大垣さんぽの前夜の晩ごはんに選んだのは、坦々麺である。大垣では「大垣らしい食」をテーマに、市内の飲食店から提供されたメニューを投票により賞を競う「大垣めしグランプリ」、略称GAKIめしを毎年開催。駅前商店街の中華料理店「チャングイ」のこのメニューは、栄えある第三回のグランプリに選ばれたものである。
ここのタンタン麺、見た目は超攻撃的な発色をしているが、すりゴマがたっぷりのおかげでベースに香ばしい甘さがあり、多彩な辛味要素をそれぞれ感じられる。ヒーと痺れないのに芯から温まり、寒空の散策には代謝が上がりありがたい。点心など一品料理も丁寧につくられ、焼きに揚げにゆでに水が揃う餃子は、もみじおろしとポン酢でさっぱりいくゆで餃子が、ビールのアテにもったりと優しい。
店舗はテーブル3つに数名のカウンターと、典型的な街中華のしつらえで、お客も一品で飲んだり締め麺を食べに来た、地元のサラリーマンばかり。由縁を後付けした「創作ご当地グルメ」も面白みがあっていいけれど、こうした「常食」から定着するご当地の名品こそ、さんぽの落とし所めしとして似つかわしい。