Wilhelm-Wilhelm Mk2

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シューマン「ヴァイオリンとピアノの為のソナタ 第1番、第2番」

2005-05-12 | Weblog
クレーメルとアルゲリッチの録音。シューマンが死ぬ5年ほど前の作品である。シューマンは最後の2年間は精神衰弱で寝たきりだったので、これは最晩年の作品の一つといえる。シューマンの中にある誰かに自分を理解してもらいたいという衝動と、逆にそれを押し込めて平静を装いたいという相反する感情が次々と交互に顔を出し、聴いているものはその波動に巻き込まれていく。このCDは私の愛聴番の一つなのだが、最後まで聴き通すと嘆息が出てしまいます。(シューマンが気の毒で)真面目すぎる人だったんだろうな。
クレーメルの神経質だがうねりながら歌い上げる感情的なヴァイオリンに、アルゲリッチの躍動的なピアノがお互いを高め合うように絡む。この2人のデュオの演奏はどれをとっても秀逸だが、この録音はその中でも一際群を抜いていると思う。

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