ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

パージ

2016年03月07日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜はひどく暴力的な映画をDVDで鑑賞しました。
 「パージ」です。

 近未来の米国。
 犯罪の抑止のためと称して、年に一晩だけ、12時間、殺人を含むあらゆる犯罪を合法とする法律が施行されます。
 この夜、人々は己の獣性をむき出しにして、残虐行為にふけるのです。



 この映画では、完璧なセキュリティシステムを完備した豪邸の一家が、各地で行われる残虐行為を横目に、優雅な夜を楽しもうとするところから始まります。

 ところが18歳の娘の交際相手が昼間のうちから豪邸に忍び込み、パージの始まりを告げるサイレンの音を合図に、交際に反対する父親を撃ち殺そうと試みます。
 しかし護身用に銃を携帯していた父親が、逆に交際相手を撃ち殺してしまいます。
 
  さらにはお金持ちの若者の集団が黒人のホームレスを追い詰め、黒人が助けを求め、見ていられなくなった中学生とおぼしき長男がホームレスを豪邸に入れてしまったところから、一家に深刻な悲劇が訪れます。
 若者の集団が完璧だったはずのセキュリティシステムを破壊し、殺戮を開始するのです。
 銃、ショットガン、機関銃、斧、などなどで家族と若者の集団が戦いを開始するのです。

 この手の、殺人をある一定の条件下で合法化する映画は、わが国でも作られてきました。
 「バトル・ロワイヤル」然り、「リアル鬼ごっこ」然り。

バトル・ロワイアル 特別篇 [DVD]
高見広春,深作健太
東映ビデオ



リアル鬼ごっこ スタンダード・エディション [DVD]
石田卓也,谷村美月,大東俊介,松本莉緒,吹越満
ジェネオン エンタテインメント

 また、合法ではないまでも、暴力を描いた映画は数知れず。
 名作「時計仕掛けのオレンジ」は公開当時センセーションを巻き起こし、数々の映画賞を総なめにしました。 

時計じかけのオレンジ [DVD]
マルコム・マクドウェル,パトリック・マギー
ワーナー・ホーム・ビデオ

 また、「マーターズ」「ホステル」シリーズなど、グロテスクなまでに暴力を追求した映画も少なからず存在します。

マーターズ [DVD]
モルジャーナ・アラウィ,ミレーヌ・ジャンパノイ,カトリーヌ・ベジャン,イザベル・ジャス,エミリー・ミスクジャン
キングレコード

 

ホステル 無修正版 コレクターズ・エディション [SPE BEST] [DVD]
ジェイ・ヘルナンデス,デレク・リチャードソン,エイゾール・グジョンソン,バルバラ・ネデルヤコーヴァ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

 これほどたびたび暴力を描いた映画や小説が製作され続けるのはなぜなんでしょうね。
 そしてまた、私がそういった映画をなぜ好んで観続けるのか。

 ホラー映画やお化け屋敷、ジェットコースターに金を払うのは、太古の昔、人間は怖いものだらけの世界に住んでおり、恐怖はもっとも親しい感情であり、また恐怖を持たなければ生きていけなかった頃の名残が、本能的に恐怖を求めるためだというもっともらしい説を聞いたことがあります。

 であるならば、獣を追いかけて解体して食したり、人間同士で殺し合いをするという残虐性もまた、人間の本能が求めているとは言えないでしょうか。

 現代の日本社会を生きる人間は、ほとんど生涯、深刻な恐怖を感じることも、極端な残虐性を発揮することもありません。

 それは平和でたいへん結構なことですが、そこには、本能に反する生きづらさがわずかながら存在するように思います。
 であるならば、理性を保つためにも、怖い思いや残虐性の発露をフィクションに求めるのは、逆説的なようですが、健全なことなのかもしれません。

パージ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
ジェイムズ・デモナコ,マイケル・ベイ,ジェイソン・ブラム
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン


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