ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

施餓鬼とヒロシマ

2012年08月06日 | てくてくさんぽ・取材紀行
今日は67回目の広島・原爆の日である。自分の両親も広島県出身だが、広島市からは東に90キロほど離れた芸予諸島。だから直接の被害はなかったからか、両親からも祖父母からも原爆にまつわる話は、あまり聞いたことがない。

思えば自分が小学校の頃は、原爆の悲劇を学校教育で積極的に伝えていて、夏休みには自由研究や作文の課題に必ず出た覚えがある。広島市街の原爆被害マップをつくったり、区の公会堂で「はだしのゲン」を見て感想文を書いたり。とは言え67年という数字が重くなるにつれ、関係者が減っていき伝承が希薄になることも、また現実。旅の仕事の中でも、できることを考えていかないと。

そんな今日は父の新盆の関係で、横浜の実家そばの寺の盂蘭盆会と施餓鬼会に列席した。新盆の飾り物と餓鬼に施す米を収め、法要前に広間でちらし寿司などをご馳走になった。シイタケ、油揚げ、カンピョウが甘くホッとする味付けで、小鉢と汁椀のミョウガが蒸し暑い中で舌に鮮烈。小鉢の酢の物はキュウリと麩、すまし汁も昆布だしなのは精進料理だからだろうか。

ちなみに施餓鬼とは「六道輪廻の世界にある凡夫の中でも、死後に特に餓鬼道に堕ちた衆生のために食べ物を布施し、その霊を供養する儀礼を指す」とwikiにあるが、広義には無縁仏に対しても施し、供養する意味もあるという。原爆の日に重なったのも御縁、名もなき犠牲者のことも心に留めつつ、真摯に参加しよう。

幕張メッセ 恐竜王国2012

2012年08月06日 | てくてくさんぽ・取材紀行
ここ数年夏休みになると、恐竜の企画展が都内の博物館や大規模展示場で開催される。地元のパシフィコ横浜でも、福井県立恐竜博物館の所蔵品を展示した恐竜展が開催。福井県立恐竜博物館は、日本有数の恐竜発掘現場に近い勝山にあり、展示の中には発掘現場をそのまま移設展示したという、えらいスケールのものもあるとか。

そんな地元の恐竜展も気になるが、今日訪れたのは千葉は幕張メッセの「恐竜王国2012」。定員を絞った18時からのナイトミュージアムで、ゆっくり見物できた。自分達の世代で恐竜というと、爬虫類っぽい質感がイメージだが、最近の説では恐竜にも毛や羽根が生えていたとされている。

なので展示も首長竜や直立恐竜、翼竜の大スケールの骨格標本ほか、毛並みフサフサの生体復元モデルが興味深い。色もマリンブルーやオレンジ、緋色とあでやかだ。さらに展示の目玉は、中国遼東省で出土した、毛つきTレックスの実物平面全身骨格である。

ユティランヌスというこの恐竜、体長9メートル、重さ600キロ。生体復元モデルで見るとまさに哺乳類の見事な毛並みで、中型なのもあり愛玩動物にも見えるほど。獰猛なTレックスに、何だか親しみが湧いてしまう。

ちなみに恐竜につく「ザウルス」とは、トカゲの意味だそうだ。恐竜に体毛があるのが主流になってくると、この呼び名も危ういかも。でも我々父親世代は、やはりあの爬虫類感こそが童心に刻まれた恐竜なんだが…。