築地の市場食の代表的なジャンルのひとつが、ラーメン。忙しい市場で働く人にとっては、サッと頼んでズッとすすり、パッと出ていくにはもってこいの、いわば「市場版ファーストフード」である。
築地市場のラーメン店の中でも、テレビや雑誌で取り上げられることも多い評判の店が、築地4丁目交差点からすぐのところにある「井上」。創業以来40年以上、中華そば一本で商売しており、トンコツ醤油味のスープに中細の麺、チャーシューにメンマ、カイワレといった具が特徴。この日はもちろん、市場は開いていて、ごった返す新大橋通り沿いの中でも、さらに人だかりがしている店頭風景についひかれ、今日はラーメンで朝ご飯、となった。
店の間口はとても狭く、座席も数人分しかない。しかし並んで空くのを待つのではなく、注文してすぐに差し出された丼を片手に、通路においたテーブルで立ち食いする仕組みだ。すぐ横の新大橋通りにはトラックが行き交い、路肩にはターレ(市場名物・エンジン付きの運搬車)や小車(手押しの荷車)が駐車中。そんな脇で市場の人と肩を並べて食べるのが、実に市場風だ。
こぼれるぎりぎりのたっぷりのスープは非常に薄味で、ほんのり塩味を感じるぐらい。早朝の胃には優しいが、仕事後の河岸の労働者には塩気が少々足りないのでは。麺は細いストレートで、腰の強さは程々だが、味がしっかりしてなかなかうまい。具はネギとカイワレがどっさり、そしてゴロゴロとのるチャーシューが迫力モノ、というか朝飯には少々重い。結構固く、薄いのを選んで食べて塊は申し訳ないが残してしまった。
シンプルなラーメンだが、世間で人気のラーメン屋と比べると、ちょっとおとなしいというか、物足りないというか。これが「市場のラーメン」の特徴なんだろうか。(2004年5月13日食記)
築地市場のラーメン店の中でも、テレビや雑誌で取り上げられることも多い評判の店が、築地4丁目交差点からすぐのところにある「井上」。創業以来40年以上、中華そば一本で商売しており、トンコツ醤油味のスープに中細の麺、チャーシューにメンマ、カイワレといった具が特徴。この日はもちろん、市場は開いていて、ごった返す新大橋通り沿いの中でも、さらに人だかりがしている店頭風景についひかれ、今日はラーメンで朝ご飯、となった。
店の間口はとても狭く、座席も数人分しかない。しかし並んで空くのを待つのではなく、注文してすぐに差し出された丼を片手に、通路においたテーブルで立ち食いする仕組みだ。すぐ横の新大橋通りにはトラックが行き交い、路肩にはターレ(市場名物・エンジン付きの運搬車)や小車(手押しの荷車)が駐車中。そんな脇で市場の人と肩を並べて食べるのが、実に市場風だ。
こぼれるぎりぎりのたっぷりのスープは非常に薄味で、ほんのり塩味を感じるぐらい。早朝の胃には優しいが、仕事後の河岸の労働者には塩気が少々足りないのでは。麺は細いストレートで、腰の強さは程々だが、味がしっかりしてなかなかうまい。具はネギとカイワレがどっさり、そしてゴロゴロとのるチャーシューが迫力モノ、というか朝飯には少々重い。結構固く、薄いのを選んで食べて塊は申し訳ないが残してしまった。
シンプルなラーメンだが、世間で人気のラーメン屋と比べると、ちょっとおとなしいというか、物足りないというか。これが「市場のラーメン」の特徴なんだろうか。(2004年5月13日食記)