いつも有益な記事を掲載するブログであるMurray Hill Journalさんにおもしろい記事があった。ダウのP/Eレシオ(株価収益率・PER)の100年推移を見ると、頂点に達するとダウの下降が始まり、底になると上昇するという動きがあるという。で、現在はまだ平均値あたりであって、下降しており、ダウもベアトレンドであるというのだ。P/Eレシオの長期的見方としてひじょうにおもしろい。下にそのチャートを転載しておく(下部の青い折れ線グラフ・全体をクリックすると大きい画像へ)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/01/dbe220a7a21e7fe1648488d9bee15e69.png)
そこでこのチャートを見て気がついたのだが、このP/Eレシオのチャートは、実は、ダウゴールドレシオのチャートとほとんど同じ動きなのだ。下にダウゴールドレシオのチャートを貼る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/94/d1d8442db5b604c55fe44067b801d9af.png)
ごらんのように、山も谷もひじょうに酷似している。これは偶然ではないだろう。企業成績の天井では、P/Eレシオも高く(景気が過熱して株が割高となる)、ダウゴールドレシオも高い(米国企業が強く収益は多く、ドルも強いので、金は相対的に安い。)しかし、そこからはまた次の下降のサイクルに入っていくのだ。
現在P/Eレシオはまだ平均値あたりで、今後の下降が予測されるのだが、ダウゴールドレシオもそれに習うことはほぼ間違いないだろう。ダウゴールドレシオも最低値は1から2程度まで過去には落ち込んでいる。現在は8.2であり、まだ下降余地があるものと思われ、今後の下降余地があるという点でもP/Eレシオの場合と一致するのである。この二つのレシオを併用することで、今回の経済危機の大底を判定する重要な指標とすることができると考えられる。
一般に、どんな仮説であれ、まったく異なった手法で論証が可能である場合には、その仮説の信頼性は高いと言える。今回も、P/Eレシオとダウゴールドレシオというまったく異なった方法によって、現在がベアトレンドであり、また、底までにはまだ間があるという仮説を実証できると考えられ、その信頼性が高まったと言えるだろう。
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グリーン1本目で買っても
充分に間に合いますね~
PERだけだと、どこが底でどこが天井かは、その時点では判断できないです。株金レシオを併用すれば、かなり正確に判断できるのではないかと思います。
過去のダウのPERの底の数値、ダウゴールドレシオの底の数値をきちんと把握しておきたいです。
PEレシオはどのようにだすのでしょうか
stock chartでもできるのでしょうか
詳しい計算方法は、ネットで「PER P/E」などで検索してみてください。エクセルなどで計算できます。
なお、S&P500のPERについては、左のリンク集にチャートを入れました。ご利用ください。