ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

飛車浬@博多駅筑紫口

2019年11月07日 | 旅で出会った食メモ
中洲から天神にかけて飲み歩き、博多駅前の宿に収まる前に、筑紫口で見かけた屋台に〆の一杯でぶらり腰を下ろした。博多駅近のため出張族で人気らしく、ビニールシートをめくって覗くと先客が詰めて席を空けてくれる。このホスピタリティが、屋台飲み歩きの嬉しいところだ。

席につき目の前の鍋で煮えるおでんは、自家製とんこつ出汁の福岡テイスト。魚処らしい練り物の味の濃厚さに負けないパワフルな下味に、銘柄は分からない芋焼酎のお湯割が進む。締め麺の屋台豚骨ラーメンがまた、長時間煮込んだドロリと粘度のある激濃い白濁スープ。クキクキした細麺にごってり絡み、これまた豚骨王国らしい力のあるラーメンである。

更け行く闇に謎焼酎の酔いも促進され、あれやこれやと四方山話に花が咲く博多の夜。まあ、今日のところは天下太平なり。

割烹よし田の鯛めし@天神

2019年11月07日 | 旅で出会った食メモ
明治通りと昭和通りの間、繁華街に挟まれるような狭い路地の一角に、隠れ家風に建つこの店。一見、静かな佇まいだが、昼間は行列必至のランチが人気を博し、界隈で働く人たちが押し寄せる人気店である。12時をやや過ぎてから訪れたら、1階はすでに満席。2階の広間に通され、昼間から料亭でお食事の気分である。

ほとんどの客が頼む「鯛めし」にすると、すぐにおひつと茶碗が運ばれてきた。中は普通の白飯でほどなくヅケの刺身が出され、大阪の炊き込み鯛めしではなく宇和島のスタイルに近い。食べ方の能書きによると、一膳目は刺身でご飯をいただき、二膳目は刺身をのせて茶漬けにするとあり、これは名古屋のひつまぶしスタイルだ。まずは刺身をごはんにのせていくと、身がご飯の熱でジワジワと自然な甘さが出てくる。白身の淡白さを引き出すちょうど良い加減で、どこか漁師めしの知恵のようでもある。

二膳目は刺身に茶を掛け回すとサッと熱が入り、生だと弾力があった身がホコホコになり甘さが強調される。トロトロに溶けた海苔がこれと絡み、磯の香りが相乗。ゴマだれの香ばしさも相まって、味わい複雑な出汁茶漬けだ。味がしっかり計算された、割烹の締め茶漬けの趣がある。ご飯がまだあるので、三杯目はゴマだれが染みた刺身と素の茶漬けで、刺身がなくなった最後はゴマだれかけ高菜ご飯でピリッと締めくくりに。

二種のオリジナルな食べ方をプラスしたおかげで、おひつは空にできたが、夜の中洲探訪までに果たしてお腹が減るだろうか?