岸政彦「図書室」読了
本書は今年6月に新潮社より発刊されたものです。著者は本業は社会学者で、今年で52才になられる方です。前作の「ビニール傘」が芥川賞候補になっています。
新潮社のメールマガジン「考える人」というのが配信されているんですが、その中に岸政彦の「にがにが日記」というのがあって、これが滅法面白くてそれで興味が湧いて手に取ってみたのでした。
がしかし、この小説、出来としては今ひとつですねぇ。主人公の40才の女性の小学校時代の回想シーンが延々続くんですが、これがあまりにも長すぎる。これをもっとコンパクトにまとめて、現在の心の移ろいのようなものを書いていったらもっと心に沁みる作品になったのでは、と思いました。
なんて偉そうに突っ込んでみましたが、まぁこの方、物書きが専門ではないのでこんなもんですかね。
ちょっと残念でした。
ネットで以下の本を購入
阿部昭「天使が見たもの」中公文庫
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます