EL&P図書室3号

2001本目の記事から2.5号から3号に変更

音楽が解る世界地図 / 世界の音楽編集部編

2011-12-03 17:07:21 | 音楽誌に載ったEmerson,Lake&Palmer
音楽が解る世界地図 / 世界の音楽編集部編



B5判並製112ページ
本体価格:1500円(税別)
発売日:平成17年11月21日
ISBN:4-86212-028-8

紙質が厚いカラーページふんだんのムック本です。

この本は70年代のロックとプログレ好きな方が記した書籍である事は間違いありません。

エマーソン、レイク&パーマーに関しては、2箇所ほどの記述が見られます。

1つは、
「ジャンルを越えてカヴァーされる名曲」
のコーナーの26頁で、
「ナット・ロッカー(くるみ割り人形)」が、
展覧会の絵のカラージャケット付きで紹介されています。
チャイコフスキー(1842)→エマーソン・レイク&パーマー(1972)
と表記されています。
ジャケット写真は、コーナーに収められている他のミュージシャンのアルバムがたくさんあるので、あまり大きなものではありません。
他には、「キング・クリムゾン」→「ザ・ピーナッツ」もありました。

2つめは、
「世界中が驚いたあのパフォーマンス」
のコーナーの75頁で、
「キーボードに日本刀を刺す」
という表記で、キースの白黒写真ならぬ、黄緑黒写真が載っています。
写真そのものは、日本刀を刺しているところではなくて、
逆向きのオルガンの下敷きになって、上半身裸で弾いているところですね。
(この時期、弾くところまでやっていたかまでは解りませんけど)

他の企画としては、
「音楽とともに変わっていくバンド・メンバー交代劇」
のコーナーで、それぞれ2頁に渡って、
「イエス」「ポール・マッカートニー&ウイングス」「ディープ・パープル」等が取り上げられていますね。
メンバー交代時のアルバムがカラージャケットで掲載されています。
「キング・クリムゾン」も少しだけありました。

私がこの書籍を知った理由は、ラジオ番組がきっかけです。

毎週土曜日の朝7時15分頃から、NHKのFM放送で、「ウィークデイズ・サンシャイン」と言う番組をやっています。

DJは、ピーターバラカンと言う方で、取り上げられる曲は60年代後半から70年代初頭にかけてのかなりマニアックなロック音楽等です。
平成17年11月のある日、通勤時間の車の中で、何気なく聴いていると、1曲目に「ナットロッカー」が流れました。
しかし、今までに耳にした事のない「ナットロッカー」だったものですから、
ピアノの音色の響きがやけに新鮮な感じでした。

「ん?ELPの未発表ヴァージョン?」

などと思って聴いていると、
この「ナットロッカーが、ELPが演奏する以前のナットロッカーである」と言うコメントでした。
「ナットロッカー」のシングルは、中3の修学旅行で北海道に行った春に、
ラッキーにもデパートで見つけて購入して聴いたのが最初だったのですが、
加えてその年の秋に「展覧会の絵」のLP買って、その曲のルーツを辿る事など全く考えもしないロック少年でした。
しかし、展覧会の絵のジャケットを見ると、確かに「NUTROCKER(Kim Fowley)Arranged Emerson,Lake&Palmer」と記してありますね。

運転中だったので記憶できず、後で調べて見たら、Kim Fowleyがアレンジして「B. Bumble & the Stingers」と言うバンドが演奏した「ナットロッカー」をその時かけたのではないかと言う事に落ち着きました。
(1962年ビルボード・シングルチャート23位まで上がったそうです)

DJのピーターバラカン氏は、この時にゲストで招いていた、「音楽が解る世界地図」と言う本のスタッフに、この「ナットロッカー」をかけて、上記のEL&Pの「ナット・ロッカー」の補完すべき情報として提供した訳ですね。

Kim Fowleyのアレンジしたナット・ロッカーに関しては、検索すると、けっこう多くの方が知っている話らしいのですが、私は全く知らなかったのでした。
何年ファンをやっていても、探求心が不足していた事が幸いして、
新たななる驚きの機会に恵まれたのを思い出します。

「ナットロッカー」購入より23年目にして、ようやく事実を認識した次第です。

エマーソン、レイク&パーマーの取扱量からすれば、買うほどの事はない書籍と言えますが、
書籍のタイトルからすれば、ポップスやロックの雑学が入ってくる良書だと思います。

2011年12月3日 yaplog!