ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

旅で出会ったローカルごはん…豊川稲荷 『道頓堀いなり』の、いなり寿司

2018年02月11日 | ◆旅で出会ったローカルごはん

豊川稲荷の参道にはいなりを扱う店がズラリ並び、多種多彩な創作いなりが目白押しだ。気になったものだけでも七色いなりにわさびいなり、名古屋めし系の味噌カツいなりにひつまぶしいなり、テイクアウトではいなりコロッケに焼きいなりにいなりバーガー、さらに洋風ラクレットいなりにスイーツ系のいなりシューなんてのも。

初めはあれこれ食べ歩いてみようとしたものの、どれも名を聞いただけで何となく味の想像がつき、ぐるっと回ってシンプルなもので実力のほどを図りたくなる。表通りの賑やかな呼び込みにも少々しんどくなり、みやげ物や観光飲食店がない路地へ。観光客どころか、下手したら地元客にも無縁そうな鄙びた構えの「道頓堀いなり」を、あえて選んでみた。

店頭のケース内の日焼けしたサンプルによると、いなり寿司4つで520円と相応なしつらえ。殺風景な店構えをくぐると店内は輪をかけて殺風景で、窓にカーテンが固定されなんだか薄暗い。鉄板焼きの店らしく、色褪せた品書きにはほかお好み焼き、焼きそばなども。これは質実剛健、日和った変わりメニューないのがローカルな店らしい。

客の姿はほかにないが、おばちゃんは愛想よく、いなり寿司を頼むと炊飯器から炊いたご飯を丼によそい、厨房へ。酢飯を作り詰めている様子で、ややしたら細長い俵型のいなりが行儀よく並んで運ばれて来た。揚げの中身はご飯のみ、ほのあったかい柔らかめの酢飯に、揚げから軽く甘いつゆがからみ、ほっとする味わい。酢も甘さも控えめで、あ、これでいいかも、と納得の、家庭の味らしいいなりである。

通りは観光客など誰も通らず、さっきまでの参道の喧騒がうそのように静か。そういえば今日は初午、これで縁起がつけられただろうか。


豊川稲荷てくてくさんぽ3

2018年02月11日 | てくてくさんぽ・取材紀行

豊川参拝さんぽ、豊川稲荷に着いて驚愕したのは、迎えてくれたのは鳥居ではなく山門。ここ、神社ではなく曹洞宗の寺院だったとは知らず、てっきり伏見のような赤鳥居のトンネルが連なるところと思っていた。正式名は「妙厳寺」で、鎮守の稲荷からそちらの方で知られるようになり、日本三大稲荷にも挙げられるほどになったとか。

商売繁昌の神様がまつられる本堂に参拝後、右手の奥の院に向かうのが参拝コース。沿道は「千本のぼり」と称される幟のトンネルで、神社でなく寺のため納めるのは鳥居でなく幟、しかも赤でなく白地なのが眩しい。幟をたどりながら至った奥の院では、おびただしい数のキツネ像に圧倒。参道を向いているので、ちょいと横を見ると1000×2つの目線を浴び、ちと怖い。

奥の院の「狐霊塚」は境内のメインたる見どころで、金運成就の御利益があるだけに、参拝客が絶えない。参道右手の大岩に挟まった硬貨を掘り出せば金運に授かれるそうで、叶ったら硬貨を埋めてお礼をするループだそう。今話題のマイニングをリアルに?いそしむ人たちで、こちらも賑わっている。

 

神社参拝のテンションで挑んだら寺院参りとなり、ちょっと肩透かしな気分にて散策終了。


豊川稲荷てくてくさんぽ2

2018年02月11日 | てくてくさんぽ・取材紀行

豊川参拝さんぽ、豊川駅から豊川稲荷までは、門前の商店街「豊川稲荷表参道」をゆく。なつかし青春商店街との愛称のように、古い商店にレトロなホーロー看板をあしらい、昭和の雰囲気を出している。

この手の仕掛け、やりすぎるとあざとくなりがちだが、ギリギリの見極めをしてるのがすごい。観光客向けの店舗だけでなく、薬局とか書店とか一般商店がまじっているせいもあり、まあありなのではな景観に収まっている。水原さんも松山さんも、なかなか自然な感じに微笑んでいらっしゃり、初見では「希少な天然もの」かと見まごうたほど。