ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

下手でいいんだ、ダンスは!

2009-07-18 22:09:22 | 教育

 ダンス、そりゃ上手いに超したことはないでしょ。って、タイトルと矛盾してない?そうね、矛盾してる。演劇部だから下手でいいっていう意味じゃないよ。置農演劇部なんか、大会作品でも、子どもミュージカルでも、頼まれたイベントでも、何かって言うとダンスだから、上手い方がいいに決まってる。だから、練習だってかなりの時間を割いてやっている。お世話になっているダンスの先生も複数いる。誰彼かまわず舞台に上げるわけじゃもちろんない。でもね、やっぱり、下手でいいんだ、ダンスは!

 昨日まで三日間、二年生はインターンシップだった。そう、会社や農家や役場でお世話になって、世の中の荒波をちょっぴり体験するって奴ね。当然、部活動もお休みだ。中堅の二年生がいないってえと、子どもミュージカルも演歌ショーも稽古にならないわけ。なので、この三日間は、一年生のダンス特訓ってことにしている、ここ数年。

 これまで踊りつがれてきた曲はかれこれ10曲近く。そう、毎年1曲はレパートリー増やしていってるからね。今年も『お祭りマンボ』が加わったし。で、このうち6曲をこの三日間で一年生にぎゅっぎゅっと詰め込んだ。ダンス初心者の一年生にとっては、もう緊張の三日間だと思う。なんせ三年生がマンツーマン、付きっきりで教えてくれるんだから。本当はもっとゆったり時間をかけて伝授していければいいんだけどね、なんせ公演、公演、また公演の置農演劇部、とても一年生のダンスレッスンだけに割ける時間なんてない。

 こんな短時間でダンスものになんのかよ?って疑問に思う人もいるかな?ところがね、これがまた凄いことで、こんな荒っぽい方法で結構覚えてしまうものなんだよ。まさに、高校生恐るべし!!だから下手でいいのか?

 違う、違う。こんな風に適当に手ほどき受けたって上手くなる奴は上手くなる。こっちがほほっと、見とれてしまうほどの奴だっている。それはそれ。今回は下手な奴の話しなんだ。置農に関して言えば、演劇部に来る奴てのは、運動でものにならない、おっと、ごめん、運動能力より思考能力に自信がある?いや、よりましな連中なわけなので、中には、もう見てられない!勘弁して!!ってほどにダンスが様にならない奴がいるんだ。で、そういう連中が、3年間、ともかくも踊り続けてくると、これがもう、いっぱしに一年生をリードするようになってくんだから驚く。いや、相変わらず下手だよ。でも、楽しんでるんだよ、踊ること。嬉々としてるんだよ、教えるの。

 でね、これがとっても大切なことだって思うわけ。下手な奴が下手を気にせず一緒に踊り狂って、楽しんでる、踊ることに上手いも下手もない、これがダンスの本来のあり方なんだと思う。一年の時、運動神経の無さにダンスっていうと尻込みして、列の後ろに隠れていたような奴が、もう得意満面で踊ってるんだ。いいよねえ、この光景。しみじみ、ダンスを取り入れてよかったなぁって思う。

 さて、この三日間、極度の緊張の中で無我夢中で6曲の振りを覚えてきた一年生。手は縮こまってるし、顔は下向いたままだし、体全身、自信なし、私ダメってオーラが溢れかえってる。でもね、君たち絶対上手くなるから、いや、上手くならなくたって、楽しくなるから。それがダンスってものだから。三年生だって君たちと同じだったんだから。コツはね、自分を捨てること!ってたしか三年生の一人が言ってたよね、そんな瞬間がいつかやってくる。それ楽しみに、追いまくられつつ踊り続けよう。

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