ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ウェスティン都ホテル京都@京都蹴上

2018年07月17日 | 宿&銭湯・立ち寄り湯
灼熱の京都旅行、二泊目は純和風旅館からホテルへとガラリと趣が変わる。ウェスティン都ホテル京都は蹴上のやや高台に位置し、部屋からは平安神宮〜鴨川左岸方面を一望。朝食の和定食が素晴らしく、朝粥にちりめん山椒をのせおかずは出汁巻に湯葉煮に京漬物と、まさに京都の朝ごはんだ。

旅で出会ったローカルごはん…京都・東山三条 『中国料理 東北屋』の、中国東北地方の料理

2018年07月17日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
灼熱の京都旅行、祇園祭巡行の日の晩御飯は、地元の案内の方オススメの「町中華」へ。東山三条交差点そばの「中国料理 東北屋」は、名の通り中国東北地方の料理を中心にしたお店である。暑さからまずは冷製の前菜をオーダー、中国湯葉の千切り和え物が細麺の冷麺風でシャッキリ、東北春雨とキュウリの和え物は幅広プルプルの春雨に辛子が効いて食欲をそそる。

さっぱりもので調子が出たところで、東北地方らしい料理もセレクト。寒冷地かつロシアやモンゴルなど周辺国と接する土地柄、スパイシーで濃いめの味付けが特徴という。麻婆豆腐、酢豚とも「東北風」と冠しており、麻婆豆腐は見た目の割にはマイルドで食べやすい。酢豚は肉をスライスしてあるのが珍しく、片栗粉で封じられた肉の旨みの濃いこと。ナスの四川風炒めもナスに片栗粉を打っており、多彩なスパイスとナスのしっとり感が合う。ごろごろ入った赤唐辛子は辛味がなく、サクサクそのままいける。

餃子は羽根が香ばしい焼餃子と、皮が厚く肉汁ジューシーな水餃子を食べ比べ、五年紹興酒の瓶が空になったところでごちそうさま。正統派京料理が続いた後にインパクトある中国料理、これも京都の食の懐深さか。

京都祇園祭てくてくさんぽ6

2018年07月17日 | てくてくさんぽ・取材紀行
灼熱の京都旅行、祇園祭はそもそも、八坂神社の祭礼である。平安京の時代に流行った疫病を、鉾を立て神輿を送り除去したのが始まりで、いまの雅やかな山鉾巡行の原型なのがうかがえる。朱塗りが鮮やかな西楼門から境内へ入ると、巡行当日とあって様々な神事が催され、夕方から神輿も出ることでかなりの人込みである。

押されるように本殿の裏手の末社へ流されると、「刃物神社」という小社が。京は刃物発祥の地との説明があり、さらに隣には竈門神社が構えるなど、さすがは京料理の地らしい社、と感じ入ってしまう。ちなみに祇園祭は別名「鱧祭り」と称され、 7月の初旬に行われるその名も「はも道中」は、ハモを入れた木桶が大夫や浄瑠璃人形とともに練り歩き、八坂神社に奉納されるという。参観者にはハモすきが振舞われるそうで、骨切りで刃物の神様、煮炊きで竃の神様と、末社の神々もフル稼働なのだろう。

京都祇園祭てくてくさんぽ5

2018年07月17日 | てくてくさんぽ・取材紀行
灼熱の京都旅行、祇園祭の山鉾の中で、この旅で注目したのは「占出山」という舁山。神功皇后が祀られており、肥前松浦で戦占いで鮎を釣り上げた姿をモチーフとしている。別名「鮎釣り山」の通り、右手に釣り竿、左手に鮎を持つ姿が印象的で、古くから町衆に人気があるというのもうなづける。

宵山の際に訪ねたら、提灯の明かりに灯された舁山のそばで「吉兆あゆ」という菓子が売られていた。アユを模った生地の中に求肥が入った、祭りの期間限定の菓子だ。舁山の絵柄が入った手ぬぐいは、アユを釣り上げる神功皇后が染め抜かれ、旅の記念になる。

巡行でもその姿を眺められ、夏が旬のアユ料理との関わりを色濃く感じられる。アユと祇園祭のストーリーが、うまく構築できるかな。

京都祇園祭てくてくさんぽ4

2018年07月17日 | てくてくさんぽ・取材紀行
灼熱の京都旅行、祇園祭巡行のハイライト「辻回し」は、交差点で鉾を直角に方向転換する見せ場だ。注連縄切りのあとに河原町御池の交差点に移動、ホテルオークラの前で待つと、ちょうど先頭の長刀鉾がやってきた。囃子とともに車輪のたもとに潤滑用の竹の束が敷いて水を撒き、準備が整ったら前に乗る若衆が景気付け。「そーれ、ちょいトナー、よっとせー」との掛け声、曲がる方向へうちわで煽ったのを合図に、90度方向に一斉に縄を引く。

これで一発でスパッと向きを変え、見事拍手喝采…と簡単にはいかない。長刀鉾は鉾の中で三番目に重く、重さはなんと11トンあまり。ビシビシとひびく竹の音とともにじわりと回転し、また竹の束を敷いて引いて、を数度繰り返して、直角に曲がれたところでようやく拍手となるのだ。

一方、山の方はやや小柄なため、引き手全員で持ち上げてクルリと90度回転と、動きが軽快だ。重厚で飾り物が高くそびえ立つ鉾に対し、こちらは装飾が個性的で、カマキリがパタパタ羽ばたく蟷螂山、烏帽子姿の御神体が釣り竿片手に鮎を釣る占出山など、見ていてなかなか楽しい。

しんがりを飾る大船鉾は戦勝凱旋を象徴し、船首に飾られた想像上の鳥・鷁(げき)の金飾りが華々しい。これを見送ったら巡行は終了、祇園祭由縁の社にも足をのばしておきましょう。