ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

老い

2021年10月02日 | その他

 今日、同居人は独り暮らしの義母の家に行ったため、私は独り。
 たまにはそれも良いのですが、このところ毎週です。
 82歳を迎えて衰えた義母の世話をやくためです。

 義母はこの世を悲観するようになりました。

 東京大空襲で母と妹を失い、中年に至って、わずか18歳の娘を難病で失いました。
 そして義父の死。

 自分は世界一不幸だ、みたいなことを言うようになりました。
 義母の主治医である内科の先生は老人性のうつを疑っています。
 義母は絶対に認めません。

 また、デイ・サービスに行くことを勧めても、他人と話をしたり、幼稚園児のような遊びをさせられることを毛嫌いしています。
 そこは義母の矜持なんだろうと思います。

 今、義母は私たち夫婦に最後の教育を施しているかのごとくです。
 すなわち、老いていく姿を見せるという。

 私の実父は衰え行く姿を見せる前に、亡くなってしまいました。
 格好つけでしたから、老醜をさらすことを嫌い、そのとおりになりました。

 義母の姿を見て、老いるということに、恐怖を感じるとともに、早目に施設に入ったほうが良いという気持ちになります。
 義母曰く、生きているだけで大変、だそうで、それは見ていれば分かります。

 不老不死は絶対にかなわない、しかし人類永遠の憧れ。
 老いていく苦しみや悲しみ、さらには死に行く恐怖。

 義母を見ていて、そんなことを考えさせられます。


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