日々の感じた事をつづる
永人のひとごころ
盛夏の贈り物
昭和38年6月末、季節は梅雨。『吉野、最近の雨で例の水門にかなりのドジョウが集まるようになったぞ!久しぶりにドジョウ汁を食いに来るか?』「ああいいね。行ってみるよ。」という調子で週末、友の家に行く。
あさ早く起き、二人で利根川本流に合流する地点の水門まで行き30分ほどで相当量の収穫を上げ家へ持ち帰って泥を吐かせる。
バケツに水を張り、ドジョウの入ったザルをその中に入れるのだが、その時、ザルの底とバケツの底の間に1~2個の石ころなどを置いて5~10センチの隙間を開けるのがコツ。ドジョウの出したものはこの隙間に入って溜まり、再び吸い込む心配が無いのでこの方法ならドジョウは早くきれいになる。
その夜、ドジョウ汁となったが、食事中の友と父親の会話が気になった「今日、電話があって、・・いつもの量は期待しないでください・・と言ってたよ」『それは困ったなー、手に入らなきゃ回数を減らすしかないだろう。お前何か手を考えろよ』「これだけはどうしようもないよ」『本当に困ったなー』・・・何の事で、どんな事情かも知らないで黙って聞いていたが、寝床に入ってから、何が困ったのか訊いてみた。
「キジという釣りのための餌さ」だと言う。そしてきじとはミミズの事だと言う。今年は釣り大会の大きなイベントが続いて、品不足の状態なのだそうだ。
間もなく最初の夏休みに入り、石巻に帰ったが「世話になっている親子にキジをプレゼントして喜んでもらおう」と思い、木のみかん箱に土と大量に掘ったミミズを入れ、陸前稲井駅から鉄道小荷物で「我孫子駅留め後、受取人へ通知」にして発送した。
鉄道荷札には「ミミズ」と書くわけにいかず「食品」と書いた。7月26日頃に我孫子駅に着いた筈なのに、8月3日になっても連絡が無い。友をビックリさせようと当方からはワザと連絡せずにいたが、これだけ遅くなればそうもいかず駅に電話してみたらやはり駅のミスで友人へ無通知だった。
真夏の最も暑い盛りに、「食品」の表示だったので、「多分中身は駄目だろう!日本国有鉄道で全額弁償させて貰います。」という連絡が国鉄からあったが『中身がミミズだ』ともいえず、「多分大丈夫だと思いますから」とそのまま友人に引き取ってもらった。
テッキリ食品が届いたと思っていた友人も中身がキジ(ミミズ)だったので、心底驚いた様だった。特に友人の父は絶句したそうで、この件が有って以降友人の父から本当の息子のように可愛がって頂いた。しかし良く考えてみるとミミズも「魚の食品」という事にはなる。
あさ早く起き、二人で利根川本流に合流する地点の水門まで行き30分ほどで相当量の収穫を上げ家へ持ち帰って泥を吐かせる。
バケツに水を張り、ドジョウの入ったザルをその中に入れるのだが、その時、ザルの底とバケツの底の間に1~2個の石ころなどを置いて5~10センチの隙間を開けるのがコツ。ドジョウの出したものはこの隙間に入って溜まり、再び吸い込む心配が無いのでこの方法ならドジョウは早くきれいになる。
その夜、ドジョウ汁となったが、食事中の友と父親の会話が気になった「今日、電話があって、・・いつもの量は期待しないでください・・と言ってたよ」『それは困ったなー、手に入らなきゃ回数を減らすしかないだろう。お前何か手を考えろよ』「これだけはどうしようもないよ」『本当に困ったなー』・・・何の事で、どんな事情かも知らないで黙って聞いていたが、寝床に入ってから、何が困ったのか訊いてみた。
「キジという釣りのための餌さ」だと言う。そしてきじとはミミズの事だと言う。今年は釣り大会の大きなイベントが続いて、品不足の状態なのだそうだ。
間もなく最初の夏休みに入り、石巻に帰ったが「世話になっている親子にキジをプレゼントして喜んでもらおう」と思い、木のみかん箱に土と大量に掘ったミミズを入れ、陸前稲井駅から鉄道小荷物で「我孫子駅留め後、受取人へ通知」にして発送した。
鉄道荷札には「ミミズ」と書くわけにいかず「食品」と書いた。7月26日頃に我孫子駅に着いた筈なのに、8月3日になっても連絡が無い。友をビックリさせようと当方からはワザと連絡せずにいたが、これだけ遅くなればそうもいかず駅に電話してみたらやはり駅のミスで友人へ無通知だった。
真夏の最も暑い盛りに、「食品」の表示だったので、「多分中身は駄目だろう!日本国有鉄道で全額弁償させて貰います。」という連絡が国鉄からあったが『中身がミミズだ』ともいえず、「多分大丈夫だと思いますから」とそのまま友人に引き取ってもらった。
テッキリ食品が届いたと思っていた友人も中身がキジ(ミミズ)だったので、心底驚いた様だった。特に友人の父は絶句したそうで、この件が有って以降友人の父から本当の息子のように可愛がって頂いた。しかし良く考えてみるとミミズも「魚の食品」という事にはなる。
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