Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

徒然:まだ人間じゃない

2024-08-09 | Weblog
今日も高速徒然
・スマホから離れたいのだが、大事な通信機なのでそうもいかない。なのでスマホで読める書籍や漫画ソフトを使っている。
青空文庫:少し前までは中島敦を読んでいた。今は漱石の「行人」を読んでいる。長いが文体が絶妙なので疲れることなくさくさく進む。
・リアル文庫も読む。PKディック短編集。知っている話もあったが、ディックのSF発想には唸らせられる。
・PKディックの小品「CM地獄 Sales Pitch」:全自動型の家事支援ロボットが自らを「押し売り」にくる話。どこを向いても広告の世界、家と宇宙運送の職場との往復に辟易としている主人公のもとに、資本主義の結晶のようなロボット「ファスラッド」が実演販売にくる。「お前を買う気はない、100万年たってもだ!」「いいえ買いますとも」「あなたがお買いになるまで、そばにいるよう本社から命令されています」「わたしに与えられた指令は、あなたが満足するまで実演販売を続けることです」。この作品が書かれたのは1954年(70年前)だ。この話の最後、新天地「プロキシマ」を目指した主人公はロボットと共に心中する。ケンタウルスの太陽に飛び込む前の束の間、主人公は人生で忘れえていた「生」への喜びを感じる。しかしロボットは壊れた体でまだ実演を続けるのだった。
・PKディックの小品「まだ人間じゃない The Pre-Person」:問題作だ。子供を必要としない家庭では、小学生レベルの年齢でも子供を「中絶」することができる。なぜなら小学生はまだ代数が解けないので、魂が完成されていないと法律的にみなされるからだ。子供回収車が町を巡回し、親のサイン入り書類をもとに子供を「回収」していく。回収された子供は養子に出されるか、もし引き取り手がいない場合は「肺から空気を抜かれて」処分される(捨て犬と同じである)。食糧難から発生した極端な選別策の結果という設定である。常識ではありえない設定だが「都合の悪い子供は捨てる」ことは、現実の世界でも横行している。

高速徒然:モネの柳はなぜ撮影禁止?

2024-08-08 | Weblog
いつの間にか8月も半ばに突入しそう。高速で徒然

パリ五輪:全然見てない(と自慢してはいけないらしい)。ニュースで目にするだけ。女子ボクシングで性別が問題になっているようだが、こういうのは大会の開催前にクリアしておけよ運営。スポーツで男女を区分しているのは男女で骨格・筋力が大きく違うという点なので、そこを原則に考えればいいだけだと思うのだが。遺伝子は男性だが性分化不全で見た目も心も女性という人がいるのは事実。でも先程の原則にあてはめれば、もっと違うレギュレーションがあるはず。パスポートに女性と書かれているで女性でOKではな、小川さんよ(バッハ会長のこと)。
久しぶりに都響を東京文化で聞いた:大変よい演奏会でした。憧れていた人が老人の仲間入りとはな。大学時代の先輩も皆そういう年齢だし、お世話になった先生方の訃報やボケたしまったなんて話も聞く。残された時間を痛感するね。そして東京文化会館は素晴らしい建築だ。これに比べると東京芸術劇場は・・・おもちゃだな。
ヨハンナ・マルツィ:20世紀前半~中盤に活躍したハンガリーの女流バイオリニスト。フバイの弟子。まったく知らない演奏家で知人から紹介されたのだが、まず大変に上手であり、聞き続けたい音程(なかなかいない)であり、ミスがほとんどない(ヴィルトゥオーゾ)。そして音色は古き東欧の古城や山々を感じさせる品のある響き。最近購入したCDでは最大のヒットセット。最近の若い演奏家(特にアジア)の、噛みつくような音や、曲芸にもならない無駄な早回し披露や、グロテスクな顔芸には本当にうんざりしている。西洋音楽はヨーロッパのものなのだ。これを忘れてはいけない。
国立西洋美術館「写本」を見てきた:古い書籍や版画が大好きなので見学。マイナーな展覧会なので、日曜の上野なのに会場は人もまばらで、じっくりと鑑賞できた。展示された膨大な手描き写本は、日本のある名誉教授(医者)の寄贈コレクションとのこと。中世に使用された祈祷書などから1ページずつが骨董で出回るようで、それを蒐集したものらしい。なにせ1つ1つが非常に小さいので、老眼の目には接近しても細部がわからない。スマホで撮影して拡大してみるという方法で楽しんだ。本文周辺の飾りのなかに、漫画チックな動物や人物がたくさん観察できて、古い時代から人間の画力って変わらないのだなと思った。



常設展:客の7割は外人だったかな。極東で西洋絵画をみる必要はあるのか。特に西洋からの旅行客さん。母国にもっといい美術館あるでしょう。
常設展の謎:西洋美術館の常設のなかではモネの「柳」が学生時代よりお気に入りなのだが、この作品にはちょっとした謎がある。なぜこのモネ「柳」だけは撮影禁止なのか?個人所有のためかと思ったが、長く西洋美術館にあるようだ。外にもあまり貸し出していないようだ。もしかして真贋で問題ありか?寄贈者との間に約定でもあるのか?でも部屋の中央で飾ってるからなあ。お宝なのか?HPの所蔵一覧の解説にも写真はない、さらには作品の解説もされていない。英語版Wiki(モネのワーク)に掲載されているが色味が大分と違う。実物の柳はもっと緑寄りの色彩である。ネットで検索すると、個人のブログでいい具合の写真がヒットするのだが、それを使うのはやめておこう。

・リトグラフの展覧会もやっていた。リトグラフの作り方を始めて知る。やってみたいかも。


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