漬物を頂いたことがある。抜群のおいしさだった。
「のり巻き状」のものには単体では味わえない醍醐味がある。

朝食を食べて早々に宿を出発。夏の終りを思わす涼しい風が吹き抜ける。
道路上の気温表示灯は17℃。二日前は37℃。激しい落差に体がついていかない。
さて、この日17日はどうしても仙台の実家に帰りたい理由があった。
下北半島の先端から仙台まで400km程か。
野辺地から国道4号線をひたすら南下。

始終夫と二人きりの旅、車中で過ごす時間が最も多い。
話をしていることが多いが、延々4号線走行でいい加減飽きてきた頃。
たまたま赤信号で止まった時にうちの前にいた車のナンバーが「す 441」だった。
「あ、前の車のナンバー「すのよよい」だ~。」
知る人ぞ知る私のサブネーム(あだ名?)は「よよいの酔子」。
よよいのよいこ、すなわち441の415である。
私と夫の間では 441=よよい=私 という暗黙の了解がある。
(上記理由によりメールアドレスもこのgooブログIDも「yoyoino415」なのである。)

「すのよよい。すのよよい・・・すてきなよよい。」
「す・・・スペシャルよよい。」
しりとりのような感じで、「すのよよい」ゲームは自然に発生した。
「スリムなよよい。」
「スレンダーよよい」
「スマートよよい」
「スーパーよよい」
「スッチーよよい」
「すっきりよよい」
「すっぴんよよい」
「すってんてんよよい」

「あ、"ん"がついてる。まぁいいか。」

「すっからかんよよい」
「すっとこどっこいよよい」
「スリラーよよい」
「スローライフよよい」
「スイミングよよい」
「少しだけよよい」
「筋金入りよよい」
「スーダララッタよよい」
「スルメイカよよい」
「スケソウダラよよい」
「酢醤油よよい」
「酢みそ和えよよい」
「すもうとりよよい」
「すててこよよい」
「すしづめよよい」
「スカッとさわやかよよい」
・・・・・・・・・・・
これを帰宅まで続けた我々もほんと懲りない人だ。

私的に気に入ったのは
「すみっこよよい」と
「すみからすみまでよよい」で、
ひざを抱えていじけてすみっこにいる私と
ちっちゃいサイズの私がうわ~っとたくさん散らばっている様を想像すると微笑ましい。
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夏休み旅日記~8月16日・続き

あ~夏休み旅日記途中のまま9月になってしまった・・・。しかしここで止められないので懲りずに続けます。

下北半島先端手前西岸、奇勝「仏ヶ浦」へ。
まるで巨大な鬼の牙のような奇岩・巨石が連なる。
観光シーズンゆえ、多くの人が群れていて賑々しく感じるが
モノトーンながら凄みがあり、かつ寂寥とした風景はどことなくあの世を思わせる。
車に戻ってあらためて地図を広げてみたら「日本三大霊場」恐山と
ほぼ同じ緯度に位置していることが分かった。
そうと知っても霊感ゼロの私は「ほほぅ。」と思う程度だが、
恐山も仏ヶ浦も、感じる人は何かを感じるのかもしれない。



さらに西岸を北上中、道沿いに「地ビール麦雫直売所」の看板を発見!
あれ!?麦雫って浅虫温泉の道の駅で買った大間のお寺の住職が作っているビールではないか!?
こんなところにあるんだ~よしっ行ってみようっ。



分かりやすい看板が道々にいくつもあり、迷いそうな場所ながら迷うことなく行き着いたそこはお墓。
お墓の隣の本堂(?)の裏に小さな工房があり、売店も付いていた。
しかし入り口が閉まっている。
ふと見るとビール瓶の空き箱を片付けている住職さんらしき方がいたのでお声をかける。
私が使っているジャム瓶と同じメーカーだ~
「今日は売店休みなんですよ。その自動販売機で買って下さい。」とのこと。



ここで醸されている麦酒だけの自動販売機が売店の横に鎮座していた。
5種類のうち「ラガー」「スタウト」「ペールエール」は売り切れ中。
「最近よく売れて、作るのが追いつかないんです。」
お寺で地ビールを作るなんて珍しいですね~。
「多分日本一小さい地ビール工房だと思います。」
こちらの卍麦雫、ラベルを変えて「恐山ビール」としても売っているそうだ。
後日「道の駅よこはま」で恐山ビール発見。
お寺の敷地内の湧き水を使って醸されたここのビール、
3種の地発泡酒と2種の地ビールがあり、地発泡酒の方が価格が安いが、
おいしさは地ビールに引けをとらない。
この後、大間の町中で立ち寄ったスーパーでも発見。
しかも直売所自動販売機よりも値段が安かった。


マグロの町、大間。
地元のスーパーに立ち寄る楽しみは生鮮コーナーにある。
地魚の充実ぶりに目を見張る。
この日は大間で上がった150kgの生マグロの切り身を特売していた。
赤身、中トロ、大トロなど大間マグロの握り寿司を見つけて、
いてもたってもいられずに大トロ握りを1パック購入。
今日は宿泊まりだってのに夕飯後に食べられるのか。

大間町の先の風間浦村下風呂温泉へ。イカ付きの街灯がかわいい。
二日前に電話で宿泊予約した「長谷旅館」は、今年ゴールデンウイークに東北を旅した時に、たまたま出会った方から教えてもらった宿だ。
かつて井上靖が宿泊し、小説「海峡」を執筆した宿で「その当時そのまんまという感じのとってもレトロな宿ですよ」と。
豪奢なホテルよりひなびた旅館を好む我々にはもってこいだろう。

この日、前日までの猛烈な暑さはいくらかやわらいでいた。
「どうせ宿に泊まるんだったら猛暑の日が良かったね~冷房かければ夜眠れるし」
はははと笑いながら荷物片手に案内された部屋のふすまをカラリと開ける。
・・・むぁ~~ん・・・
立ち込める熱気に見舞われ、夫と顔を見合わせ互いに一瞬無言に。
クーラーが無い。あるのは小さな扇風機一台。
ここは北国青森県。長い冬に必須のストーブ。短い夏にクーラーは不要。
考えてみれば当然のことだ。
この日がいくらか涼しい日だったのがせめてもの救いであった。

窓の外に見渡す海上には北海道が見える。
夕飯前にとりあえずお風呂に行こうとタオル片手に階段を下りると
頭がくらりとし、段々はじっこに体が寄ってしまう。
立ちくらみ?夏バテ?暑気当たり?
・・・いや、ただ単に建物全体がかしいで階段が斜めになっているからであった。

お風呂の入り口を開ける。誰もいない。貸切状態だ。ラッキー。
鍵付きロッカーもドライヤーも何もない脱衣所で服を脱いで温泉の引き戸を開ける。
・・・もわぁ~~~っ
強い温泉臭。
硫化ガスを思わす白い気体が充満した中へ負けじと突入するが、
湯に浸かる前に頭がくらくらしてきた。強烈。
「熱い温泉の入り方」という注意書きにおぼろげながら目を走らせる。
「手桶で湯船の湯をすくい、5、6回体にかけて熱湯に体を慣らしてから少しずつ湯船に入るべし」
手桶でざばー・・・
ぎゃーアヅイっ!
こんな熱いお湯に入ったら5秒でヤケドする。
と思ったが、確かに何度もかけ湯を浴びてたら慣れてきた。
これは嘘偽りの全くない天然自然そのままの純然たる源泉掛け流し温泉だ。
循環ろ過の気配など微塵もない。体に良さげ・・・というか効きそうな感じ。
あまりの熱さで病気も飛んでいきそうだ。
しかしシャワーすらひとつも無い。

確かにここはまぎれもなくレトロな宿だ。



夕飯の充実ぶりはさすがに漁港の宿だ。
「夕飯には「あ・い・う」が出ます」とあったが
あわびの「あ」、いかの「い」、うにの「う」のうち
小さな小さなうにの活き作りが一番おいしかった。

満腹を抱えて部屋へ戻る。
旅中に買った新田次郎の文庫本と宮沢賢治の漫画本も持ってきた。
「さ~今宵は長いよ~。まぁまぁゆっくり語り明かそうよ~。」
などと言いながら、途中で買った青森の地酒「作田」を開けて湯のみ茶わんに
なみなみと注ぎ、大間マグロの大トロ握りをつまみながら文庫本を開いた途端、
強烈な睡魔に襲われてコトリと寝入る。
「まだ寿司残ってるよ~食べようよ~語り明かそうって言ったくせに~」
夫にほっぺたを引っ張られて無理やり起こされる。
2度ほどそのパターンを繰り返した後に夫はあきらめて1人で温泉へ。私は朝まで爆睡。

「たまにはちゃんとした宿に泊まってゆっくりしたい」と思いつつ、
いつも私は夕飯直後に即行寝てしまう。
だからこそ、適当に食事して日帰り温泉に入ってさらに移動した先で車中泊、
という旅のパターンの方が性に合っているのかもしれない。
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夏休み旅日記~8月16日

久しぶりに夜雨が降った。
降ったりやんだりする度に夫は車中泊中何度も目を覚まし、
そのつど車の窓を閉めたり開けたりしてくれていたそうだ。
私は雨が降ったことすら気づかないまま朝まで快眠。

薬研(やげん)温泉「かっぱの湯」へ。
昔、この辺で道に迷ったお坊さんがガケから落ちてケガをし、
動けずにいて困っていたところに大きなフキの葉っぱを頭にかぶったかっぱが現れた。
気がついたらお坊さんは体をフキの葉に包まれて温泉に入れられていた。
おかげでお坊さんは元気を取り戻し、助けてくれたかっぱに感謝した。
といういわれ。その温泉がこの「かっぱの湯」だという。
フキの葉で体を包んでから温泉に入れてやったというのが何とも心優しい配慮ではないか。

清流に面した野趣あふるる場所にあり、道路上からも丸見えの無料混浴露天風呂
「かっぱの湯」に夫を残し、私はさらに奥にある「夫婦かっぱの湯」へ。
こちらは男女別で有料(200円)だが湯船が広くて露天の景色も良く気持ちがいい。
しかし終始アブとの戦いであった。

今日宿泊予定の宿まで目と鼻の先に来ているのだが、時間つぶしのために遠回りすることにした。
かっぱの湯から更に奥に向かって進む。
「この先は未舗装の林道です。」という看板が立ちはだかる。
しかし地図上では「あすなろライン」という名前がついている道だ。
まぁ対向車も来ているし、何とかなるだろう。

その考えが甘かった。
生半可な砂利道ではなかった。
大きな石と水たまりの続くでこぼこ山道、
ハンドルを小刻みに動かしながら慎重に慎重に走る運転手の夫の額にはあぶら汗。
隣に座る私も最初は「青森ヒバの天然林だ~いい香り~森林浴だ~」
などと窓外に腕を出したりしながら能天気に浮かれていたが、
進む程に荒れていく山越えの道。夫の緊張が伝わり徐々に無言になる。



どうにかこうにか無事に県道46号かもしかラインに抜けた。安堵とともにお腹がなる。
道の駅「かわうち湖」で「ひばっこそば」と「ホタテカレー」で腹ごしらえ。

「青森ヒバ」は「木曾ヒノキ」「秋田スギ」と並んだ日本三大美林のひとつで下北半島と津軽半島に多い。
とても香りのいい木で、その揮発成分は「ヒノキチオール」とのこと。
ヒバなのにヒノキチオールなのね。
青森ヒバの家はシロアリやカビにも強く、建ててから3年は蚊も寄りつかないそう。素晴らしい!
願わくばそんな家に住みたい。



仏ヶ浦を目指して西へ抜ける途中の道上に一匹の野生動物が佇んでいた。
車で近寄っても逃げない。
アライグマかな?
車から降りてカメラ片手に近寄っても全く動じない。
かわいいね~これアライグマだよね~
・・・まさかホントの熊の子供ってことはないよね・・・
子熊であれば必ず近くに母熊がいる。
写真を撮った後慌てて車に舞い戻る。
↓よくよく写真を見てみたらなかなか鋭そうな爪。

この直後には道のど真ん中に雉(キジ)が出現。
車を屁とも思わず、鶏のようにコッコッコッと首を振りながら悠然と横断していた。
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夏休み旅日記~8月15日・続き


↑浅虫温泉駅の道際の鉄柵には浅虫水族館キャラが連なる。

浅虫温泉の道の駅に車をとめて近くの「ろくさん食堂」へ。
記憶にあるだけでも3回は通ったこのお店はホタテの直売所を兼ねた食堂でホタテ丼やホタテ貝焼き定食はもちろん、うにとアワビの2色丼、3色丼、4色丼、海鮮ちらしや刺身定食など魅力的な地海鮮料理が格安で味わえる。前回来たときは満席でお店の人もあたふたしていたが、今回はガラガラだった。
「今日はすいているね~」と夫と話していたが、一組また一組やってきてあっという間に満席。
タイミングが良かった。
早々に運ばれてきたホタテ丼にがっつく。
「次回は2色丼を頼もう」と思いながらも何故かやっぱりホタテ丼を注文してしまう。
満足したお腹を抱えながら途中の永井久滋良餅店で好物の「板かりんとう」をお土産に買いこみ、浅虫温泉駅前の無料混浴露天(そう表示してある)の足湯に浸かる。やけどしそうな熱湯温泉だ。
道の駅で「黒房すぐりソフト」を食べ、大間のお寺で醸している「卍雫酒」という地発泡酒を買って出発。
黒房すぐり=カシスは青森が生産量首位。県内のメーカーがカシスジャムやカシスティーなど様々な製品を作っている。青森市内の有名なケーキ店「シュトラウス」が作った特産カシスを使ったケーキも黒房すぐり紹介パンフレットに載っていた。
原料生産をする農家、それを加工するメーカー、そして販売店それぞれが手腕を発揮してこそ地域特産の農産物は活かされる。


翌日16日は旅館泊まりなので、本日どこで車中泊するかが問題だ。
あてもなくとりあえず宿の方角、下北半島へ向かってうだうだと北上。

むつ湾に面した海水浴場で海に入って遊ぼうかと思ったが、家族連れで大混雑している様を見て意欲減退。菜の花名物の道の駅よこはまで、揚げたて菜の花ドーナツを試食し(買えって)、むつ湾産干しホタテ貝柱と巨大ホタテフライを購入。

恐山の麓町、むつ市へ。
恐山は以前一度行ったことがあるので今回はパス。
「暑い」ただそれだけの理由で行動意欲減退中。
牧場直営のミルク工房「ボンサーブ」でモカソフトと期間限定ヨーグルトソフトを購入。
「飲むヨーグルト試飲できます。」と書いてあるのに試飲品がない。
旅の恥はかきすてて店員さんに聞いてみたら新品の商品を開封してくれた。
店外の木の影で死んだように爆睡している山羊を眺めながら飲食。



アウトドアレジャーをしないとなると、食う飲む買うばっかりだ。
旅前に「今回は買い控えしよう」と決意したのにしこたまソフトを食べている。
それもこれも全てはこの猛暑のせいだ。
北国青森までやってきたのに容赦なく暑い。

宿泊予約した下風呂温泉の「長谷旅館」は、文豪・井上靖が宿泊して小説「海峡」を執筆した宿だという。
以前伊豆に旅する前に「伊豆の踊り子」を買った私。ここで「海峡」を買わない手はないだろう。
しかしむつ市街の本屋で探したがなかったので、新田次郎の「八甲田山 死の彷徨」文庫本を買った後、隣の食品スーパーをのぞいて、大畑産のイカを使ったイカめし¥150を2個と半額シールが貼ってあったむつ湾産のベビー(なのに大きい)ホタテ刺身を購入。



時は夕刻。今日どうする?この後どこ行く?どこで寝る?
という話をしている矢先の走行中、道路脇に「8月15日大畑港花火大会」の看板を発見。
15日って今日だよ~。今年はまだ花火見てないし、行ってみるか。



むつ市から北に10kmほどの大畑はイカ名物の港町。
側面にイカのイラストが描かれた消防車を見つけて思わずパチリ。
イカが消防ホースを持っている。おでこにはマーク入り。

日暮れまで1時間以上ある。
時間つぶしに立ち並ぶ屋台で花火見物のつまみを物色。
イカメニューの充実ぶりはスバラシイ。
「イカ串揚げ」1本¥80 イカのぶつ切りとピーマンを串刺しにしてフライの衣をつけて揚げたもの。
「イカミンチボール」紙コップ入り一杯¥150 イカゲソを刻んでお好み焼きのような生地に混ぜて肉だんご状に揚げたもの。
「イカぽっぽ焼」¥250 屋台の定番だがイカ自体がおいしい。

花火の前に盆踊りが始まった。
聞いたことのない津軽民謡。
音楽、踊りとも私の記憶にある盆踊りと全く違う。
私が子供の頃も、毎年8月14、15日は小学校で地域の盆踊りがあった。
聞きなれた民謡にあわせ、踊り上手な見知らぬおばさんの後ろにくっついて踊った。
踊りの形も至極単純だった。踊りの輪に入るとうちわをもらえた。
私が高校卒業したくらいからか、少子化で子供の数が減ったという理由で盆踊りは消滅した。
私の郷里、仙台とは全く違う盆踊り。
特に踊りは複雑で見ていても覚えられない。
そういえば今や超有名な秋田県西馬音内の盆踊りの踊りも、
この上ないほど複雑で幽玄で優美でハイレベルだった。
隣町は違う言葉を使っているという方言のようなもので、
わずか数km離れた町でも異なるほど、実は盆踊りって地域によって多種多様なのかもしれない。


予定より20分遅れで花火が始まった。
「大畑の春夏秋冬」をテーマとし、春・夏・秋・冬ごとに
それぞれ区切って司会者がナレーションする花火大会だった。
間隔が長くスローテンポな割に迫力のあるスターマインが多く、
足先は海、という港湾ぎりぎりに陣取って首を反らせながら目前の港に上がった
花火を見たので、尺玉は今まで見たことがないほど巨大に感じた。
充実したイカつまみシリーズを堪能しながら北国の花火大会を満喫。

大畑から内陸に入った薬研温泉に行く途中にたまたま見つけた
きれいなトイレ付きの広いパーキングで車中泊。
寝る前にホタテフライとホタテ刺しをつまみに酒を飲む。
なんだこれ!うまい!直径8cmほどはあるこのホタテフライ、
貝柱そのものにフライの衣がついているような感じだ。
だとしたらものすごく巨大なホタテだろう。

深夜にも頻繁に車が出入りしている。
街灯の下で昆虫採集している人が随分多かった。

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